OLD氏林道デビュー

 

2010年2月28日

 

 

栃洞林道西側終点にてOLD氏とDT125R

 

0.OLD氏とは?

 

まずはOLD氏との出会いから。管理人は2007年半ばから、ライディングに必要な基礎体力づくりの為(という名目で、本当は若い女の子に相手にしてもらう為?)に、ジムに通っていることはしばしば本ページにて触れている。これは林道走行を、いや2輪でロングツーリングを楽しむことは一種の「スポーツである」と認識していることに由来する。このページを読まれている、ライダー諸氏ならばご理解いただけると思う。

 

そういう(不純な)動機で、かれこれ3年近くエアロビクスで汗を流しているのだが、OLD氏はそのジムで、監視のアルバイトをしているのだ。もっともそれもこの3月までで、4月からは某社にて社会人である。きちんと就職活動をして、卒業研究も無事終えた氏である。当方のように、名ばかりの卒業とはわけが違うのだよ。よく学力の低下が叫ばれているが、当方と彼をこの点で比べる限りでは、そのようなことは無い様だ。そもそも学力っていう言葉の定義がしっかりと決められていないにもかかわらず、声高にそのようなことを言うこと自体がおかしいのではなかろうか。

 

話を元に戻そう。そのOLD氏は昔から、おぼろげには2輪免許の取得を考えていたそうで、ホンダNS-1を2輪機材として保有している。一方管理人は、通勤とジム通いにKDX125SRを使用している。当然の成り行きで、OLD氏とは2輪絡みの話をよくする。そういうことから、2007年に原点回帰ツーリングと称して、SRX氏、当方と3人で御前崎に出かけたことがある。詳細はリンク先のページをご参照いただくこととしよう。

 

そして氏も、昨年辺りから本気に2輪免許取得を目指すようになり、貯金をして、この冬に普通2輪免許を取得したというわけだ。となると、やはり次は機材の確保である。彼の場合、DT125R (3FW型)を購入したのだが、こちらの車両、実は免許を取得する数ヶ月前に購入していたのだ。順番が違うジャンと言われそうだが、これにも訳がある。この手の車は元々タマ数が少ないし、新車の供給も基本的には無い。さらに昨今、このクラスの市場が活気づいていることから、値段が高騰しているのだ。「もしも本気で探しているなら、見つけたらすぐに買い」ぐらいの勢いがないと、良い機体には巡り合う可能性はかなり低くなる。というところに、氏の友人の父親が所有はしているものの、ほとんど乗らないので処分するという機体があり、「ちょっとまったぁ〜」と直接取引きで手に入れたのだ。

 

色々な経緯があったが、角度を変えて見てみると、当方がそそのかし、氏を2輪の世界に引き込んだということになる。ご家族には申し訳ないというところだが、楽しいものは仕方ない。もちろん、氏も納得の買い物であったことは言うまでもなかろう。

 

さらなる疑問で、なぜ125ccかということであるが、氏は4輪機材としてARTEZZAも所有している。6輪維持は大変ということで、2輪の任意保険が4輪の「ファミリーバイク特約」を利用できる、この排気量に注目したということだ。もっとも、社会人になって、ある程度の貯金ができるようになったら、さらに大きなロード車の購入もあるかも?しれない。

 

1.オフ車を購入したなら林道でしょう

 

そういうわけで、「オフ車を買ったなら林道だろう」と強引な管理人の勧誘により、本日が本格デビューとなったOLD氏であるが、装備品の購入が未だである。しかし、今回はゆっくりと走るということで、以前当方が走行した、初心者向きの林道を繋ぐツーリングへ連れ出すことにする。尚、当方は、今まで林道は単独でしか走行したことがないので、林道走行の先導機長は初めてだ。また、KDXの走行時間も350時間程度であり、その内林道は100時間にも満たない。つまり、管理人にとっても、今回の林道走行は「カワサキ式 DA125型」機長昇格訓練、並びに技量向上訓練の一環であるということになる。常に向上心を持っていないと、バイクは危険ですからね。

 

さて、ツーリングは管理人の勝手な解釈と判断で、9時に当方宅集合とした。しかし、前日の天気予報では午前中は雨で、午後前から晴れと予報されている。さすがに雨の中をツーリングに出かける気は無いので、出発を遅めに変更した。ちょっと残念であったが、丁度免許の更新時期になっていたことを思い出したので、どうせ午前は予定が無いのなら、ここで運転免許試験場へ出かけることにしたのだ。

 

2.免許の更新

 

