まつくぼツーリング

 

2013年8月4日

 

道の駅 千石平新野にて W氏とハーレー氏

 

0.1ヶ月ぶり

 

こういうとなんだかサボっているみたいだが、実は7月が結構忙しかった。20日、21日とエアロビクスのレッスンが2連発であったし、その翌日は親知らずを抜歯した。もちろん、他のメンバーの方々も同様に忙しくされていたのだが、その中で今回もW氏に機長業務をお願いし、プランを提出してもらった。いつもありがとうございます。

 

ところで、今回は「ロング宣言」が出された。WRT連合会の規定では、プラン上で400km超えの場合に機長から任意に「ロング」が宣言される。そして、コパイ以下はそれに備えるよう準備が必要がある。関係ないが、F1でも「WET RACE」と宣告されると、スタート後に雨が強くなってもレース距離を短縮しないという、似たような制度がある。

 

上記のように忙しい日々を送っていたので、7月はあまり距離を乗れていないから、これは楽しみな展開である。それはそうと、今日の趣旨は、涼しい場所へ行こうというものだ。毎年「暑い日は高原ですな」と題を付ける定例ツーリングであるが、別に意識しないで淡々とレポートを進めていこう。

 

ところで、涼しい所は遠い所だと言いきってもよかろう。ロング宣言を出したW機長からも「8時に足助集合」と気合の入った指示が出ている。今日はどこへ行くのかな。TDMの積算距離も伸びることだろう。

 

いつもの運行前点検を行い、午前7時には自宅を出発する。いつもながらに快調な排気音を奏でながら走るTDM900だが、今年は5回目の車検を迎える。え、ということは、購入して10年を迎えるってことか。なるほど、TDMは30歳で購入したわけか・・・、俺ってそんなに若い頃があったのか。

 

自分の人生ながら、少々違和感を覚えつつ集合場所へ向かう。さすがに朝が早いので交通量はまばらだが、すでにジリジリと真夏の太陽が照りつけている。当然汗もダラダラなのだが、だんだんと足助が近づくにつれて少しづつ風の温度が変わってくるのを感じ始めた。この「空気が変わる」感覚は、2輪乗りならではのもので、このレポートお読みくださっている方々ならきっと覚えがあることだろう。

 

集合場所に到着すると、既にハーレー氏とW氏が到着しており、談笑している。お互いに1ヶ月ぶりの再会に喜び、挨拶を交わす。前述の通り、今日の暑さは並ではなさそうだ。さっそくコンビニでお茶を調達し、グビグビと喉を潤す。あれ、今日のW氏はドカじゃなくてマジェじゃないですか。「結構ツーリング性能も高いよ。なによりも楽だ」と最近はドカよりもマジェの出動の方が多いらしい。

 

あれ、と言えば、ハーレー氏のマシンであるバルカンのエンジンがかかりっぱなしだ。どうしたのか、とたずねようと思っていたら、「バッテリー上がりを起こして、今エンジンを止めると始動ができなくなる恐れがある」と、氏の方から説明があった。えー、ちょっと大丈夫ですか。まあいざとなったら男が他に2名いるので、押しがけすればよいか。

 

因みにハーレー氏は、自宅を出る際には、軽トラから電気をもらったそうだ。実は古いバッテリーを使用しているのかと思いきや、この5月に交換したばかりのものらしい。それは充電系統がトラぶっている可能性も稲目トンネルですな(興味のある方は、中部北陸版マップルの28ページG6参照ください)。

 

1.出発

 

バルカンをいつまでもアイドリングさせておくのもナンだし、早々に国道153号線で北上を開始する。ところで、最初の区間は当方が先導機長を務めることになった。というのも、TDMはあと10km強で累積走行距離が88,888kmとなるからだ。その瞬間を写真に収めたいのだよ、ヤマトの諸君。はたして、その瞬間は伊勢神トンネル手前2km程度の地点であった。

 

88,888km達成!

