2007大林道郡の調査

 

 

 

ウオッ地図を基に作成した管理人の地図(2007)

 

0.はじめに

 

Kenken氏の主宰する林道浪漫のページに感化され、管理人もまねごとではあるが、林道調査を試みてみた。今回の調査対象は、Kenken氏が未踏としていた出来山の南斜面に位置する「禁断のエリア」であり、また情報提供を求めておられた部分である。いつもページでお世話になっているので、比較的近い所に居を構える者として、情報収集に取り組んでみた次第である。

 

1.調査エリアまでのアプローチ

 

管理人の住む場所から紅葉で有名な香嵐渓を目指す。ここには国道153号線が走っており、現在は市街地を跨ぐバイパスも建設中である。2008年3月開通しております。まずはここから県道33号線に乗り換え、東を目指す。途中百年草という公共施設があり、レストラン、自販機、銭湯(500円以下)もあり、林道調査で疲れた後に立ち寄るとまたよろしかろうと思う。ここを通り過ぎ、3km程の地点から県道364号線に乗り換えて神越川沿いを大奥山付近までさらに東進する。すると今回調査する大林道郡の北西側入り口に到達する。ここは橋の手前とその奥にチェーンゲートがある。橋の手前は脇が甘いので何とかなるが(かなり狭いので、川に落ちないように注意する必要あり)、その奥はチェーンゲートがある。ただ、管理人は偶然にもダイアル錠の番号を知ってしまったので、進入できたわけだ。

 

2.栃洞金沢線

 

                

                            整備状況良し                                      こんな展望が開ける箇所もある                                       

 

調査開始となるわけだが、いきなり分岐点が現れた。とりあえず直進するも、ゲートあり。これは工事現場の立て壁でできており、簡単に通過。しかし、1km程で行き止まりとなった。途中に「金沢支線」と書かれた杭を見つけ、支線であることが判明。再びゲートを抜けて分岐点まで戻り、右折する。最初からここを行くべきでした。これは栃洞金沢線と呼ばれる林道で、よく整備されている非常に走りやすい小石が基本の道だ。コーナーがややきついので、慎重に歩を進める。慣れてくれば、管理人のようなヘッポコでも楽しむことができる優良林道であることも付け加えておく。今回は南進しているわけだが、この場合は前半登り、後半下りとなる。峠越え後の下りも問題なし。

さて、分岐点が現れた。直進だと藤立林道、左折だと引き続き栃洞金沢線?なのか。まずは左折していく。2km程で再び分岐、これが鰻沢林道であろう。構わず直進していく。さらに1km程で今度は3本に分かれる分岐点だ。一番左は栃洞金沢線、真ん中が滝洞林道、一番右は??とりあえずこの道に入っていく。仮に栃洞金沢一番右支線としておく。まだ工事がはじまったばかりのようで、山の斜面を崩して固めた砂の道である。斜面の反対側は危険な状態である。二度と這い上がれないだろう。斜面側を走行すること1.5km、ユンボがいるではないか。どうやらこの先も工事が進行する模様で、滝洞林道か国道420号へ完抜することを期待したい。

一番右支線を戻り、栃洞金沢線をさらに東進続行。ここまでは基本的にうっそうとした林間走行だったが、再び上りに転じて展望も開けてきた。路面も変わり、大きな尖った石が顔をだすようになった。カーブも多い。ズンズンズンドコとハンドルをとられつつ上って行く。一箇所ものすごく見晴らしのよい場所がある。おりしもハイキング中の親子が弁当を食していた。迷惑をかけないように会釈して静かに通過する。今度は展望がなくなり、分岐点登場。

直進は牛渡林道と杭に名前が記してある。とりあえず右折して東進。東屋のある左ブラインドコーナーを抜けていく。すると舗装された道路が接続されている分岐点があるではないか。これが栃洞林道であろう。この林道は「全面舗装化」という情報がある。後で調査しよう。そのまま直進して、2kmくらいでまた分岐点。調べてみると西川林道というらしい。さらに直進していくと、締まった砂の道になってきた。なにやら中高年のハイカーの方も急速に増えてきた。よくよく地図を見てみると、東海自然歩道と記載されている。ペースを落としていくとゲートに当たった。これがKenken氏を妨げたゲートであろう。ゲートの先は段度湖が見え、釣りなどを楽しんでおられる方が大勢見える。また、裏谷高原キャンプ場もあるらしい。