実は免許更新を理由にして、有給を使って会社をサボろうと画策していたのだが、面倒なことはできるだけ早く済ませたい。一応日曜日でも試験場は開いており、更新は行えるのであるが、猛烈に混雑する。具体的にその状況を説明すると、手数料等の支払いに使用する、証紙を購入する列が150m位になる。いや、これ大げさな表現ではなく、本当なんですよ。そして、窓口の業務開始時刻は8時30分で、その時に最後尾の人が証紙を購入するには1時間近くかかってしまう。これは以前の更新で、管理人が経験してきたことなのだよ。この手のことは、首都圏では当たり前なのかもしれないが、管理人は待つことが嫌いなんだよなぁ。

 

そこで今回は、受付の1時間30分前、7時に試験場へ到着するように自宅を出発。大雨だし、さすがにまだ人は少ないだろうと考えていたが、既に50人以上の人が列になっている。まあ、でもこのくらいなら一番最初の講習に入れてもらえそうだ。そう思って1時間30分ほどラジオを聴いて過ごす。

 

いい加減に疲れてきた頃にやっと窓口が開いて、証紙の販売が始まった。ここでは証紙の「販売」と記載しているが、正式な表記は「売りさばき」である。当然売っている場所は「売りさばき所」だ。かれこれ17年近く前に、自動二輪免許の中型限定解除審査を受けていた頃、「ミワアキヒロ」に似たおばさんが「売りさばいていた」ことを思い出した。この「ミワアキヒロ」というと、ヴァンクーヴァーオリンピックの女子フィギュアスケート銅メダリスト、ロシェットも似ていると専らの噂だ。

 

そんなくだらないことを考えつつ、また居眠りも交えながら講習の時間を過ごした。だって、講師が何喋ってんだかわからないくらいに早口なんだもん。もちろん、自分で教則等を読んでおいたことは言うまでもない。いつも大切だ思うことは、事故を未然に防ぐにはどう運転するかということだ。これについて常に考えておけば、自らの努力である程度事故に遭う確率を下げることが可能と思われるからだ。怖い映像を見せて、速度を落としましょうとOOの一つ覚えみたいなことでは、あまり意味が無いと思うが。

 

さて、新免許が交付された。今回からはI.C.チップが内臓されたものになったので、1mm弱厚さが増し、本籍の記載欄が空欄となった。因みにこのチップの内容を読み取る機械は、試験場に設置されている。もちろん、帰り際に内容を確かめたいので、この機械を通しておいたことは言うまでもない。

 

3.集合〜下山のコンビニ

 

免許更新を終えて帰宅する時間になると、すっかり空は晴れ渡っていた。朝出かける時は土砂降りだったのだから、天気の回復はかなり早かったようだ。さて、前日に打ち合わせた予定通り、やや大人しい排気音と共にOLD氏の登場だ。KDXと同じ排気量で、同様なスペックのエンジンだが、ライダーが感ずるものは随分と違う。これについては後ほど述べよう。

 

さて、天気が回復してよかったと喜び、早速本日のフライトプランを提出、承認を受ける。まずは下山のサークルKまで、ロード走行だ。ここは順当に国道153号線から301号線で「卵子あります」や「洋館」、「オオクワ301」、W氏の家の前を通過していく。「卵子あります」の看板はだいぶ欠けが多くなったようだが、気のせいだろうか。W氏、コメントをお願いします。

 

さらに松平地区を進んで「オギュー城」を右に見て、小さい峠のワインディング区間へ入っていく。前走車がゆっくり走ってくれるので、乾き切っていない部分の路面でも気を遣うことはない。あっけなく峠を越え、ひとまず根崎のサークルKに到着した。

 

下山のサークルKにてOLD氏

(後方にレストランふるーる)

 

時刻は丁度12時頃なので、軽く食事を取ることにする。時間と金があればふるーるで食事したいが、今回はパス。また、林道区間は店が無いので、水と飴を購入しておく。ここは色々なライダーが集う場所で、結構な確率で珍しいバイクに遭遇することができるのだが、今回はSRX-6を発見。丁度出発するところであったが、ライダーは団塊の世代と思われた。

 

パンをかじりながら、今後のプランを確認しておく。ここから県道363号線で三河湖まで行き、エス小屋2号線、そして県道337号線、35号線、国道420号線と繋いでいくのだが、この間ダートはエス小屋2号線の約5km程だ。とりあえず走ってみて、行けそうだったら出来山越えの栃洞林道へ向かおう。全く関係ないが、エム小屋線は存在しない。そんな小屋があったらちょっと怖い。当方はそういう趣味は無いと一応弁解しておこう。

 

4.コンビニ〜エス小屋2号線〜国道420号線

 

