ユーザー車検リポート

 

2007年9月18日

自動車登録・検査事務所の図

 

「車検を通す金が無い」、「車検の無い250ccにしよう」というセリフはバイク乗りなら一度は口にしたことがあると思う。実際、バイク店に依頼すると7から10万円ぐらいはかかるらしい。かく言う管理人も4輪車は10万程支払って販売店に依頼している。アンダーボデーの洗浄、さび止め、ブレーキフルード交換などニューギニア6級整備士には手におえない、または整備施設がないと行えない項目があるからだ。ところが、2輪車の車検に関しては一貫してユーザー車検で済ましている。それどころか、時々友人からユーザー車検手伝いの依頼が来ることさえある。そんなこんなで通算10回以上は2輪車の車検をとったことがあると思う。2輪車は比較的手がつけやすいからだ。

 

ところで、話変わって自動二輪免許の中型限定解除という試験が行われていたことをご存知の方も多いと思う。現在は免許制度が改定になり、普通二輪、大型二輪という区分になっている。普通二輪は小型限定(排気量125ccまで)免許が含まれている。が、10年ほど前までは自動二輪免許があって、その中に小型(125ccまで)、中型(400ccまで)、限定なしという区分があった。つまり、中型限定の人が750に乗ると違反の名目は「限定区分違反」であった。現在の制度だと普通二輪免許所持者が750に乗ると「無免許」となる。まあそれはよいのだが、旧制度だと、中型限定を解除するには免許試験場で行われる審査に合格する必要があった。自動車学校での教習で実技免除となるのは中型限定までだ。管理人は1995年11月5日に4回目の審査で中型限定を解除しているが、その練習期間中に「受かるわけが無い」、「XX県は日本で一番難しいらしい」と散々に言われていたことがあった。実際、審査の合格率は一割以下、厳密に言えば、8、9%程度であった。ところが、実際練習してやってみると、どうやら、試験管がやって欲しいことを確実に把握し、忠実に審査で再現すれば合格はできるということがわかった。散々に言っていた人も「シンジラレナァーイ」という様子だった。また、管理人は英検を取得している。英語は留学しないと勉強できないと思っているひとが多くいるらしいが、管理人は旅行でさえ、日本を出たことが無い。大学と独学で取得している。

 

何が言いたいか。巷で言われていることは、やりたいけどできない、興味はあるけどどうしたらよいかわからない、という人たちの言葉だけが独り歩きした結果にすぎないのではないかということだ。この仮説は少なくとも、上記2件に関しては正しかったようだ。管理人は強く言いたい。実際に調べてみてから結論を出そうと。

 

毎度お馴染み、前置きが非常に長くなったが、本題に入ろう。このリポートを書いている2007年9月18日に愛機TDM900の二回目の車検を受けて、合格した。車検を受けるには予約をすることから始める。おっと、ここで、車検と言っているが、管理人が受けたのは「継続検査」と呼ばれるものだ。これは2輪車の場合、前回の検査から2年、(若しくは新車なら登録日から3年:制度が変わるらしい既に変更になりました)過ぎたので、継続して車両に乗るなら、保安基準に適合しているか検査を受けろというものらしい。ここで誤解してはいけないことがある。人によっては「車検を受ければ2年間は何の整備をしなくても安心して車両に乗れる」と思っているらしい。これは大きな間違いだ。走行距離の少ない人なら結果何もしなくてもよかったという場合はあるかもしれないが。継続検査に合格するということは、検査を受けた時点で、保安基準に適合しているということに過ぎない。ここは非常に重要だ。逆に言えば、「保安基準に適合さえしていれば、継続検査には合格できる」ということになる。車検はそれだけのものだし、それ以下のものでもない。

 

車検証裏の記載

 

ごめん。本題に戻そう。継続検査は日本全国どの自動車検査事務所でも受けられる。だから好きなところに予約を入れればよい。管理人の県の陸事では10日前から予約を入れられるようだ。予約は電話をして、ガイダンスに従って受験希望日、車両登録番号、その日のどの時間帯(ラウンドと言う)に受験希望かをダイアルする。そうすると、予約番号が発行される。これを控えておく。そして、当日に該当陸事に赴いて、書類作成、税金や検査手数料を納付する。検査に合格するには、車検期間を網羅する自賠責保険に加入していることが必要だ。前もってバイク屋で加入するか、当日陸事の近所のテスター屋、や自動車会議所内にある自賠責保険コーナーで加入すればよい。今回はテスター屋が保険を扱っていたので、そこで継続加入した。20240円と前回より約1000円値上げされていた。また、毎年5月に納付する自動車税を納めていないと車検には合格できないので、納付証明書を用意しておく。無くしたら市役所の税務係で発行してもらえるから安心すればよい。

 

         

           

