北海道紀行1 (1994年8月3日〜1994年8月24日)

さあ出発だ!浮き足立ってますよ

第1日目

 

いよいよこの日がやってきた。何ヶ月か前からこつこつアルバイトして資金を貯め、キャンプ用品等の購入。ついにきたんだこの日が。本当は大学の夏季休業の始まりと同時に出発したかったが、

 

資金が今一歩足りない!! 

なんだかエンジンから異音がする!!

 

ということで、大家さんの稼業である「電気配線工事」のお手伝い。3月に購入したGPX750R(GPZではありません)のエンジンのバルブタペット調整を名古屋南カワサキ販売に依頼。

 GPXのバルブ機構の図(カワサキのGPX750Rカタログから引用)

 

さらに春にダメモト(希望者多数の為抽選)で申し込んだ集中講義の受講。という盛り沢山の追い込みがあり、中途半端な出発日となりました。今日も猛烈に暑くなりそうだ。暑さで午前5時起床。ゴソゴソと準備をし、愛車に荷物をくくりつけていると親父が出てきてああだこうだ言いながらパッキングを手伝ってくれた。一人で、しかもナナハンで何日も走り続けるということで相当心配だったようだ(親父、ごめんね)。さて、パッキング終了、という時になって兄貴の登場。彼は要領が良いというか、巧いというか、パッキングは手伝いたくないが、見送りはしようということだったと思われる。いつものように

「まあ、気をつけて行ってくれたまえ」

 

調子のいい兄貴       実直なオヤジ (管理人はオヤジ似らしい)

 

と一言。こっちはよく寝れなかった程に嬉しくて善善じゃなくて、全然気がつかなかったが、家族はかなりの不安を持っていたようだ。

じゃあいってきまぁーーす。いよいよ北海道への第一走を踏み出したそれにしても、今日は暑い。1時間おきに水分補給で休息しないとぶっ倒れそうだ。山に入れば多少はマシだろう。考えは甘かった。国道41号線を北上、一向に涼しくならない。おかしいなぁと感じつつ水分補給をして富山県に入った。もちろん初富山である。山の中にある銭湯を見つけ、支配人の許可を得て裏の広場でテントの設営開始。やれやれ今日はやけに疲れたなぁ。汗を流して休息室でテレビを見ていたら、今日の愛知の最高気温は

38度!!!!!!!

 やけに暑いと思ったら、そういうことだったのか。納得。更に、 

某コメディアンが交通事故で重症。

なんてニュースも。気を引き締めて行こう。改めて誓う。それにしても暑い。テントで明日の天気を確認しつつ寝ようとしたが暑くてかなわない。結局日が変わるころにようやく眠りに就いた。

 

第2日目 

 

やけに暑くて6時頃に起床。顔を洗って朝飯にパンをかじる。テントを乾かしてパッキング。一連の儀式を終えて出発。銭湯の支配人にお礼を言おうと思ったが、誰もいなかったので感謝の意を込めて合掌。さあ、今日も走るぞぉーー。富山の市街地に入り、雨が、、、。おかしいなぁ。天気予報は晴れだったのに。まあ大したことはないのでそのまま走りきり、国道8号線で日本海側を北上する。新潟に入った。有名な親不知で一息つく。

   親不知にて

 

太陽が出てきて暑くなってきたが、幾分北上したせいか、昨日程ではない。このまま早く北上して一気に北海道へ。気分も乗ってきた。行けるところまで行こうと頑張った甲斐があり、一気に山形県酒田市まで来た。今日は自炊してみようと海沿いのキャンプ場でテントを設営。しかし、天気が怪しい。さらに米を調達しようと探したが

 

見つからない!!