いよいよ林道へ向けて出発だ。その前に、まだ10km近くはロードを走行する必要がある。三河湖までの県道は大したことはないが、そこからエス小屋2号線までの細い道が大変であった。杉の葉が落ちていて、今朝の大雨の影響からだろう。側面からジャンジャカと水が湧いてきている。こりゃ未舗装路よりもズルズルで、危険な状態だ。勾配もきつい。

 

慎重に走行していたが、前走車に追いついてしまった。といってもこんな状態なので、後ろについてトロトロと走行を続けていく。すると、前走のアウトランダーが林道入り口の膨らみに入って道を譲ってくれた。でも俺達はその林道に入るんですよ。そう思い、右折していよいよダート路に入っていく。

 

最初に記したように、当方久々の林道の上、先導機長は初めてだ。慎重に林道を駆け上がっていく。雨の影響で路面状況の悪化を心配していたが、雨溝の形成はそれほどでもない。いや、踏み固められて締まった路面が雨で湿って、かえってブロックタイヤの食いつきが良いくらいだ。多少のぬかるみがあっただけで、頂上付近に到着。ひとまず休憩とする。

 

エス小屋2号線にてOLD氏

 

OLD氏には申し訳ないが、管理人としては氏が苦戦すると予想していたので、氏がきちんと後をついて来て、「いやぁ、メチャメチャ楽しいですよ」と笑顔で感想を述べた時は、正直驚いた。というのも、当方がKDXを購入して林道を走り始めた頃は、まっすぐ走ることもひと苦労だったからだ。1回のツーリング中に2、3回は転んでいたこともあったので、この余裕の発言には末恐ろしいものを感ずる。当方のみでなく、本人も今後の技量向上が楽しみなのではなかろうか。

 

さて、ここからは下りが中心となる。ロードでも同じだが、上りは多少速度が出すぎても、アクセルを戻せば速度は落ちる。もちろん開けている間は、車体が比較的安定するので走りやすい。しかし、下りは速度に気をつけながらスロットルを操作しないといけないし、速度が出すぎたとブレーキをいつも通りにかけていてはタイヤがすくわれて、即転倒だ。特にフロントブレーキのかけ方に気を遣う。この辺りをOLD氏はどのように対処してくるか、また転倒して置いてけぼりにしないようにミラーを確認して走行をしていく。

 

同林道のこの区間は、前半よりも少し路面状況が悪い。というのも、水が流れた後に形成される縦溝がちょくちょく現れるからだ。こういう溝に対しては、ある程度の角度で乗り越えるように車体をもってくれば問題は無い。もちろん、この際にはスロットルをあおりながら、勢いをつけることが肝要である。尚、間違って、縦溝にタイヤがはまった場合、ハンドルが振られないようにがっちりと抑えて、乗り越えるしかなかろう。

 

言葉にしてみりゃこんなところだが、実際に走行するとなると簡単ではない。路面の突き上げやタイヤの細かい滑りに対処しつつ、スロットルやブレーキを操作するにはそれなりの練習が必要だ。

 

「お〜、OLD氏は多少遅れてはいるが、確実に悪路を走破しているぞ」と偉そうに関心しつつ、エス小屋2号線も終わりに近くなった頃に「でかい水溜り」が現れた。とっさに回避スペースを探すが、道全体に広がっているので、突っ切るしかなさそうだ。スロットルオープンかつ、リアブレーキ引きずりでスプラッシュ!!。「あっ」と一瞬前輪がとられたが、なんとか通過。即座にミラーでOLD氏の姿を確認して、水溜り通過の様子を確認すると・・・、足を上げて器用に通過した模様だ。

 

こうしてダート路が終了し、県道337号などのワインディングを通り、鳴沢滝で国道420号線と合流。ここで少し休息する。

 

OLD氏に走行時の様子を尋ねてみると、件のスプラッシュの時に相当足が濡れたらしい。というのも、氏のブーツは一般用途なので、前が開いていることが要因だろう。また、フロントタイヤをとられて、危ないことがあったとも告白していた。この時はとっさに足を出して、路面を蹴り飛ばしたということだ。初めてでそこまでやれたとは、当方なら間違いなく転倒だ。どうやら根本的に氏の方が上手いらしい。さすが・・・。ところで、余談ではあるが、スプラッシュや足出しの際に、オフブーツは有効だ。前面は防水になっているし、底は硬い。おまけにつま先には鉄板がついている。OLD氏にも、今後金が貯まったら、購入をおすすめしておいた。

 

5.国道420号線〜栃洞林道(西川林道交差点まで)

 

