2008/07/12
御嶽山と共に。電線が惜しい
「開田高原にて」
管理人は趣味でバイクに乗っているのだが、それを初めて知った方から必ず聞かれることがある。「この季節は快適で、海なんか行くと最高の気分でしょう？」と。なんのなんの（優香の太田胃酸CM風に）、バイクに乗ることはクソ暑い場合もあるし、海なんてちっとも気分良くない。風は生暖かいし、湿度は高いし、おまけに道路は混んでいる。管理人の場合、自慢じゃあないが夏にバイクで海なんて行ったこともないし、行きたいとも思わない。イメージが先行してしまうということは、つくづく怖いことだ。
じゃあどこへ行くのさ、あんた。山だよ。暑い街を早い時間に出発し、だんだんと標高の高い場所を目指して屈曲路を軽快に、かつ微妙にスポーティに走行していく。青い空に白い雲、そして鮮やかな緑とせみ時雨。それに応えるTDMのツインサウンド。そう思っていると突然空気の温度と匂いが変化する。2輪乗りのみが味わうことができる特権だ。
これこそ夏の醍醐味といえるのではないだろうか。
因みに海は冬だ。何といっても凍結の不安が無い。人は少ないし、物悲しい。孤独を楽しむ最高の状況だ。風が強いことが辛いことは言うまでもない。
朝7時30分に出発。今日もTDMは絶好調だ。アクセルのツキ、低回転からの湧き上がるトルク、やや大回りする前輪とは対照にアクセルを開けるに従って内向力を増す後輪。適度な路面状況を伝える長い足。何度も申し上げるように、TDMは良い旅の相棒だ。
まずは岐阜県関市の道の駅平成を目指すわけだが、国道41号線の走行は最小限にしておきたい。今回は桃花台を抜ける道を選択してみたのであるが、これがまずかった。かなり混んでいて、ラジエターの冷却ファンが回りっぱなしだ。管理人のファンが周りに集まっているならばよかったのに？。
なんとか規定の交差点から国道41号線に入ったら、ガラガラで飛ばしまくりだ。はじめからこちらを選択するべきであったと後悔しきり。ツーリングのルート選択なんていつもこんなものである。
ところで、同国道のこの区間は白バイが常に巡回している。飛ばしまくっているとえらい目に遭うことは間違いない、気をつけろ。
日本昭和村から国道418号に乗り換え、さらに県道63号（平成こぶし街道）へ。前述の昭和村であるが、中村玉緒が村長であると付け加えておこう。また、平成は以前三田佳子が村長であったが、息子の不祥事で引退した。
本日はまだ止まりたくないので、道の駅は通過、県道63号で和良地区へ向う。この区間は1.5車線の森林区間はやや道が悪く、苔が生している部分もある。さらに濡れているので、滑る可能性大。慎重に抜ける。その後は超快走区間だ。安全面から言っても県道63号から85号へ抜ける方がよかろう。
さて、和良地区からは国道256号でheading270で郡上VOR/DMEへ向おう。最後のウネウネ区間は4輪車が道を譲ってくれたので、楽しむことができた。
郡上で一服する。今日はお茶を持参している。夏はジュースを飲みすぎる傾向にあるので注意している。太る云々よりも胃がもたれるからだ。ところで、郡上八幡といえば豊富な水が有名だ。川沿いで休憩したわけであるが、水の音はそれだけで涼を運んでくる。また、水の上を吹いてくる風は、水が気化する際気化熱を奪っているおかげで本当に涼しい。打ち水と同じね。
さあ、郡上の街を抜けるといよいよせせらぎ街道の始まりだ。以前ここで「35km/h超えの一発免停」の憂き目を見ている。そこで、4輪の後ろについて取り締まりを逃れよう作戦といこう。この辺りまで来れば30℃を下回っており、暑さもかなり緩和されている。うーんやっぱ山ですな。さて、腹が減ってきたので、道の駅明宝で一旦休息としよう。
この段階で目的地を開田高原としているので、ソバを食べる都合上ここではおやつ程度の補給をする。明宝といえば明宝ハムの試食と相場は決まっていたが、最近は試食用が全く用意されていない。皆考えることは同じだ。ここで弁明しておくが、試食で腹を満たす気などは毛頭無い。足しにするだけだ。
試食が無かったので、一番奥の売店にて名宝ハムコロッケ並びにフランクを求める。他にもいろいろあるが、管理人はこれが好物だ。
フランクをかじる管理人 コロッケの断面
腹も少々満たされたので先を急ごう。せせらぎ街道はどんどん標高を上げていく、ということで気温も下がっていく。峠では23℃という所もあった程だ。
さあ、高山も近くなってきた。気温も30℃越えに元通り。ところで、高山の市街地は何かと混雑するので北側から迂回して行くとするか。最近は中部縦貫自動車道が高山迄開通している。こちらの出口を目指して走ればよいわけだ。