 

100,000kmまではあと11,112km、油断しないで達成したいものだ。もちろん、それは単なる通過点に過ぎず、その先もTDMは活躍することは間違いない。というのも、別項で紹介したように、7月にはホンダ式MD33型機を購入してしまい、貯金の残高が怪しい。結局「2010年代は機材更新はしない」という方針でいくことになったからだ。

 

主要国道にしては良いペースで走り、北上を続けていく。先ほど話した「空気」はどんどんと変わっていき、当方の感覚型温度計では、30度を割るあたりまではきているようだ。暑い日は山に限りますな。

 

そう思いながら平谷交差点を右折し、国道418号線で磁方位090、40ノットにペースを上げて快走していく。この道は交通量も少なく、基本的に追い越し可なので前述速度を維持できる。また、途中からアップダウンのある、中、低速のワインディングになるので、横Gに加えて縦Gも感じながら走行を楽しむことができる。

 

この平谷峠越えの道は、TDMのパワーと安定性のおかげで超が付くほどに快適に走行できるので、あまり気合を入れずにいたところ、「じぇじぇ!!」、マジェのW機長が背後からつついてきているではないか。いや、別に無理することもないのだけど、今日の査察で評価が悪いのも嫌なので、少しだけ真面目に走ってみる。しかし、いつものように、直線以外はピタリと付かれてしまい、マジェのホイールが真横に来ることも。それにしても、氏はW時代もそうだったが、少ないバンク角でのコーナリングを完全にものにしている。やはりすごい。

 

W氏の技量の高さにはいつも感心だと思いながら、千石平新野で休息する。さて、気になる査察の評価であるが、今回は背後につかれたものの、下りで軽量なマジェが有利な条件だった、ということで問題無しとなった。一応、総飛行時間8,000時間、うち、ヤマハ式5PS式は3,000時間、オフ車も2車種で500時間を認定していただいた。安全のためにも、このままさらに技量を上げたいところだ。

 

2.第2レグ

 

水分補給をしていると、ハーレー氏引退の話題がのぼってくる。これについては、当ページをご愛読いただいている「GUZZI氏」からも慰留して欲しい旨、掲示板に投稿いただいた。それをハーレー氏に伝えたり、我々独自の論を展開して考え直して欲しいなと希望を述べたが、反応はあまり良くないように思われた。まあ、ゆっくりと考えてくださればよいことだ。尚、前述GUZZI氏には、この場を借りてお礼申し上げます。毎度、ありがとうございます。

 

そのハーレー氏だが、ここで勇気を出して、バルカンのエンジンを停止させていた。その結果、セルモーターでの再始動は・・・、できませんでした。結局、外野がワイワイと何か言ってくる状況をかわしつつ、W氏の強力押しがけで再始動となった。さすが。速い人は体力的にも優れているのかもしれない。

 

ここからはW氏先導機長、ハーレー氏コパイ、機関士は当方の順で走行していく。道は、国道151号線と番号を変えており、山間部を切り開いたとすぐにわかる構造の道を右へ、左へカーブしながら走っていく。特にこの辺りのコーナーはRが大きめの長く続くものが多い。また、割合と交通量も少なく、今まで同様に快走を続けていく。おっと、W氏はバンク角をつけないでコーナリングする技をうまく使い、ズンズンズンドコキヨシー、と進んでいくが、ハーレー氏はバルカンの巨体にやや苦戦気味だ。時々「カツッ」と氷をかち割るような音がするなと思ったら、ステップやエキパイから火花らしきものが飛んでいる。この件について氏は、「右コーナーでのエキパイが一番当たりやすいんだよ」とコメントしていた。

 

阿南町に入り国道151号線を離れて、早稲田交差点で県道244に乗り換える。何だよ、前方には警察車両が走行しているではないか。W機長の判断で、しばらくホールディングパターンを描きつつ(実際には停車)やり過ごす。

 

