四国東半周ツーリング

(1996年5月)

 

 

 

高知県全景

(室戸岬の尖り具合に注目)

 

0.はじめに

 

四国には有名な岬が二つある。一つは足摺岬、そしてもう一つが今回紹介する室戸岬である。どちらも台風が西日本に接近した場合に、どちらかは必ず名前が出る。一度は耳にしたことがあろう。足摺の方は管理人が居住する鳴門から250km以上離れているから、一度しか訪れたことがないが、室戸の方は数回行ったことがある。そんなわけだから馴染みも深いし、室戸の方が地形的に見ても面白い。理由は本文を参照願いたい。

ところで、管理人は鳴門に居を移して間もない1996年5月に、四国東半分ツーリングを一泊で行っている。この時は写真等の記録を残していないので、簡単な記載をここで行うことにしよう。

 

1.四国東半周

 

前日に高校時代からの友人であり、第二期学生時代の同じ大学の先輩でもあるアリ氏と夜更かしをしてしまい、午前11時の出発となった。まず鳴門から舐めだるま、いや攻めダルマこと蔦監督で知られる池田町、大歩危、早明浦ダムから帰全山キャンプ場で一泊(大歩危については四国西半周ツーリング参照願います)。このキャンプ場は川沿いのサイトで、駐車場も近い。なにより無料なのがあり難い。施設も一通り揃っており、不自由は無い。早速荷物を降ろし、テントを設営する。このテントは北海道ツーリング用に購入したもので、やれてもいない。貧乏くさい話だが、減価償却は終了下と思う。

さっそくいつもの通り米を炊いてカレーを食べ、お茶を飲む。ラジオを聴いていると、やや酔っ払った30半ばの方が話しかけてきた。彼は神戸からツーリングで四国に来たらしく、マシンはホンダのナイトホーク250というあまり見かけないバイクだった。「一杯どうですか」と薦められたが、酒が苦手な管理人は丁重にお断りした。しかし、そこはお決まりのみかん缶を出して、いろいろと語り合った。1996年当時、神戸は震災の傷跡が癒えておらず、大変なことになっていた。ナイト氏の家も例外ではなく、大変なことになっていたようだが、少し落ち着いたので気分転換にツーリングに出てきたそうだ。管理人は気楽な第二期学生生活が始まったばかりで、ちょっと申し訳ない気持ちになったことを懐かしく思い出す。結局10時過ぎまでいろいろと話をした。

 

 

ホンダナイトホーク250。オイルフィルタを持たない構造で、メンテナンス費が安く上がる。(例によってホンダのサイトから引用)

 

翌日は竜ヶ洞という鍾乳洞に行くが、まだ営業を開始しておらず、しばらく待っていた。その鍾乳洞を見た後に、尾長鳥がたくさんいる場所があったので、こちらも見学してみた。その名前通り、長さ2mはあろうかと思われるニワトリみないな鳥が、とても小さな、かつ細長い箱に入れられていた。その件については、解説する人が「いまこの箱のフタを開ければ解ります」ということで箱のフタを開けた。何も起こらない。結局、鳥は逃げたいと思っていないということだった。その因果関係は未だ未確認である。また、この鳥達は交配により、作られたと解説があったことも付け加えておこう。その後、ANAのボンバルディアDHC-8 Q400型機の胴体着陸で有名な高地空港の北をかすめ、太平洋側を東進。

 

                               

                  ANAのボンバルディア DHC-8 Q400                                   J-AIR のCRJ200ER 顔は左記の8と同じ

 

余談であるが、よくボンバルディア機と呼ばれるが、正確にはボンバルデイア社 ディハビランドカナダ(DHC)ダッシュエイと(-8)のQ400型機である。QはquietのQである。この機体はプロペラ機ではあるが、巡航速度は約700km/hとターボファンエンジン機に近い。さらに機体の首振りを押さえる機構を備えているハイテク機だ。プロペラ機はターボファン機よりもローテクに思われがちであるが、とんでもない。こんな誤解をしてはプロペラ機に失礼というものだ。また、ボンバルディア社にはカナディア リージョナルジェット(CRJ)やチャレンジャー(CRJのベースとなった機種)というビジネスジェットもある。CRJに関しては、日本航空系のジェイ・エア、ANA系のIBEXエアなどで採用実績がある。

さて、上記のこの太平洋ルートはとてものんびりしており、快適だ。道路横はキラキラと光る海、正面には先の尖った室戸岬がだんだんと近くなってくる。時速50km/h程度で心地よく走る方法が似合っている。焦ってはならない。

