XLR125R セルモーター分解・清掃

 

2012年3月10日

 

0.寒さもちょっとずつ

 

今年の西日本の冬は1986年以来、12月、1月、2月と3か月連続で平年気温を下回ったらしい。1986年といえば当方が中学2年生、部活でこってりと絞られていた頃だ。あまりのキツさで嘔吐する者、倒れる者がいたり、なんだかつばをのむとが「血の味がする」ということもあったっけ。

 

そんな昔と同じくらい寒かったのかぁ。どうりで、しょっちゅう雪が降ったりしたわけだ。その影響かどうか知らないが、通勤用機材であるホンダ式JD16型機の調子がイマイチだった。だんだんとセルが回らなくなり、ついには「カチッ」とリレーの音がするだけになってしまった。「ああ、寒さでついにバッテリーがやられたか」と思い、前オーナーも「だいぶ昔に交換したきりだ」ということだったので、新しいバッテリーを購入することにした。ところで、JD16型機ことXLR125RのバッテリーはGSユアサの型式で言うと「YTX7A-BS」なのだが、だいたい1万円以上する。やれやれ、とTDMでお世話になったネットショップを探してみると「CTX7A-BS」という規格相当品を発見した。TDMも「GT12B-4」という規格に対して「CT12B-4」という相当品を使用しているが、全く問題が無い。

 

というわけで、2,925円(送料込)の相当品を注文し、翌日に配達されてきた。

 

さあ、早速交換だと喜び勇んで作業をし、セルスイッチを押すと、

 

「カチ」

 

えええ、バッテリーじゃあなかったの?もしかしてセルモーターか。そう思ってメガネレンチでカンカンと叩いてもう一度スイッチを押すと、「キュル、ブルルン」とあっけなくエンジン始動。しまった。モーターの方だったか。だいたい32,000劼領濱兪行距離でセルが調子悪くなるか。いや、この機体はもともと前オーナーが、悪名高き「ジュ○モータース」で購入したと言っていたっけ。このメーター表示はアテにならない。ということは、ひょっとして3倍くらいは先を行っているのだろうか???

 

いずれにしてもこの状況はちょっと気持ち悪い。ここはひとつ、セルモーターを分解・清掃してみるか。そんなわけで、セルが再びかたまらないことを祈りつつ、暖かい週末を待った。

 

1.まずは取りはずし

 

3月に入り、ちょっと寒さがマシになってきた。今日は午前中は歯医者に行ってくるので、午後からが空き時間となる。因みに明日はR1-Z氏と今シーズン初のツーリングだ。となると、作業は今日やってしまいたい。ちょっと風が強いが、昼飯もそこそこにつなぎに着替えて道具類を準備する。

 

まずはサービスマニュアルとパーツリスト。ニューギニア6級整備士には欠かすことができない、大事な参考書だ。そして久々登場のデジカメだが、バッテリーが2個とも死ぬ寸前だ。そこで途中からはやむを得ず、携帯のカメラで代用した。これが使いにくいんだよなぁ。

 

あと、工具類はいつも玄関に置きっぱなしなので、準備もヘッタクレもない。

 

まずはマニュアルの指示通りに、バッテリー配線を切り離し、モーターについているケーブルをはずす。そして、次はマウントボルトをはずすのだが、エキパイのカバーが邪魔なのでこいつも取りはらうこととする。

 

車両右からミタ(見た)セルモーター

 

こうして、エキパイの奥にあるボルトを回し、セルモーター本体をはずす。この際、車両左からプラハンで軽くどっつと簡単にはずれる。さて、セルモーターの動力を伝えるギアが見えるのだが、なんだか乳白色の液体が付着している。これは水とオイルが混ざったもののようだ。

 

セルモーターはずれました

 

つまり、セルモーターがエンジン本体の穴に刺さっているのだが、この隙間はゴム製O-リングでシールしているのみだ。そして、車両はスタンドをかけた状態だと、左側に傾いている。一応軒下でカバーを掛けて車体が濡れないようにしているが、どうしても雨が吹きこんだりする場合もある。そんな時にこの隙間から水が混入したのだろう。もっとも、常にエンジンがカンカンに熱くなるくらいに走行していればよいのだが、いつもチョイノリばかりなので、こんなんになってしまったのだろう。無念。

