2011年 非公式ながら初乗り

 

2011年1月7日

 

寒風吹きっさらしの海岸にて

(遠くに見えるは知多の製油所群)

 

 

 

0.本年もよろしくお願いします

 

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。というわけで、2011年が始まった。今年もバンバン走りまくりたいものですな。ところで、今年は正月2日、3日とTDMに乗って親戚の家に行っていたので、本当の意味での初乗りは終えている。しかし、当方としては、初乗り=初ツーリングと定義しているので、これは初乗りとは言えない。そこで、本日7日に近場ながらツーリングに出かけたので、本年の初リポートをお伝えしよう。

 

尚、表題に「非公式」としたのは、WRT連合会の初乗りを公式なものと考えているためである。特に深い意味はないので、軽く流して頂きたい。

 

1.出発

 

 それにしても、今年の冬の寒さときたら尋常ではない。最低気温が氷点下になることは当たり前で、最高気温でもせいぜい7度止まりだ。よって、出発時刻は陽が昇って少し気温が上がる、10時30分頃とした。帰還は16時を目安としているが、果たしてどうなるだろうか。

 

まずはTDM君に「今年も頼むぜ」と声をかけつつ、運行前の点検を行う。タイヤ空気圧を調整し、少し汚れた所をワックスで磨いておく。そう、車体清掃は最も初歩的な点検だ。

 

この後、エンジン始動を要求し、承認を得てからスターターを回す。回転がやや遅いセルモータの音と共に、エンジンは難なく始動した。ところで、昨年末にバッテリーを交換した。前回の交換は2008年の冬だから、2年しか持たなかったことになる。その原因であるが、単に「安物を購入」しただけのことだ。本来のバッテリーはGT12B-4という品番なのだが、「相当品」であるCTB12B-4というものを市場価格の2割程度で入手したのだ。その結果が2年でパーということなのだが、新車購入時に装着されていた正規品は寿命が5年であったことを考えると、安物を頻繁に交換しても大した差は無い。ただ、バッテリー切れでエンジンが停止しないように、換え時を自分で把握しておく必要がある。

 

そう考えつつ、水温計が動き出すまで暖機し、続いてゆっくりと走行して、ミッションなども作動を確認しつつ暖めていく。それにしても今日も寒い。ただ、天気が良いので、最高気温は8、9度まで上がるようだ。期待しよう。

 

こうして県道57号線で南下し、燃料を搭載。その後、国道155、366、そして247号線と繋いで大府から東浦へとheading180で走行を続けていく。え、どこへ行くのかって?今日は地元の知多半島周回コースを走破する予定だ。そのついでにセントレアに寄って飛行機を見ていきたいが、こちらは日没時間の関係で難しそうなのでオプションとしておく。

 

2.知多半島東海岸に沿って

 

国道をさらに南下し、「ごんぎつね」で有名な半田市までやってくる頃には、多少暖かくなってきた。また、昨年装着した新兵器であるナックルガードが良い仕事をしており、手が冷たくなることが格段に改善されている。やはり、吹きさらしと風除けがあるのとでは、同じ寒いのでも随分と差がある。今までを10としたら、4くらいであろう。1万5000円の投資は大きな効果をもたらしてくれている。こんなことなら、もっと早くから装着すべきであった。

 

さて、同市内を走行していると、国道とJR武豊線が立体交差する緒川北交差点付近で、興味深いものを発見した。というか、前から知っていたけど。それは伊勢湾台風時の高潮で、堤防を越えてきた海水の水位を示す看板だ。ちょうど管理人の胸の辺りまで水に浸かったようなので、1mくらいだろうか。想像しただけでも寒気がする。また、聞いた話では、1ヶ月程も水が引かなかったところもあったらしい。

 

伊勢湾台風時の水位を示す看板にて

 

太陽の暖かさと新兵器に感謝しつつ、さらに南下をしていく。すると中部電力の武豊火力発電所前にやってきた。「武豊」は「たけゆたか」ではなく「たけとよ」と読むことは言うまでも無いが、その昔にジョッキーの武豊がJR武豊駅にやって来て、何か商品を売っていたいたことがあったようだ。非常にベタであるが、日本人の抜け目無さを表す逸話だ。

 