 

しまった。昨年の不作で米が無いんだ。運良く田沢米穀店という看板を発見。「すいませぇーーん。お米ありますか」 

「ごめんねぇ。お米無いんだわ」とつれないお返事。しかし、ご主人は「いいよ、1kgなら家のやつを売ってあげよう」

と気前良く袋を。「ありがとうございますぅーー」この場を借りて再度感謝いたします。

 

 田沢米穀店のおじさん、ありがとう

 

早速米を炊いて、ボンカレーで晩飯。なんだかこうして食べると旨いんですよねぇ。自然は最高の調味料といったところでしょう。それにしても今日は風が強い。テントがガタガタと音を立てている。また眠れそうにナイ。ウトウトすると風音で目が覚める。

 

「ゴォォーー」テントが半分浮いた!!

 

おいおい。頼むぜぇ。眠れぬ夜は更けていった。

 

第3日目

 

北海道へ向けて出発して今日で3日目。本日は朝から無常の雨。しかもよく眠れなかった。ボーっとしたままテントの撤収。しかも、海岸に張ったため、ベトベトしているぅー。雨で乾いていないのは言うまでもありません。新調したカッパを着用して出発。因みにカッパは在庫処分の安売りで購入。KENZだからモノはよさそうだ(2007年現在も愛用中)。さて、今日は内陸を走ろう。これが間違いでした。新庄やら横手、全日空のボーイング727と自衛隊のF16?が衝突した雫石を通過。目下ヘディング020といったところであろうか。もちろんVFRって当たり前。途中乳頭温泉で汗を流す。

「ケーキ乳頭」

などとくだらない文字が頭に浮かんでは消えた。雨がひどく視界も悪い。さらに山道なのでツズラ折れ。しまった。疲労が溜まっているのであろう。さらに疲労が溜まっているのであろう。眠くてバス停の建物で一寝入り。このころから北海道に渡るフェリーの予約をしようと電話してみるが、八戸、青森、野辺地とも満席。仕方なく、本州最北端大間まで走ることに。それにしても冷えてきたし、霧も出てきた。おおーい俺はどうなるんだ。なんだか日も暮れてきたぞ。心細いが慎重に森の道を走る。おお、湖に出た。十和田湖らしい。今夜はここで終わりだ。迷わず旅館へチェックイン。今日は布団で寝れるぞぉーー。軟弱ツアラー撃沈。

  

第4日目

 

ああ、よく寝た。布団で寝れるとはかくも有り難いこととはじめて知った21歳の夏。天気も回復している。よっしゃぁ。今日は一気に北海道上陸だぁー。心うきうき、目指せ本州最北端大間岬。原子力で有名な六ヵ所村を一気に通過。途中元気のいいビートと快走。

 

                  

ご存知、軽ながらMRの駆動方式を持つホンダビート          GPXの心臓。カワサキ初の750専用設計エンジン(でかい!!)

 

 

「ふふふ、こっちはあなたよりもエンジンデカイのよ」

 

10時30分頃に大間到着。ここはマグロで有名な本州最北端の地だ。

 

  日本最北端に到達する前に、本州最北端の地で

 

11時頃フェリーに乗船。たまたま切符を買う時に前後に並んだ縁で、XELVIS氏といろいろ話して、情報を得る。なにせこっちは初のテントツーリングですから。1時頃函館上陸。実家を発って3日と半、ようやく来ました。となればやっぱり

 

「はこだてぇーーーー」

 

 腹こしらえに札幌ラーメン。旨い。もともと管理人はミソラーメンが大好きなのさ。さて、今日は早々にテントを乾かしたいので、東大沼キャンプ場へ。丘の上で見晴らし抜群。後日知ったが、人気のキャンプ場らしい。納得。潮くさいテントを干してしばし北海道の実感を満喫した後、レトルトの丼で晩飯。隣人がいる時にはお近つきのしるしとして、「みかんの缶詰」をつつく。これ、なかなか評判です。やれやれ、やっと着いたよ北海道。明日からゆっくりと周るとしよう。

 

   

    ラーメンを食べてご機嫌の管理人            大野平キャンプ場にて、絶景でご機嫌の管理

 

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