数分後には我々も走行を再開し、以前、ハーレー氏がパンク修理を断られたスタンドで燃料を搭載するつもりで速度を落とす。しかし、なんと日曜日が定休日で休みだった。山の方のスタンドはこのパターンが多いな。そういえば10年ほど前に、R1-Z氏と乗鞍高原へ出かけた時、2ストバイクの燃費の悪さを懸念して、携行缶をリアシートにくくりつけていた。結局はうまいことスタンドが見つかったので事なきを得たという想い出がある。そしてこのことをきっかけに、後々、氏のマシンは積算計がごまかされているのでは?という疑念をくことになる。2ストとは言え、いくらなんでも燃費が悪すぎでしょう。さすがは今は無きバイク屋「ピップ」(仮名)。

 

話が逸れたが、まあ、この先スタンドが無いというだけで、今のところは燃料は不足していない。いざとなればコースを変更して給油することも可能なので、なんとかなるでしょう。そのまま走行を続けることにする。

  

さて、阿南町の市街地を通り、温田駅近郊で県道1号線に乗り換えて、片側1.5車線で勾配のついた道をウネウネと走行する。このあたりからは細かいカーブが続くワインディング路の区間だ。それはそれでよいのだが、当方は普段も新機材で通勤しているが、左カーブに遭遇することがないので、何となく苦手だ。体をしっかり使っていないのがその原因なので、定石通りに腹を凹ませてコーナー側にへそを向け、坐骨から荷重していくように意識する。すると、肩の力も抜けてマシンが自らハンドルを切ってくれるようになる。外側の腕はハンドルに添える程度に、微妙に押し気味にするとタイヤが路面に立つように感じて、操舵感が良い。

 

さらに県道83号線に乗り換えて、泰阜の市街地を抜けていく。ここからも上記のような細かいコーナリングを繰り返していく。加速、減速、荷重、を何回も反復練習できるので良い技量維持訓練になる。ところで、このルートは時々南側に視界が開けて、見晴らしの良い部分がある。おー、上ってきていますなぁ。さらに千代地区にて道路名は県道83号線に名前が変わりも、特性自体は変わらない。

 

ひとしきり技量チェックをしたら、国道256号線に合流、このまま飯田から国道153号線かと思っていたのだが、W機長は今回に備えた新規開拓ルートを用意していた。

 

まずは天竜川を渡らないで、県道252号線、83号線、18号線と矢継ぎ早にルートを乗り換えていく。確かに交通量が少なく、快適に走行できる。これは天竜川の西岸は街が多いので東岸ルートを採用する作戦だ。おそらく、氏は普段から地図を見てかなりの検討をしていたのだろう。その執念というか、粘り強さというか、やはりすごい。おかげで渋滞知らずの快走を続けることができた。ここまで細かい道を検討できたのは、W氏がドカでトロトロ走行することを嫌い、なんとか見出した解決法なのだろう。

 

3.ちょっとトラブル

 

喬木村の阿島地区にて、ハーレー氏は燃料再搭載を決断する。当方とW氏はまだ十分残りがあるので、給油の必要性はない。さて、そのスタンドの向こうには「阿島自動車学校」があり、そこから大型の教習車がでてきた。もちろん、12mのフルサイズである。リアのオーバーハングを振出しながらすいすいと右折していったが、今当方に「やれ」と言われてもできないだろう。また、本職であるW氏も「慣れた車両でないと難しい」とのことだった。

 

ここでハーレー氏は、本日2度目のエンジン停止だ。はたして再始動は可能なのか、とハラハラして見ていた。やっぱりセルモーターがギュルギュルと苦しそうな音を立てていて、初爆が出ない。苦労している氏のもとへ、セルフのスタンドながら店員が出て来た。そしてピットの方へ案内し、充電・始動用のマシンに接続、これでわけなくエンジンが始動した。ハーレー氏曰く「セルの回転音がぜんぜん違う」といかにバッテリーが弱っているかを知らされた結果となった。

 