因みにゲートの脇は人プラスαの幅しかないので、すり抜けは不可である。

しかし、もしやと思い、入り口の番号にしてみると、「ビンゴ・ボンゴ!!チャーラーラララーララ、Iカップです」という感じで開いた。このIカップとはもちろんグラビアアイドルのI澤仁美のことで、17歳の時にIカップの下着を初めて購入したそうだ。管理人は特にファンというわけではない。というのも、爆乳は将来性に不安を感じるからだ。何事も程々がよろしかろう。

(写真はスポニチ「http://www.sponichi.co.jp/gravure/special/ir_aizawahitomi/20060609top.html」から引用)

 

3.西川林道

 

栃洞金沢線を西へ戻り、左折して西川林道を下ることにしよう。ここも良く整備された路面で、時々水溜りがあり、ぬかるんでいる程度だ。展望がある箇所もあり、楽しい。支線が多く、ちょっと迷ってしまうのが玉に傷というところか。ところで、この支線、地図上では隣の県道365号線に向っている。さらに、点線で示された計画では完抜しそうな気配もある。ここも要チェック。

時間も昼となり腹が減った。ちょっとした広場があるので、調達したパンとコーヒーで昼食としよう。エンジンを止めると静寂が襲う。まさに鳥の声、風の音、木々のざわめきという自然のみに支配されているようだ。気分良くパンをかじっていると、なにやら看板がある。どうやら私有林のようだが、「熊出没注意」を促すものまである。急に怖くなったので、得意の「知世ちゃん」の歌を大声で歌いながらの食事となった。別にエンジンかければよいのだが。

  郵便局発行の小冊子 MACCO (2006年8月号)から引用) この柔和な表情は癒されます。

 

昼食後は西川林道をさらに南へ下り、西川地区の手前でゲート出現。ここも入り口の番号で「ビンゴ・ボンゴ!!チャーラーラララーララ、Iカップです」くどい!

ゲートを抜け、西川地区に入ってきた。ここでは偶然にも自宅前で洗車をしていた方がみえ、私を発見するや否や「おめえどこからでてきてんだぁ〜」と言わんばかりの顔でこちらを見ていたことを付け加えておこう。確かに、私がその立場ならそうするだろう。

 

4.林道西川豊邦線

 

西川林道の終点はどうやら県道365号線に繋がっているようだ。おや、真正面にには見覚えのある道が。ああ、林道内野平線ではないか。こちらも後日報告しよう。ここは右折して前出の県道を南下していく。途中で林道西川豊邦線に分かれるが、ここはまったくの舗装林道で、特記事項は無い。ただ道が悪い場所もあり、アップダウンも激しい。コーナーもきついので、慎重に行く必要が大である。未舗装路よりも、こういうところの方がむしろ危ないのではないだろうかと最近感じている。というのも、以前にハイサイドを食らって肋骨を折ったことがあるからだ。

 

5.栃洞林道

 

  栃洞林道ゲート前にて


栃洞林道入り口はこのようなゲートがあり、すり抜け不可ですが、例の番号でビンゴボンゴ。どうやら管轄が同じ林道は同じ番号を使用しているらしい。そりゃそうだ、全部違っていたら面倒くさくてかなわない。ゲートを開けて、閉めて上って行く。途中に採石場があるので、平日は入らない方がよいのだろうか。林道自体は、路面は小石中心の構成で、今までと同じ質である。左側には川が流れており、景観もよいじゃあないか。この林道郡にはカーブミラーが設置されていて、安全面にも配慮してあるようだ。軽快にコーナーを抜けていくと、途中にちょっと荒れている路面が出現。おっとっと、ん、一部舗装されているぞ、と思ったらまたダートの戻った。2、3回これを繰り返し、舗装路になったところで、先ほど通過した栃洞金沢線に合流。この栃洞林道は「全線舗装か」という情報がありますが、この部分を見てそのような情報が流布されたものと思います。しかし、安心はできない。というのも中には新しい舗装があったので、舗装化進行中と言った方が良いと思われます。それにしても栃洞林道はかなり走りやすいロングダートで、私の数少ない林道歴の中では超一級と言えよう。

