祝R1-Z氏復活記念豪華ツーリング

 

第1日目

(2008年11月1日)

 

紅葉が終わりかけでしたが

 

 

0.とても豪華です

 

さて、R1-Z氏が正式に2号機を購入してから1ヶ月以上経過した。氏は1年もの間2輪車のお預けを食らっていたわけなので、相当に喜んでいるものと推察される。というのも、氏の走りたるや往年の輝きを保ち続けて、いやそれ以上の勢いがあるからだ。また、屈曲路を快走した後の、休息中の氏の顔のほころびようときたら、まさにライダーそのものだ。

 

ということで、絶好調のR1-Z氏であるが、正式に復帰したら泊まりツ-リングをやろうという話をしていた。おりしも11月は3連休が2回あるわけでして、これを逃す手はない。ということで、新平湯の甚九朗という大人の隠れ家的宿で復活を祝うという、今までに前例のない豪華なツーリングが決行された。

 

1.集合〜道の駅平成

 

集合はいつものボーリング場前、午前8時とした。なにせ泊まりであるから急ぐ必要はない。だいたいいつもの日帰りロングツーリングの距離を2で割った位走行すればよいわけだからね。ルートを確認して出発。いつものウオームアップで、映画「アイコ16歳」で使用されたバス停のある通りで本日の調子を点検する。点検といっても特にチェックリストがあるわけではないが、頭の中で体の動きと車体との同調性、エンジンの回転の上がり方、アクセルに対する反応とそれに対して自らの脳みそがどのように感ずるか、タイヤの食いつき具合、などを無意識に確認する。バイク乗りの方であればきっとおこなっていることと思われる。うーん、ちょっと寒くなってきているのでやや体の動きが鈍いかなぁ?ちょっと最近乗れていないからな。まあ天気も良いし、気温の上昇具合とも相談して楽しい速度を見つけていくとしよう。あと、車体との同調性に違和感を覚える。こういう場合、原因は目線が近いこととニーグリップが甘いことだ。ニーグリップもそうだけど、ヒールグリップも重要だ。両方意識していないとチグハグになるので気をつけよう。

 

街中はスペシャリストのR1-Z氏に機長(先導)をお願いする。氏は学生時代、配達のアルバイトをしていたので細かい道を熟知している。その知識たるや、田舎者の管理人は想像にも及ばない。そうして街を抜けて、国道41号で北上した後にサド山ではなく、里山の湯で有名な日本昭和村をかすめて、平成こぶし街道へ乗り換えてから、道の駅平成に到着。

 

管理人のTDMとR1-Z2号機@道の駅平成

 

管理人のツーリングリポートに度々登場する道の駅平成を今一度見直してみよう。施設としては郷土の土産物(シイタケが特産)を並べている木造の大きな店、その右横にはこれまた木造の喫茶店がある。左側隣は平成村の村長であった家政婦は「みた」さんが来訪した時の写真などを展示してある部屋がある。さらにその向こう、自販機が並ぶ建物には「足湯」がある。一度に10名程度が並ぶことができるもので、結構でかい湯だ。それに加え無料ときている。これが案外いいんだよなぁ。足だけ入っていても体全体がほかほかになってくる。真冬は湯冷めして風邪をひくこともあると思われるので、注意が必要だ。さらにその向こうには、水車が目印のそば屋があると追記しておく。

 

さらに、食べること好きなライダーには見逃せない店がある。まずはパン屋だ。地元産の米の粉を使用しており、その場で焼いている。その米の粉がパンそのものの味に甘みを加えており、具財とも調和する。また食感ももっちりしている。だいたい20種類くらいは用意されているので、訪れる度に違うものを食するなんて楽しみ方ができそうだ。そして絶対に落とせないものはソフトクリームだ。管理人はバニラ味の方が好きなのであるが、R1-Z氏はもう一種類用意されているイチゴ味をいたく気に入っておられる。これはイチゴの果肉が入っている本格派で、着色料と香料でごまかしていないところがまたよろしい。

 

2.岩屋ダム、パスカル清見

 

小腹を満たしてからはさらに北上を続けていく。陽は高くなってきているが、山間部に入り込んできているので気温が上がってこない。だいたい15度前後で、峠なんかでは一桁も見られる。今日はフェンシングのモモヒキも装備しているし、上着も冬用の長丈ジャケットを着用してきた。汗をかくと嫌なので唯一グローブのみを春秋用としているが、言うまでもなく冬用も準備している。この辺りまでくると紅葉もかなり進んできている。全紅葉まであと少しといったところだ。

 