給油をした後、幾分地元よりも涼しい風を感じつつ県道18号を走行する。その涼しさの源は、隣を流れる天竜川、そして田んぼであろう。当方の自宅アパート周辺では、まだまだ田んぼがたくさん残っており、夜になるとエアコン無しでも過ごすことができる。家にいる時間は通常は夜なので、クーラーとしてのエアコン稼働は年間で1日か2日、0日も当たり前だと補記しておこう。

 

自然の素晴らしさに感心しつつ、坂戸峡までやってきた。ここで国道153号線に合流し、いよいよまつくぼへ向かう。さて、ここで一応、まつくぼについて説明しておこう。ここはソースかつ丼が有名な定食屋である。なぜそれほど有名か、後々のお楽しみに。それはそうと、この店は客の入りが良いにもかかわらず、待ち客用の記入用紙も無い。また、一度昼の営業時間ギリギリに到着した際には、「まあ本当は終わりなんだけど、入れてあげるわ」というような、ネチッコイ嫌味を言われたこともある。今回はどんな対応か、楽しみである。

 

それにしても今日のプランは素晴らしい。既に陳腐化した、飯田からふるさと農道で国道153号線をかわすルートに代わり、川の反対岸の道に目を付けて細かく乗り継いでくる。これは一度ソロでも走って、是非覚えておきたいルートである。

 

4.まつくぼ

 

新しくできた国道のバイパスを走り、卯の木交差点を通過して、国道153号線でまつくぼへ直行する。伊北I.C.を過ぎたらもうすぐだ。今日は昼食ピッタリの時間に到着するが、混んでいないだろうか。腹もかなり減っているし、ちょっと心配していたのだが、それは杞憂に終わった。店内には1組待ちがいるだけで、ほとんど食べ終わった組も何組かいるようだ。そして、我々が入店してくるところを見たそれらの人達が、席を空けてくれたので、すぐに席に着くことができた。なんだか急かしたみたいで申し訳ないです。

 

そして驚くべきは接客のおばちゃんだ。この人は多分店主の奥さんと思われるが、上記のような嫌味を言っていたその人、「靴はこちらへお願いします」、「テーブルを拭きますから失礼します」と当たり前のことを言っている。最近は競合店も増えて競争が激化しているので、多少マシになったと聞いていたが、噂はガセではなかった。

 

席に着いて、我々3名共に「特製カツ丼 1,500円」を注文する。さて、この前にここに来たのは1年以上前なのだが、店の内装を新しくしたようだ。内装だけではなく、新しくカウンターも増設してあった。また、ライダーの写真が貼ってあるのだが、そちらの数が減ったように思われる。そう、ここはライダーに人気の店なのだ。今日も客の半分近くはライダーのようで、表にはバイクが何台も置いてある。中には湘南ナンバーの車両も見られた。

 

さて、20分程でカツ丼が運ばれてきた。たぶん能年チャンが見たら、「じぇじぇじぇじぇじぇ」ぐらいは出るのではないだろうか。何がすごいってこのカツの厚さだ。いったいどうやって揚げているのだろうか。これも噂の領域だが、電子レンジ等で一度軽く火を通したものをカツにしているらしい。

 

特製カツ丼とW氏

(カツの厚さに注目)

 

今日はこのために腹を減らしてきたので、ガツガツと肉を食べていく。ところで、ここのタレはやや甘めのものを使用している。当方はもうちょっと塩味のある方が好きだが、それは大した問題ではない。それよりも、見た目からは想像できないくらいにあっさりとしていることの方が大事だ。伊那市にある有名店はもっとくどいので、完食が結構難しいことがある。それに比べて、ここはするすると食べることができるので、案外完食は簡単だ。ただ、R1-Z氏が食べた後にエライ目にあっているので、その後は保証できないと付記しておこう。

 

皆カツ丼を完食したが、ちょっと腹にきているので、話しながら休息する。

 