 

尚、異物の混入を防ぐために、穴はガムテームなどでフタをしておく。

 

2.モーター分解

 

続いてモーター本体の分解にかかる。上記マニュアルで確認したところ大きく前部、中部、後部の3つに分割され、さらにそこから細かい部品に分けられるようだ。構造と手順を記憶して、貫通ボルトを外す。7个瞭とは珍しい規格だ。おそらく、ニューギニア6級整備士になって初めての遭遇だ。

 

まずはモーター後部を開けてみると、ものすごいブラシのカスと思われるカーボン片が出てきたよ。

 

ちょっと多すぎるのでは?

 

続いてブラシホルダもはずすと、ずいぶんと摩耗してますなぁ。ところで、2個のブラシの減り方が違うのはこれでよいのだろうか?

 

ブラシの様子

 

ひょっとして、カスを噛みこんで摩耗具合が変わったのだろうか。だったらもっと早くに分解すべきだったか。そう考えながらやすりを使ってブラシの形を整えておく。さらに、ローターとブラシの接触部分、アーマチャも汚れている。こちらは軽くペーパーを当てて磨いておこう。

 

残りの部分はエアダスターで吹いて、カーボンカスをきれいに取りはらっておく。また、ゴム部品や軸受はシリコングリスを塗布しておこう。

 

さて、ここで薀蓄をひとつ。このセルモーターは強力な永久磁石がステーター(写真の上段中央の筒状の部品)の中を、ローター(写真下段右)が回転する仕組みとなっている。これはバッテリーからの電気が配線から、ブラシ→アーマチャを通してローター巻線に流れると磁力を帯び、永久磁石に引っ張られるなり吸い寄せられるなりする。もちろん、ステーターの磁石は2個以上(このモーターは3個か?)取りつけてあるので、電気が流れていれば連続して磁石の影響を受けるから止まることはない。

 

今回は、この電気が流れてくるブラシとローターの接点を整え、噛みこんでいたと思われるカスを取り除いたわけだ。

 

分解・清掃したセルモーター

(ローターは念入りに磨いたので光ってます)

 

3.組み立て

 

後はマニュアルの図を見ながら組み立てるだけだ。特に難しいことはないのだが、ブラシブラシスプリングにより、アーマチャに押しつけられるようになっている。つまり、組み立てる際は、目いっぱい押し出された形になっているので、少し押し戻しつつローターを入れていこう。あと、一応貫通ボルトがうまく収まるように、モーターに合わせマークが刻んである。ボルトを通す前には注意しておこう。

 

意味のない合わせマーク

 

ゆっくり作業しても2時間程で終了した。それほど難しい作業ではなかったようだ。

 

いよいよバッテリー配線を接続し、キーを回してイグニションスイッチをオンにする。高鳴る胸の鼓動を感じつつ、スタートボタンを押すと、「キュルルルブルーン」といつもより甲高いモーター音と共にエンジンが始動した。おお、まさしく「この瞬間が整備の効果だね」と独りで悦に入る。

 

4.おまけ

 

恥ずかしながら、バッテリー充電器を買ってしまった。というのも、こまめに充電をして、寿命を延ばしたいと考えたからだ。一応ホームセンターで6,000円で売られているものが、ネットで4,500円(送料込)だったので、少し節約できた。

 

さて、明日はR1-Z氏とツーリングなので、TDMのバッテリーを早速充電してみた。

 

TDMのバッテリーを充電中

 

一応この充電器は充電電流を変えることができるようだ。これは多少時間がかかっても仕方がない、と考える当方には好都合だ。というのも、あまり大きな電流を流してしまうと、かえってバッテリー寿命を縮めかねないし、場合によっては水素が大量に発生することもありうる。水素爆発のすごさは理科の実験等で御存知の通りである。尚、急速な充電であるかどうかにかかわらず、充電時には水素が発生するので、十二分に気をつけよう。

 

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