のんびりと?平成こぶし街道を走行して、一旦国道41号に乗り、そこからさらに256号線に乗り換えて金山湖こと岩屋ダムを目指す。このダム沿いの屈曲路は、この地方のライダーならば皆知っていると言っても差し支えないくらいに知れ渡っている、走りスポットである。管理人もツーリングの道程に頻繁に組み込むことが多い。カーブの種類は中速で曲がる物が多く、時折奥が深くなっているから注意が必要だ。また、カーブしながら橋を渡ることも数回あるので、継ぎ目にも気をつけなければならんだろう。こういう場所はR1-Zのような軽量マシンが威力を発揮する。TDMも乗り手がもっと上手いならば相当な速度で走行できると思われる。果たしてR1-Z氏はあっという間に先へ行ってしまった。管理人はバックマーカーならぬ普通の速度?で走行している4輪車を追い越すことに手間取り、またT−MAXの凶悪ブロックにも阻まれて快走区間前半を無駄にしてしまったと追記せねばならないだろう。T-MAXはこの後ブチ抜いて、追い越し際に「内蔵のジェットエンジン(屁)」を使用してTDMの加速力の足しにしておいた。

 

岩屋ダムの中間地点にある馬瀬大橋は渡らずに道の駅美輝の里方面へ走行する。この区間も中速コーナーが多く、かなり楽しい道だ。こちらの区間の方が道が広く、舗装も良いので速度も乗りやすい。その分、時々現れる奥の深いコーナーには注意が必要だ。そんなこんなで、コーニッシュ、国道257号に合流して北上。道の駅パスカル清見に到着する。

 

時間的にも都合良いので、昼飯とする。しかし、今晩はかなり豪勢な食事が用意されているので、ここでは軽く済ませようとみたらし団子を食す。久方ぶりに食べた団子は何か懐かしい思い出を誘った。というのも子供の頃に近所のスーパーの端にあるおやつ売り場でよく買ってもらった(親が食べたかったんであろう)からだ。家に帰って緑茶をのみつつ団子をかじる、なんて今思えば年寄りくさいようなことをしていたなぁと感ずる。

 

団子をかじるR1-Z氏

 

当日はこの辺りが紅葉の見ごろを迎えており、まさに唱歌のごとく「赤や黄色」にその表情を変えていた。今年も夏は暑かったが、冷え込みもそれ相応にあったので色付きが良いと聞いており、まさにその通りであった。それにしてもこの空気のひんやり感にはどうも寂しさを覚えるのだが、それは管理人だけであろうか。これからますます寒くなってくるわけだし、そうなれば山のワインディングも暫くおあずけになってしまう。バイク乗りにとっては辛い時期になるわけで、その前に十分楽しんでおこうではないか。

 

 3.そしてせせらぎ街道

 

とりあえず空腹も満たしたので、さらに北上を続ける。ここからはせせらぎ街道である。この道は季節によってその表情が大きく変わると認識している。春は新緑、夏は繁茂、秋は紅葉、冬は訪れていないがきっと雪景色であろう。おりしも紅葉が最盛期を迎えているということで、路肩には4輪車が多数駐車してある。ということは写真をとったり、眺めたりする人がフラフラと車道に出てくる可能性が大であるので、安全には十分に注意して走行する。おのずと速度は落ちるので、横目に、時に正面に紅葉を眺め、人の行動に注意しつつ走行していくとしよう。

 

ところで、このせせらぎ街道の最高所は西ウレ峠の1120mであるが、ここの気温表示が9℃であった。ああ、いよいよそんな時期になってきてしまったよ。今年も防寒対策を考えておかないといかんねぇ。と一気に峠を下りつつ、右へ左へカーブを曲がる。この区間は高速コーナーが主なのでTDMとR1-Zの差が大きく縮む。果たして管理人でも氏と一緒に走行が可能というわけだ。

 

さて、R1-Z氏のライディングスタイルは、カーブでの寝かしはじめの思い切りが良いことで知られる、典型的な2ストライダーである。車体軽量さ、小刻みに出力される強いトルク、さらには一定回転数を超えてから爆発的に発生する馬力を目いっぱい引き出して、コーナーを脱出する姿は戦闘機の離陸滑走のようだ。もっとも絶対的な速度がすごく高いわけではないが、入り口の速度を殺すことはない。結果としてTDMよりも鋭いコーナリングとなる。氏のマシンのタイヤはトレッドの端がただれている。豆ができる一歩手前のような状態だ。おそらくいっぱいにトラクションをかけているのだろう。お〜それみ〜よのイタリア人。

 

4.高山

 

せせらぎ街道は高山付近で終点となる。秋の高山もよかろうと、中心部にある陣屋付近にバイクを停める。他にも何台か他府県ナンバーの2輪車を見かけた。今日はまさに雲一つ無い快晴で、人出もこの秋一番であろう。紅葉も見頃を迎えており、街路樹も文字通りの「赤や黄色」だ。ところで今日、高山にやって来たには訳がある。似合わないけどぉ〜♪菓子を食うという任務がある。件の菓子店であるが、街の中心部から少し離れた場所にあり、喫茶スペースを備えている。

 

和菓子店 富士屋 花筏

 