国道361号線に乗り、いよいよ開田高原高原へheading090だ。途中道の駅ひだ朝日村で休息する。先行して到着していた人にZX９Rの女性とGSXR1000の男がいた。この後者方のマシンが傑作で、ナンバープレートをシートカウルの裏側にネジ止めしてあり、非常に見えにくかった。はじめは登録してあるマシンかどうかも解からなかった程だ。泥除けが全く無いので、雨の日は背中ずぶ濡れ走行が前提であろう。まったく訳がわからない。管理人個人的意見としては、こんな男についていく女の気も知れない。
ところで、この361号線であるが非常に快走路だ。直線路が大小のコーナーに挟まれており、TDMのステージと言っても過言ではない。冒頭にも記したようにコーナーをクリアしていく。ただ、途中のトンネルは気温が急激に下がる上に路面がベタベタだ。さらに道幅も1.5車線に狭くなり、カーブの先にトンネルがあったり、路面が荒れていたりと危険が多数ある。気をつけよう。
途中野麦峠へ向う県道を左へ見てさらに進んでいく。林間の2車線道路は長峰峠を抜けて開田高原へと入ってくる。同高原は御嶽山麓に広がる別荘地帯だ。店もなにかお洒落な建屋（基本的にはログハウス）が多い。
さて、ソバを食したいと思い、店を物色する。高原食堂またはまつば、どちらかの店にしようと考えるが、流れ的にまつばと決定して店に入る。色々とメニューがあり迷ってしまうが、ザルソバ定食大盛りの1400円を注文する。待つこと15分、やってきましたザルソバ定食。
ザルソバ定食。ソバが多く食べ応え満点であった。
サラダ、山菜、ゴマ豆腐、カブの漬物、ソバ湯もあるよ。このカブが絶品で土産にしたいくらいだ。ソバに移ろう。ここのソバは15cmくらいしかなく、ツナギが少なくソバ粉が多いと思われる。ただ太さが均一ではなく、湯きりがやや甘い点が難点であろう。もっともこれらは問題にする程ではないと思う。
最後にソバ湯を飲んで締めるが、もうちょっと粉っ気が少ないソバ湯が好みだ。またわさびの辛さがイマイチか。
ソバを完食した後はアイスクリームだ。開田高原にはちょっと混雑した、人気の高いアイスクリーム屋がある。もちろん味も良い。ここのコーンとバニラミックスソフトクリーム（350円）がお気に入りだ。今回は待つことなく購入できた。牛乳成分が濃い味がし、コーンの甘みも加わって何とも言えない調和がたまらない。
ソフトクリームを舐めつつ力を抜いて考える。こうして休暇を満喫できることは非常に幸せであり、バイクに乗っていてよかったと。思えば初めて原付の免許を取得したのは1990年初めのことで、高校三年であった。一年浪人の後、中型免許とVT250F�掘�中型限定解除してGPX750Rと歩を進めて今に至っている。本当に乗り物が好きで、特に自分で運転できることに喜びを感じている。ただそれだけのことであり、アホみたいに続けてきただけのことだが、その甲斐があったというものだ。今年は3度目の北海道ツーリングも控えている。これからも是が非にも安全に運転して、バイクに乗り続けていきたいものだ。大げさであるが、生きていてよかった。精神的にひどく病んでいた時はこのような余裕はとてもなかったし、死ぬことを良く考えていた。早まらなくてよかった。根気よく治療をしてくれている病院の先生にも大感謝だ。
それにしても今日は暑い。今は高原にいるので問題ないが、自宅は相当に暑いに違いない。できれば帰りたくないのであるがそれもおかしい。ということで、帰りは国道19号（旧中仙道）をタラタラと帰ることにしよう。この道は非常にかったるい。制限速度が50km/hである上に、白バイの分駐所があるので取締りが厳しい。また長野は交通事故死者が日本でも5本の指に入るほどなので、自ずと取締りにも拍車がかかるというものだろう。長野県警の職員は非常に仕事熱心であると付加しておく。
道の駅大桑を通過したころからいきなり路面が濡れ始めた。どうやらにわか雨が降った模様だ。路面からもモウモウと牛の如くではないが、水蒸気が上がっている。蒸し暑さに加え、水蒸気で蒸されて汗が噴出してきそうな勢いだ。そこで、馬籠、妻籠宿を通過する旧道に針路変更する。こちらも同様の状態ではあるが、交通量は少ないし、標高も幾分高いので暑さは緩和されてくる。馬込峠を越えると路面は完全に乾いていた。どうやら局地的な雨だったらしい。振り返ると見えるはずの恵那山が雲の中に隠れている。どうやら国道153号のルートは雨降りだな、19号から416号の飛行計画で正解のようだ。
この後19号に再合流し、中津川市から国道256号阿木川湖で一服。さらに363号から狛犬だかシーサーだかの置物の交差点を左折。帰宅した。
やはり暑い日は山へ出かけて旨いもの食って快適に過ごす。時に物思いにふけるもよし。温泉も加えれば尚良い。これに限りますな。
次回は新そばの時期にでも来るとしよう。