先月は当方も忙しかったが、W氏は店の付き合いも兼ねて久々に8耐へ行ったそうだ。これはドカの購入店がチームを持っていて、8耐に出場していたので、その手伝いと応援をするために出向いたものだ。そして、現地で様々な人と出会ったのだが、その中に、以前馬籠で偶然に出会った、氏と同じ店に出入りするカップルも来ていたそうだ。しかし、彼らは、別の店からの参加であったというオチがついている。どういうことかというと、彼女の方が別の店でバイクを購入しており、そちらの店の付き合いを優先して鈴鹿に来ていたということだ。

 

この話を聞いて、当方はハーレー氏の格言を思い出した。「女には基本逆らっちゃあいけない」、なるほど、女には合わせなくてはならないのか。

 

5.さらに続く

 

まつくぼで腹が膨れ、時間も13時を回ったので、そろそろ次の目的地へ向かう。おっと、ハーレー氏はセルモーターでのエンジン始動が不可能な場合を考えて、わざと坂の上にバルカンを駐車していたのだが、ここまで走ってきたのでバッテリーも回復したらしく、セルモーターでの始動が可能なった。やれやれ、一安心である。

 

再びW氏が先導機長、ハーレー氏コパイ、当方の順で国道153号線を戻っていく。

 

伊北I.C.を過ぎて、卯の木交差点から県道207号線でショートカットして、国道361号線。152号線でだんだんと標高を上げていく。この辺は一部区間で住宅地の中を通過するので、あまり速度を出すことはできなく、常識的な走りで行く(いつも常識的な走りをしています)。

 

その住宅地を過ぎたら、いよいよ本格的な山道へと入り、国道152号線に乗って、磁方位は180で走行を続ける。さて、ここの地名は長谷村なのだが、昔会社に同名のちょっとムカつく奴がいた。何か言うと、すぐに上げ足をとるのだ。本人は多分意識していないだろうが、これは非常に迷惑であり、時には議論を根底から覆されてしまうこともあった。もちろん代替え案など存在しない。

 

地名には罪はないな、そう思いつつ、片側1.5車線でやや路面の悪い、国道を淡々と走っていく。ところで、この道をこのまま行くと「分杭峠」という峠を超える。ここは以前は誰も立ち止まることがないような場所だったが、今やゼロ磁場パワースポットという、よく理解できない触れ込みで大勢の人が訪れる。その挙句、路駐をする人が増えてしまったので、今ではシャトルバスがあちこちから出ているようだ。

 

「分杭峠にはシャトルバスを利用ください」と書かれた看板をあちこちに見ながら、国道の細かいカーブを抜けて、路面の砂に驚き、デコボコに揺られて進んでいく。ここで当方、ちょっと眠くなってしまったのか、一度だけブレーキが遅れてヒヤッとしてしまった。危ない危ない、目が覚めたことは言うまでもなかろう。

 

8耐ではないが、ちょっと耐久レースのような152号線の走行を淡々と続けて、鹿塩温泉、フォッサマグナを通過。途中から小型の4輪者がなかなか良いペースで飛ばしている。まあそれほどではないが、こいつをペースメーカーとして我々も快走していく。

 

そして152号線の未開通区間を結ぶ、蛇洞林道に入り(蛇腹ではない)高度を稼いでいると、後ろから695デイトナがやってきた。当方は最初ZX10かと思い、さっさと道を譲ったが、どうも音が変だなと思って抜かれ際によく見てみると、デイトナであった。なんだ、3気筒だったのか。

 

そしてそのデイトナは、前を行くハーレー氏も同様に抜かしていった。さらに、W氏に近づいていったが、そこは我らが先導機長、低速区間の得意なマジェを巧みに操縦して、先のコーナーへデイトナと共に消えていった。後で話を聞いたら、「一旦前に出して、後ろから追った」ということだった。氏が言うには、たぶんデイトナのライダーは「じぇじぇじぇ!!」とびっくりしていたに違いないと。そりゃそうだろう。スーパースポーツを自認するデイトナだ、驚かないことはなかろう。

 

6.しらびそ高原から

 