一旦装備の乱れを整え、いよいよ本日のメイン・エベントである出来山を南から北へ越える、栃洞林道へ向かう。ひとまずは国道420号線を当貝津川沿いにheading270から300で走行、ホソノ地区で右折して、採石場を越えると栃洞林道の入り口である。

 

栃洞林道入り口にて

 

入り口でちょいと小細工をして栃洞林道に進入するのだが、その前にOLD氏に「右カーブには特に注意して、沢に落ちないように」と念を押しておいた。ロープは持ってませんから。いや、その前に怪我しては話にならない。

 

同林道をズンズンと登っていく。何度かこのページでもリポートしているように、この付近の栃洞林道を含めた林道群は、きちんと路面が整備されており、また勾配もそれほどではないので、非常に走りやすい。ちょっとカーブがきついところがあることだけが難点のど飴だ。しかし、そうは言っても、今朝の大雨の影響は多分にあったようだ。全体に湧き水の川ができており、カーブにある排水溝付近には水溜りができている部分もある。

そんな感じで、本日の路面状況を確認し終えたので、少しペースを上げていく。こうなってくると機長昇格訓練中とはいえ、当方の方が少し飛行時間が多いので、OLD氏を引き離し始める。直線では50km/h程まで速度を上ゲ、布土、河和口、コーナーでは着座位置を目一杯前にし、かつ、リーンアウトで車体を傾ける。速度が出ていなければうまくタイヤがグリップするが、ちょっと頑張って進入速度が速いと前輪、後輪がズルズルと滑り出す。それでもアクセルを開けていくと姿勢が安定し、バンクを戻せば加速体勢に入ることができる。

 

さて、長い直線でOLD氏の状況を確認しようとミラーを見る。おや、DTの姿が見えないぞ、一応面目は保ったか、いやいや、転倒していないだろうな。心配していると、カーブの向こうからDTの特徴的なでかいライトが見えた。

 

こうして10km近くダートを駆け抜けてきたところで、段戸湖方面から繋がる西川林道との交差点へぶつかる。やれやれ、息も上がってきたので一休みしよう。KDXを停めて、水分補給の準備をしようとしていたところへOLD氏も到着。

 

「どうだった」と尋ねたら、またまた「いやぁ〜、楽しいッスヨ。こりゃハマリそうです」とかなりお気に入りのようだ。そんなに楽しんでもらえているのなら、こちらも嬉しい。無理しないで、2輪生活を楽しんでもらいたいものだ。

 

 

分岐点にて、OLD氏とDT

 

6.栃洞林道〜牛渡林道(上り)

 

小休止の後、今度は牛渡林道へと繋いで、終点の1087m付近を目指す。ここから暫くはどちらかというと平坦な道が続き、牛渡林道入り口付近で少し急なカーブが連続するようになる。比較的安全な区間なので、マシンを交換することにした。

 

どれどれ、バッテリー交換をしてからDTはかなり調子が良くなったということなので、その効果を一度実感してみたいし、DTの走破性と快適性の確認もしてみたい。ということでセルでエンジン始動。吹け上がり自体はKDXの方が鋭いのかもしれないが、DTの方が振動も少なく穏やかな反応である。ダート走行ならば断然DTの勝ちである。ちょっと走り出してみると、コーナーでの挙動も実にゆっくりだ。ということは、制御が楽ということなので、当然疲労は少ない。これはDTがバックボーンタイプフレームであり、正立フォークを採用していることが大きな要因だろう。エンジンについては、ポートタイミングなどのセッティングが違いがこの差を生み出していると思われる。

 

さて、人のマシンであり、少々疲れてきており、またOLD氏を置いていかないようにするためにも、ゆっくりとした速度で車輪を進めていく。やはりまだまだ初春ということもあり、木々は枯れたようになっている。しかし、あと一ヶ月もすれば新緑の道になり、良い景色になることだろう。

 

そんなことを考え、以前調査した支線との分岐点を通過。あれからどのくらい工事がすすんだのであろうか。気になるところであるが、今日はこのまま本線を行く。そして作業小屋を通過し、牛渡橋の手前から右へ折れる道が現れる。これが牛渡林道であるが、その周辺にも2、3本支線がつくられている。こちらはどうなっているのかわからないので、後日調査が必要か?