 

6.牛渡林道

 

金沢線を左折して、牛渡橋まで戻ってくる。ここにある分岐点を右に折れ、牛渡林道に進入していく。上り勾配がややきついが、路面は締まっており、苦労することはない。また、出来山登山道という看板もあり、一般の人も来る場所であることを示唆しているようだ。この牛渡林道をさらに上ると3km位でまたT字がある。右折してさらに上ると植林したばかりのハゲ山を抜けて4km程で行き止まり。景色がよく、飛行機がすぐ上を飛んでいて手を振りたいくらいです。標高は1100m弱と推定できます。幕営にもよいのでは?眼下には東海自然歩道と思われる道筋が見えます。
もと来た道を戻り、先ほどのT字そのまま進行。舗装してあり、KXXIの管理地とやらで行き止まり。徒歩用の登山道が左手にあることを確認。またまたもと来た道を下り、再び金沢線へ合流。右折して滝洞林道を目指すこととしよう。

 

7.滝洞林道

 

金沢線のやや荒れた箇所を慎重に通過し、三本の分岐がある交差点に繋がる一番左の道へ下りていく。鋭角に曲がるのでやや怖い。これが滝洞林道だ。この林道も良く整備されており、初心者の管理人でも非常に走りやすい。展望は全くないが、マイナスイオン出まくりという雰囲気だ。支線も無く迷うことも無かろうと思う。滝洞林道の終点のゲートを開けて、一度退出する。このゲートは比較的新しいもので一番頑丈そうだが、錠前の番号は同じだ。なにやら看板に書いてある。要約すると「熊の目撃があり、危ないから勝手に入るな」ということであった。しばらく走るとまた同じタイプのゲートがある。よほど中に入れたくないらしい。熊が人を襲ったのであろうか。

 

8.鰻沢林道

 

国道420号線に出て左に折れ、さらに新段度トンネルの手前にある旧道に入るので右折する。今度は鰻沢林道だ。この沢は鰻がとれるのであろうか。鰻ってこんな山の中で獲れるものなのだろうか。おそらくこのうねった沢の形が鰻のようだといういみだろう。ここにもゲートがあるが、心配はいらない。左側にすり抜けできる穴が開いているからだ。もっとも錠前の番号も同じだし。今回は左をすり抜けるテストをしてみる。有刺鉄線があるので、パンクや服を引っ掛けないように注意しなければならない。上手いこと進入して、走行開始。この林道も滝洞林道と同じで整備が行き届いている。初心者にも安心の林道だ。

 

9.藤立林道

 

何度も出てくる金沢線に合流して、今度は藤立林道を下る。ここも先例通りに素晴しい林道だ。支線があるが結局本線に合流している。いわばバイパス路というわけだ。栃洞林道と同じようなゲートで終点。面倒なので、再びピストンで藤立林道を上っていく。完抜林道をピストンで戻るとはなかなかの贅沢だ。もっとも上りの方が安心してスロットルを開けていけるので、楽しみも倍増だ。この後は、栃洞金沢線を戻って、最初の入り口から退出して終了とあいなった。

 

10.まとめ

 

この出来山の南斜面に存在する林道郡を全線走破すると、何ともいえない満足感が得られる。展望は乏しいが、路面は文句ないし、安全面も比較的考慮されている。なによりも、何十kmもダートを走り倒せることはそうそうないことなので、非常に楽しい。管理人はわからないが、釣りをすることも可能ではないだろうか。幕営できそうな箇所もある。さらに、ほとんど人がいない。1度KLXの方とすれ違っただけだ。穴場中の穴場と言えよう。ただ、熊の生息が非常に気になることが唯一の不安要素であろうか。