発電所を通過し、さらに某ヨットスクール前を通過。航空機地上支援施設がある河和を過ぎると、道は海沿いへ出てくる。ヒョー、風は冷たいが天気は最高。対岸の碧南火力発電所や、前方の知多半島のバブルの塔、「チッタナポリ」の高層リゾートアパートもはっきりと確認できる。そして青い海、気分は最高だ。

 

こうして、冷たいながらも心地よい海風を感じつつ南知多町へと車輪を進めていくと、沿道には干物等の看板を掲げた店が目立つようになる。それもそのはずで、この辺りは漁業が盛んであり、一年を通じて名古屋圏から観光客が訪れる地域なのだ。んー、この干物の匂い、食欲をそそりますなぁ。おっと、そういえば腹が減ってきたぞ。時刻を確認すると、既に13時だ。

 

3.師崎から内海へ

 

どこかで旨いものを食べようと、店をさがしつつ走行していく。ところで、師崎周辺にはさかな広場や、海の幸を食べることができる店が点在しているのだが、駐車場がびっしりと埋まっており、今ひとつ入る気になれない。当方は待つことが好きではない。混んでいない店を探そう。そう考えていたら知多半島先端である師崎を通過した。

 

さて、この師崎であるが、漁港の他にフェリーの発着場所としても有名だ。ふぐやタコ料理で有名な篠島、日間賀島行きはもちろん、渥美半島の伊良湖岬行き航路もある。ところで、この伊良湖行きのフェリーであるが、昨年伊良湖と三重県の鳥羽を結ぶフェリーと共に廃止が発表された。以前、師崎から鳥羽への直行便もあった際に乗船したことがあり、とても便利であったことを思い出す。また、別冊モーターサイクリストの長距離試乗のコーナーでも、西方面へ向かう場合はちょくちょく利用されている。

 

「そんなぁ〜、この航路を使用して紀伊半島の林道でも攻めようと思っていたのに」と思ったが、例のETC1000円制度で収益が急速に悪化したということなので、それも仕方なかろう。上記別冊モーサイ誌も廃止を惜しんでいたが、年末近くになって突如、近隣の市町が出資して廃止が免れることになった。これでしばらくは大丈夫だと思うが、かく言う当方も一度しか乗船したことがないので、あまり偉そうなことは言えないな。

 

そう考えつつ、岩のりを採る人を横目に走行していく。昨年の同時期に訪れた水産加工会社のマルハが運営する「うめの湯」も通過。さらにはいつもこちらに来る際に立ち寄る山海(やまみ)海岸も越えて行く。

 

こうして結局14時近くになって、半島西海岸の内海にある「うつみ食堂」へ入店した。ここは以前立ち寄ったことがあり、値段も知っているから安心できる。

 

うつみ食堂にて

(店の軒先のCBは店主のものか?)

 

店内はかなり込み合っており、相席となってしまった。旨いものが食うには仕方無い。さて、何を食べようかなぁと思案してみる。周りの人たちはエビフライや刺身がセットになったものを食べている人が多い。また、向かいの人は土鍋に牡蠣を味噌仕立てで煮込んだ、牡蠣鍋を食べている。悩むなぁ、と唸っていたら、季節メニューに「生シラス定食」というものが掲載されていることに気がついた。2,300円もするが、なかなか食べることはできない代物なので、これに決まりだ。

 

早速店員に注文をして、マップルを見ながら今日のルートについて検討する。まあ、今日は距離が短いのですぐに復習と設定を完了したので、静岡方面を開いて、冬のツーリング地で良い場所がないかを検討する。今のところはW氏に紹介頂いた「浜名湖オレンジロード」しかないが、WRT連合会の活動充実の為にも、他にも良い場所を発掘したいものだ。

 

そう考えていて、ふと我にかえった時には込み合っていた店内はガラガラに空いてしまっていた。そして、そこへ「生シラス定食」が運ばれてきた。ここでW氏自宅の近くにある、国道301号線沿いにある「生みたて生卵子」の看板を思い出した。気持ちはわかるが、「卵」の一文字で「たまご」と読むことができる。「子」は余分だ。さらに傑作は、W氏の年賀状である。印刷済みである、今年の干支「卯」の字に点を二つ付け加えてあり、「生みたて生」をその前に、「子」をその後ろに追記されていた。流石は査察操縦士?である。