チンタラと走っていると室戸岬に到着する。ここはいかにも岬という感じで尖っている。とりあえず展望台へ向う急勾配の道を上る。原付ではきついくらいの坂であるが、RFは心配無用だ。2、3kmで展望台に到着する。四六時中風が強いので、風力発電用の風車が建っている。今でこそ管理人の地元でも珍しいものではないが、この当時はあまり見かけることは無かった。そのでかさには驚いたものだ。ここも水平線が丸く見える。

旨い空気を吸っていると、腹も満たしたくなってきた。上ってきた道を下る。岬の周辺には食堂が数軒あり、その一つに入って「初かつをのタタキ」を食することとした。にんにくスライス、ネギなどの薬味と共にポン酢で食べると旨いぜ。魚には目が無い管理人はここで四国の味をしめてしまった。

 

             

              記述のツーリングとは別の日に室戸岬に行く途中の大浜海岸にて                  こちらは室戸岬の展望台にて大あくびの管理人

              ハッスルマッスル。隣は友人のQZQ氏

 

                                            これもまた別の日、展望台から見える発電風車

 

さて、腹も一杯になったところでブラブラ海岸を歩いていると、帰全山で一緒だったナイト氏に遭遇。ライダーは行動様式が似ており、訪れる場所もだいたい同じになる場合が多い。一通り今日の走行情報を交換して、彼は先に出発した。管理人も10分位の差で出発。国道56号線は断崖絶壁の上を適度にうねりながら通っているやや単調な道だ。走っているとヘルメットのシールドがやけに曇る。どうやら波が砕けて小笠原しぶきが付着しているようだ。シールドを舐めるとしょっぱいぞぉ。この際はあまりひどくなかったが、一度洗車を怠り、フォークを錆びさせてしまったことがある。もちろん交換した。ここを走行後は必ず洗車することをお勧めする。

さらに北上を続けていくとナイト氏に追いついた。手を上げて追い抜いていく。このあたりは排気量の差がものを言うようだ。管理人の腕は関係ない。そうこうしていると東洋町に入った。ここは何もない漁業を主な産業にしている街だが、案外有名だ。サーフィン世界大会が行われたり、放射性廃棄物の処理場を誘致したりしている。一度は耳にされた方も多くいらっしゃるのではないだろうか。

そして今度は徳島県に入る。まずは牟岐町のアワサンラインだ。断崖の際を通るワインディング路で、眺め、爽快感共に一級品である。途中に展望台もある。管理人はしょっちゅう出かけていたが、写真が無い。またこの道路の南の入り口には貝の資料館もあり、珍しい貝をみることもできる。

その次は阿南市だ。この名前は比較的知られているかと思う。青色発光ダイオードでお馴染みの日亜化学の本社がある所だ。そしてだんだんと市街地に入り、阿波踊りで有名な徳島市へと入ってくる。ここで国道56号線は11号線に変わる。徳島も案外有名なもの(人)があり(居り)、前出の阿波踊りの他に、金ちゃんラーメンの徳島製粉、徳島ラーメン、元中日の坂東英二などが挙がる。

 

徳島製粉にはこんな製品もあるらしい。

 

あとは吉野川河口を渡り、徳島空港をかすめて鳴門に帰還。四国を知る重要なツーリングとなった。

 

3.おまけ

 

前出の徳島ラーメンであるが、実際に食べたことがある方は少ないと思われる。正直、ラーメンは北海道の方が旨いと思う。というのも、徳島ラーメンはしょうゆ味が強すぎると思う。麺は太麺で食べ応えがあるが、具はメンマとネギ、チャーシューのみだ。メンマは好きだけど、もやしなども捨てがたい。値段は500円程度の店が多く、良心的と言えよう。全体的に徳島は物価が安く、地元の9カケくらいだろうか。

 

4.まとめ

 

四国は自然豊かな土地である。気候も比較的温暖、かつ安定していると思われる。しかし、身近に自然を感じることができる反面、それによい痛い目に遭うこともあるということだ。波しぶきがバイクに付着して、錆びたことは良い例であろう。また、道路整備もあまり良く行われていない。高速道路が開通した最後の県は徳島県で、それも開通年が1995年?だったろうか。一車線の道も多く、流れも緩慢である。一番困ることが、割り込み、飛び出しが一般化していることだろう。他県から来た場合はこれに細心の注意を払わないと、最悪事故になる場合も考えられるのではないだろうか。

オフロードに関しては北海道に次ぐ規模を備えているようだ。管理人はオフ車で訪れたことは無いが、剣山スーパー林道をはじめとした未舗装路が数多く存在している。道路の整備状況があまり良くないということは、オフ車には好都合と言えよう。

いずれにしても、ポイントさえ抑えておけば比較的楽しいツーリングを満喫できることうけあいだ。一度四国へお出かけされてはいかがだろうか。

 

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