陸事・自動車会議所案内図                                                          書類の領収書

 

予約日当日に陸事に出向き、必要書類を購入する。陸事の隣に自動車会議所の事務所がある。該当窓口で必要書類を購入する。50円也。また、別の窓口で重量税5000円と検査手数料1400円の印紙を購入する。よくよく考えると、この自動車会議所ってのは国土交通省とどういうかんけいなんだろうか。おそらくは官僚の天下り先ではないかと思うが、詳しく調べていないので分からない。あと、印紙はなぜ、「売り渡し」とか、試験場窓口は「売りさばき」なんだろうか。ご存知の方がいたら教えてチョウス。また、詳細の書類の説明は省くが、見れば分かると思う。書類の必要事項を記入したら、隣の陸事の該当窓口に提出する。職員の人が内容を確かめてくれ、どの検査ラインに並べばよいか教えてくれる。何も言わないと何も教えてくれないので、積極的にこちらから質問するとよいと思う。

       

    ライン案内板 二輪車は3コースへ並ぶ                                            印紙の領収書 「売り渡し」ってのが笑える

 

ラインに入る前に同一性の検査がある。要するに車両の寸法が、車検証の記載通りか確かめるわけだ。ハンドル等の突出物を純正品以外に交換していないなら、なんら問題はない。管理人は一度ハンドル幅を計られたことがあるが、もちろん問題は無かった。次に柄の長いカナズチでボルト、ナットの緩みを点検される。もちろん自分で点検しているので、問題なし。さらに、ホーン、ウインカー、尾灯、ブレーキ灯、前照灯の確認が行われる。検査官の指示通りに各灯火類を点けていく。

 検査ラインの図

 

いよいよラインに入る。その際に気をつけることは、床が滑りやすいこと、ラインはローラー等の動きが唐突なので、常にある程度力を入れておくこと。現に管理人が検査を受けた日は転倒者が一人いたことを付け加えておこう。まずは入り口でスピードメーターの駆動装置がどちらのタイヤか、ライトが1灯式か2灯火式かをボタンで設定する。因みに、2灯式のライトとは、ハイビーム時に前照灯が2つともハイビームになるものをいう。ライトの数だけではない。TDMは2つヘッドライトがあるが、左がロービーム、右がハイビームであるから、1灯式となる。初期設定は1灯式になっているので、そのままにしておく。まずはテスターに前輪を乗せる。すると上前方の電光板に指示が出る。フートスイッチを踏むとあるので、左足でテスター横の細長いスイッチを踏む。まずは前輪ブレーキテストだ。親の仇をとるつもりで目いっぱい前ブレーキをかける。ローラーの回転力にブレーキ力が打ち勝つとタイヤがロックする。すると掲示板の「○」と表示される。次に後輪をテスターに載せて後輪のブレーキテストだ。前輪同様なので、詳細は省略する。次にスピードメーターのテストに移る。40kmになったらフートスイッチをはなすと指示がでる。メーターに狂いがないと「○」と表示される。さて、次は難関の光軸テストだ。停止線までバイクを前進させてライトをハイビームにし、フートスイッチを指示通りに操作すると、横から箱が出てきて、怪しげな動きをする。この際、エンジン回転を1500rpm位に保つと良いらしい。一番ライトが明るいのはこの回転域ということをバイク屋から聞いたことがある。実際にはあまり変わらないと思うが、管理人は1500rpmキッチリに保つ。電光掲示板に「○」が表示されて終了。2灯式は同じことを片側ずつ行う。ボール紙で目隠しを持っていくとよいだろう。合格したら、リコーダーに記録用紙を入れ、丸印を打刻する。その後、TDMは平成12年排ガス規制適合車なので、排ガス検査をする。いろいろなボタンがあるが、何もしないで、棒を排気管に入れる。あまり深く入れすぎない方が良い。すると、右前方の電光板のCOとHCのところが○と表示される。リコーダーで○印を打刻して検査完了だ。

 

              

総ボックスの図                                                                        ニューステッカーの図

 

あとは、総合ボックスに書類をもっていき、確認が行われ、印を押してもらう。そして、元の窓口の隣に書類を提出すると車検証とステッカーが交付される。これにて一件落着。

 

    テスター屋を利用するのも一つの手だ

 

ぶっつけ本番に不安な方は、テスター屋で一度検査してもらい、本番に臨む方法もある。陸事の近所にはたいていテスター屋がある。因みに、管理人が検査を受けた陸事は、隣にあった。詳細は利用していないので不明だ。

 

2月2日追加

会社の先輩オークラ氏によると、写真のテスター屋は、「ネクタイを締めて業者らしい格好をし、テスター屋の指示にテキパキと従えば業者と間違われ、料金が半額(2千円台)になった」そうだ。因みに彼は四輪の車検をとったらしい。

 

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