こうして今日の2つ目の目的地である、しらびそ高原に到着した。気温は25℃程度とかなり快適だ。やはり暑い日は高原ですな。そんなことを思っていると、ハーレー氏のバルカンが水を吹いている。大丈夫ですかと駆け寄ったが、「いつものことだ」とハーレー氏はまったく驚いてはいない。いやそうじゃなくて、ラジエター液を自然に放出したら環境に良くないじゃあないですか。さらに、冷却ファンが回りっぱなしだ。すると「こいつがけっこうバッテリーを食うだよ」と余裕のハーレー氏。どうやら、本当にいつものことらしい。

 

それはそうと、前述のハーレー氏ライダー引退宣言について、冒頭で記したように慰留をしているのだが、W氏が「最後のバイクとして良いものを買ってもらったらどうか」と提案、それは良い考えだ。良いものを買っておけば、長く愛用できるものだよ。

 

この当方の発言にW氏が食いついてきた。「いつかそんなことを言っていた奴がいましたねぇ」、「そりゃドルーのことですか?」、そうだ。「良いものを買えば長く持つ!!」のドルー氏だ。ついでに当方が「牛と豚の内蔵もモツ!!」と付け加えておいた。もちろん、当方とドルー氏の言っていることは意味が違うよ。

 

しらびそ高原にて、ハーレー氏とW氏

 

しらびその展望台へ向かうが、今日はガスが出ていてあまり景色が見えない。他の人たちも案内板の前で、「どれがどの山かわからない」と発言していた。

 

しらびその展望台にて、W氏とハーレー氏

 

次は日本のチロルと呼ばれる下栗の里へ向かう。隕石の衝突跡の下にある細い道を抜けて、しばらく走ると到着だ。んー、いつだったか、もう10年近く前に来たことがあるな。ところで、今日は歩いて展望台へ向かおうと、W氏が張り切っている。これに対してハーレー氏はあまり気が乗らないようだったが、強引に誘って2km程の遊歩道を歩いていく。ハーレー氏はやや遅れ気味であるが、完全に遅れることはない。それどころか、「このあとOOmっていうのが、邪魔だなぁ」と発言している。結構余裕じゃあないですか。

 

おおよそ2km程度の道を歩いて、やっと展望台に到着した。結構疲れたが、絶景ではないか。よくポスターで見る風景で、本当に山にへばりついている。

 

下栗の里

 

景色を堪能した後、また遊歩道を歩いて戻るのだが、W氏もハーレー氏も足腰が強い。W氏は「山育ちだから、このくらいの斜面は走り回っていたからだ」と歩道が通る山の斜面を例に説明してくれた。なるほど、ハーレー氏はもう歳だと言いつつも、歩く速度はまったく衰えない。

 

結構な距離を歩いているので、山の話題から「やまかがし」という蛇の話題になる。この蛇は猛毒を持っているものの、比較的おとなしい種類のものであるが、ひとたび怒らせると凶暴らしい。あまんQに似ているとはW氏。当方でも忘れていた。また、その毒があることは最近まで知られておらず、子供が噛まれて死んだのではじめてわかったらしい。20年程度前のことだそうだ。

 

 

7.帰還

 

あとは国道152へ降りて、418号線、県道1号線でパレ平岡ダムを通過、県道244で今朝通った早稲田へ戻ってきた。一旦逆方向へ走りW氏とハーレー氏が燃料の再搭載。W氏は残りが2ポンドを切っていて、持久時間的にはあと30分程度でガス欠という状態だった。一方ハーレー氏のバルカンは切迫していたようではない。さらに、すっかりと調子を取り戻して、セルでエンジンが始動ができるようになった。

 

あとは151号線でゆったりと走行していくが、途中変な4輪車突っつかれたりしつつも千石平新野へ到着。アイスナメナメ、体力の回復を図る。

 

アイスナメナメの図

 

この後は売木村から県道46号線で、霧の深い茶臼山を通過し、国道257号線で北上、道の駅どんぐりの湯で解散となった。

 

今日は宣言通りのロングツーリングで、大変楽しい日であった。次回は9月の2週目辺りに開催予定ということで。

本日の走行450km

戻る