 

ネタ提供

 2010年 W氏 年賀状より

 

肝心のしらす定食であるが、生シラスは全く臭みがない。口へ運ぶと、トロリとした食感である。また、味も上品ないわしの味で、内臓の苦味が後からやってくる。これは旨い。特に、当方のような魚好きにはたまらない。しかも100グラム程の量だ。いやあ、驚いた。そしてシラスの揚げ物であるが、淡白な味である。さらに茹でシラス丼であるが、これまたシラスの味がしっかりとしており、塩梅も丁度良いし変な匂いも無い。新鮮なものを使用しているのだろう。味には全く関係ないが、シラスにはなぜか「小さいタコやイカ」が含まれている。これを探すのも楽しみだ。

 

生しらす定食

 

 

 

すっかりと生シラスに満足し会計を済ませると、「お土産として、500円相当のシラス1パック」がついてきた。ここまで含めた値段だったので高めだったのか。いわゆる抱き合わせ商法か?そう思いつつも味、内容共に満足の一品であったと感じた。

 

4.帰宅

 

こうして「うつみ食堂」を後にして、heading360で国道247号線を走行していく。すると、丁度セントレアのRWY36に向かって着陸態勢に入っている、Boeing777-200や767-300、737-400がたて続けに通過していく。この辺りでは高度は1,500フィート程度だろうか、降着装置はもちろん機体の番号や窓まで確認でき、迫力満点だ。もっとも、コックピットでは着陸のチェックリストやら、セントレアタワーとの交信で大忙しであろう。

 

一連の機が着陸したかと思われる頃、西側から左旋回で滑走路に正対しようとする機を発見。おお、目視でショートファイナルに入っていくのか?かっこええ〜と独りでテンションを上げてしまった。ただ、前に述べたように、操縦士は着陸準備で忙殺されているに違いない。

 

これだけ近いところを飛ぶ機体を見ることができるのもまた楽しい。そういうことで、国道を逸れて海岸まで出てみる。目の前には海苔養殖のシダが立てられており、それが海岸線に沿ってずーっと続いている。そもそも、知多半島の伊勢湾側は遠浅であり、その昔はセントレアはおろか、その先の製油所や製鉄所のある知多市、東海市も漁村であったのだ。にわかに信じがたいが、国土交通省の「国土変遷アーカイブ空中写真閲覧システム」のページで、1950年代の様子を確認してみると確かにただの海岸線だ。因みに当方の実家も東海市なのだが、その土地のすぐ隣は終戦まで三菱航空機の知多飛行場滑走路であったようだ。そして現在も道路としてその面影を残している。話には聞いていたが、この写真を見たときは大いに驚いた。

 

そんなことを考えつつ、遠くに見えるセントレアを眺めていたのだが、離陸機が数機あったのみで着陸機はなかなかやってこない。地方空港なんてこんなものだ。少々がっかりして、再びTDMに火を入れる。だいぶ陽が傾いてきたので急いで帰ろう。なにせ急に寒くなるので体に悪いし、事故に繋がる危険性も増してくるからな。

 

こうして再び国道に戻り、高校時代に好きだった女の子の家の近所を通過する。もう20年近く会っていないのだし、当方と同じに歳を取っているだろうが、俺の心の中では高校当時のままでいる。これでいいのだ。

 

後は東浦農道を軽く流し、国道155号線、さらに県道57号線で帰宅した。

 

5.まとめ

 

これから2ヶ月間は特に寒さが厳しいし、陽も短いのでこのくらいのツーリングが丁度良い。昔はそれでも「より遠くへ」と思ったが、すっかり歳をとってしまい「無理することはないさ」とショボクレてしまった。

 

ところで、ショボクレタと言えば、R1-Z氏がビートタケシ監督の「座頭市」を観に行った際、数十年前のオリジナル作品の上映と交互になっていたことを知らず、丁度古い方の時間に入場してしまったそうだ。当然観客は「ショボクレタようなおじいさん」が多かったので、「おかしいなぁ」と思っていたところ、「白黒でノイズだらけの映像」が出てきて驚いてしまったらしい。氏らしいエピソードだ。

 

近いうちにWRTの初乗りも開催したいが、これだけ寒いとちと厳しいか?

 

本日の走行 140km

 

戻る