 

その牛渡林道へ入ると、路面状況は一転する。結構な勾配で上り始めるのだが、そこには最近の雨で形成されたと思われる溝が縦横に走っている。「これは逃げ場がないな」と判断して、できるだけ浅い溝を選び、かつ角度をつけて乗り越えていく。すると、かなり地面が柔らかいようで、ハンドルがとられ気味になる。そこを無理やり保持して、なんとか車輪を進めることができたのだが、OLD氏は大丈夫だろうか。ミラーで確認してみると、案の定苦戦しているが、危なげなく通過している。これなら大丈夫だ、ドンドコ進んで行こう。

 

それにしてもここはあまり人が入って来ない道のようだ。水溜りは多いし、人間大の落石もゴロゴロしている。その落石で一箇所、2輪でなければ通過不可能と思われる地点もあった。しかもぬかるんでいる。OLDは大丈夫だろうか。暫く待っていると、涼しい顔で現れた。よっしゃ、頂上は近いぞとペースを上げて、植林したばかりの杉が並ぶ尾根をさらに上っていく。すると、キャンプをしたような跡が残る終点に到着した。

 

牛渡林道の終点にて、OLD氏(左)と管理人(右)

 

この終点はちょっとした広場になっており、3人程度の幕営が可能だ。またさらに奥には小さな沢が流れており、水も沸かせば調達できそうだ。さて、やはり同じことを考える人がいるようで、ここには一斗缶が転がっており、燃えカスや未使用の薪、おまけにコンロのガスカートリッジまで。ちょっと、これはダメでしょう。使用したらキチンと持ち帰らなくては。こういうことをするから、林道にゲートが新設されたりするんじゃあなかろうか。自分で自分の首を絞めるとはこのことだ。

 

それはともかく、東側は開けており、見晴らしは良い。心なしか飛行機も近くを行くように見える。ところで、OLD氏によるKDXの感想であるが、「KDXの方が疲れなく、安心できる。しかし、エンジンが急かしてくる」ということであった。疲労については、これはタイヤがまだ新しいことと、サスペンションのストロークが長いことによるものと思われ、距離が長くなるにつれて疲労度に差がつくことだろう。エンジンについてはまったくその通りで、吹け上がりが鋭い分、ギアチェンジも急がしい。そのギアも変速比が接近しているからね。やっぱりツーリングにはDTがいいよ。

 

7.牛渡林道(下り)〜栃洞林道終点〜帰宅

 

さて、ひとしきり景色を楽しんだので、今来た牛渡林道をピストンで下ろう。前述の落石や水溜りを超えて、牛渡橋手前まで下りてくるのだが、気を抜いてしまい、最後にある縦溝にはまってしまった。これはまずいなと思ったが、なんとかスロットル一発で乗り越えることができた。OLD氏の前でコケたら恥ずかしいもんなぁ。ところで、そのOLD氏は慎重に走行してきており、難なくクリアしていた。

 

この後は再び栃洞林道に戻り、さらに西へと走行していく。ここからはちょっときついカーブと勾配が続いていく。おおっと、落石もあるよぉ〜。しかし、このあたりまで来るとかなり林道の感覚が戻ってきて、やや深めに車体をバンクできるようになってきた。タイヤズルズルでも結構行けちゃうし、わざとパワースライドなんかも交えられるようになってきた。しかし、ここでいい気になってはならない。乗れている時こそ慎重に。

 

途中一箇所、見晴らしの良い場所で一服する。林道でもできればこういう見晴らしの良い場所が多いとありがたい。やはり疲労を癒す休息には良い見晴らしは欠かせない。そして、ここでOLD氏に本リポートのネタつくりに協力していただいた。氏の走行の様子を撮影するというもので、もちろんリポートの1コマとして採用する条件付だ。そういうことならと、OLD氏。はりきって走行しておりましたよ。下の写真はその時のものだ。

 

OLD氏頑張っております

 

 

こうして、また再び走行を再開する。現在位置は栃洞林道の西側区間であるが、地図上では鰻沢林道分岐点から出来山山頂付近で、道が途絶えている。そして暫くの空白の後、西側に栃洞金澤線が現れるのだが、現在は開通している。どうやらここ数年で開通したようなのであるが、これは実際に、出来山の頂上から下る区間が新しく見える、という事実で感ずることができる。そして、この新開通区間は見晴らしが良い場所もあるので、休息ポイントにもなろう。次回はこの辺りで食事してもよいのではないだろうか。

 

こうして無事に栃洞林道の西側終点に到着。そしてこの後、林道よりも危険と思われる濡れた舗装路を慎重に走り、帰宅できた。

 

8.まとめ

 

気がついてみれば、OLD氏、当方共に無転倒で帰還できた。当方は一応経験者なので、当たり前だが、氏の無転倒はとても立派なことだと思う。今後の活躍に期待しよう。

 

さて、林道は時間と共に路面状況が変わってしまうが、今日走った林道に関してはそういうことは少ないように思われる。この西三河地区は比較的地盤が堅いのであろうか。

 

いずれにしてもお疲れ様でした。

本日の走行 160km