店は紅葉した葉を枝々につけた木々に囲まれており、落ち着いた様子である。それほど込み合っていないところがまたよい。建物であるが、その造りからして民家を改造したもののようだ。そのことを顕著に表している場所がトイレだ。店の一番左側奥にあり、面積は4畳半くらいある、やたらに広いものだ。なんだか落ち着かないので、用を足すことをせかされてしまう。おっと、肝心のお菓子であるが、お薦めの「栗粉(くりこ)もち」の煎茶とのセットを注文する。他にもコーヒー、ほうじ茶などもあるので、好きなものを注文するとよかろうと思われる。

 

栗粉もち(煎茶付)

 

煎茶はなんと「鉄瓶」に入れあった。おしぼりも豆絞りの手ぬぐいとしゃれている。なかなかニクイ演出だ。さて、栗粉もちであるが、柔らかい餅にソボロ状の栗がたっぷりと振りかけてある。さっそく食べてみるが、旨いじゃん。栗本来の風味、甘みを存分に楽しむことができる。もちろん甘さは控えめである。これはいける。

 

5. 本日の宿「甚九朗」へ

 

高山からはもうひとっ走りして、新平湯温泉へ向かう。まずは国道158号線を乗鞍方面へ向かう。乗鞍というと、やはり2002年9月に同じR1-Z氏と出かけた乗鞍スカイラインだ。この年限りで一般車両の通行が制限されてるということだったので、ちょっと時期をずらして出かけたわけだったがその効果は「全く」なかった。詳しくはその際のツーリング記を参照願おう。

 

この時間になるとかなり陽が傾いてきており、少々寒い。乗鞍スカイラインへの入り口、平湯峠の気温はなんと4℃。冬装備で来てよかった。この後峠を下り、安房トンネルの手前を曲がり国道471号線に乗り換え、7km程走行すれば新平湯温泉の街に到着だ。ん、このエリアに入り込んできたのは実に8年ぶりではなかろうか。丁度今の会社に再就職したその週の週末で、RF900オーナーズクラブのツーリングで新穂高温泉に行って以来だろう。8年前というとまだ私は27歳かぁ。そんなに若い時代があったのね。自分でも忘れてしまいそうなくらいに遠く感ずる。もちろん、R1-Z氏とは全くといってよいほどに面識もなかった。

 

そんなことを考えて国道を走行して行くが、もうこの辺りまで来ると紅葉も終わりかけている。乗鞍スカイラインは既に閉鎖されており、乗鞍岳は頂に雪を冠した完全な冬山だ。電光掲示板によると、来年のGBならぬ、GW明けまで開通しないそうだ。まあ一年の内で半年は閉鎖されているわけね。

 

冬の様相を呈している乗鞍岳

 

さて、今日の宿であるが、こちらも古民家を改造した建物のようだ。それほど規模が大きくないので、少数の客を丁寧にもてなす方針で運営されているものと思われる。ともかく冷えたので、温泉に入る。ここは内湯と貸切家族風呂、露天風呂がある。当然露天風呂に入り、山々を眺める。いやはや、抜群の開放感だ。京都の建物が遠くの山々まで庭の一部のように見せる「借景」という手法を用いているが、この露天風呂もまさにそれであろう。紅葉の盛りは過ぎたとはいえ、やはり美しい山々を眺めながらの入浴は疲れを忘れさせてくれる。ああ、極楽だ。因みに泉質であるが、管理人の乗鞍系の白濁という予想が外れて、無色透明のアルカリ泉であった。やや硫黄のにおいがするところが乗鞍系を連想させる事実であろう。また、当然かけ流しであることも付記しておかねばなるまい。

 

風呂の次は飯だ。飯は囲炉裏のある部屋で頂く。今回は奮発してオプションの飛騨牛を追加した。これは刺身、陶板焼き、サイコロステーキが通常の料理に追加されるもので、その旨さときたら言葉では伝えにくい。ともかく味のある肉であった。また、鮎の塩焼きや地元産と思われる野菜の煮物なんかも用意されていた。ところで、管理人は酒を飲まないので最初っからご飯を食べていたのであるが、宿の女将が「まだまだたくさんの料理がありますので、余力を残しておいてくださいね」とおっしゃるではないか。そう、オプションが思いのほか量が多く、押さえ気味にしておいて正解だった。また、最後のご飯の時にでてきた味噌汁、これがまた旨い。この風味の豊かさは自家製に違いない。大量生産の味噌ではないはずだ。そして漬物についても触れなくてはならない。管理人は「着色料と化学調味料」で製造された漬物が嫌いなのであるが、こちらのものは古典的というか、本物の漬物だ。赤カブ漬けもそれほど赤くないので、余計なものは入っていないと一目瞭然だ。この種の漬物ならば大歓迎だ。肉も良かったが、この漬物はそれに匹敵するくらいに嬉しいものであった。

 

夕食の一部

 本日の走行 230km

 

2日目に続く