外車の販売

(BMWの販売店を訪ねてみた感想から)

 

2008/02/24

 

0.外車の最右翼メーカー BMWについて

 

BMWといえば、ドイツのメーカーであることは良く知られている。四輪生産のみならず、二輪車、さらには飛行機用ターボファンエンジンであるRBシリーズにも関係を持っている(B-717、古くはL-1011とかね)。敢えて日本のメーカーで探してみると、ホンダがちょっと近いかもしれないか。二輪車、四輪車、耕運機、発電機、小型ジェット機と幅広い製品ラインナップを誇っているからだ。全く関係ないけど、トヨタがLEXUSブランドを立ち上げてみたり、F-1に参戦してみたり、果てはLS(旧セルシオ)のエンジンを流用して飛行機つくろうとしても、何か物足りない、中途半端、商売根性丸見えであると感ずるに至るその訳は、「BMWのようなメーカー」が存在するからだろう。結局前出のブランドは輸出車市場の活性化に貢献するという皮肉な状況を作り出した。

 

1.BMWの二輪車

 

日本において、BMWの二輪車はその存在すらあまり知られていないようだ。ツーリングに出かけてBMW車の傍に駐車し、一息ついていると、しばしばこんな会話を耳にする。A:「おい、見てみろよ、でかいバイクがたくさん停まってるぞ」、B:「ほんとだなぁ、BMWってかいてあるなぁ、BMWってオートバイもつくっているのか?」、A:「知らないなぁ、こっちのバイクはホンダの1000ccだぞ。キックは無いのか?バッテリー上がったらどうなるんだ??」。と会話は続いていく。

私だって、そんなに知っている方でもないのだが、知っていることを簡単に述べよう。

エンジンは主に、ボクサーツインのRシリーズ、直列(並列)4気筒のKシリーズ、そして単気筒のGシリーズ、2気筒のFシリーズに分類される。詳細はもうわからないが、ややオフ寄り、オン寄り、スポーツ寄り、ツーリング寄りの味付けによって、さらに機種分類されるようだ。ヘッドに関しては、Rシリーズは機構の差はあるがOHV、K、FはDOHCということになる。個人的にはボクサーツイン=BMWイメージリーダーと認識しているが、最近のオートバイ事情、つまり4気筒の最高出力重視の風潮からKシリーズもかなり力が入っているように思われる。このKシリーズの動弁機構はDOHCであり、F-1直系のそれであるらしい。バルブの挟み角が相当に狭くなっていることが特徴である。現代のF-1は最高回転数はリミッターがないとすれば、20,000r.p.m.以上は回るらしいので、期待の持てるエンジンと言えよう。ただ、上級者向けのエンジンであることは間違いなさそうだ。そう考えるとやはり、公道ではボクサーツインが面白そうだ。事実、BMW2輪の屋台骨を支えてい機種はRシリーズのGSである。

車体構成に話を移してみよう。特徴的なRシリーズに話を絞ってみると、緩衝装置が独特だ。フロントはテレレバーと呼ばれる3角形のアームを介して通常のリアサスのようなユニットが装着されており、リアのパラレバーはドライブシャフト方式の駆動系をコンパクトに収め、トルクリアクションを押さえるというものだ。フレームにしても日本車のような図太い桁を待たず、細めのパイプフレームを基本にした簡素なものだ。BMW車のフレームはあまりにも目立たない。エンジンの周りにパイプが縛り付けてあるという感じだ。前述のフロント緩衝装置は、エンジンそのものに取り付けてある印象を受ける。日本車以上に、エンジンは剛性部材の一部としての役割を担っているようだ。G、F、Kシリーズはやや日本車的な構成に近いと思われる。

駆動系は縦置きエンジンの利を活かしたドライブシャフト駆動だ。ただ、自在繋ぎが二箇所に配してあり、ホイールトラベルが大きくとれ、結果乗り心地や、タイヤの路面追従性を向上させている。当然、チェーン駆動のような煩雑なメンテナンスは不要だ。ただ、乗りっぱなしで壊すと高くつきそうだな。

 

2.実車を見てきました

 

この程度の予備知識をもって、近所のディーラーへ出向いた。実は別冊のモーサイに特集があったので、実車を見たかったというミーハー根性で出かけたんですけどね。

ここは某モータースがBMWの看板を出している店で、中身は某モータースの雰囲気を残しているのかどうか、という点に興味を持っていた。TDMで出かけ、店に入ってみた。ここで感じたことは、4輪で来店している人が多いということだ。しかも高そうなT車で。奥にある従業員用の車は小型車である。どうやら給料はかなり安いと見た。話は逸れるが、私も某イタリア車の店で働いたことがある。年収250万くらいだったと思う。生活できませんよ。

店は小奇麗ないい感じだ。店員もてきぱきと仕事をしている。来店客が多く、私はこれ幸いと自由に車両を見ていた。F650GS、R1250GSアドベンチャー、ノーマルR1250GSが展示してある。結局F以外は展示してあるようだ。。どうやら売れ線のみを展示しているらしい。客層は20代と思しき方と50過ぎと思われる方。後者の方はRを熱心に見ておられた。足つきはどうなのか。興味深々でみていると、案の定、ローシートを薦められた。このローシートはどうもおかしいと思う。これだけで、設計者の意図を50%は踏みにじっているように感ずるからだ。本来、膝の曲がりを少なくするために、敢えて少し高めの、かつ快適性を考慮した肉厚にしているはずであるが、ローシートはそれに真っ向から挑戦している。そこまでボクサーにこだわっているということなのか。それというのも、ボクサーエンジンは中間排気量を持たないからだ。どうしてもボクサーというならば、店員も「ボクサーエンジンは幅はともかく、重心位置に関しては、ほぼ車体のロール軸と一致するという極めて低い場所にある。跨ってみると以外にも軽く感ずる理由はそこにあるようだ」というくらいの説明はした方が良い商売と思う。BMW車の特徴をもっと示していくべきだろうという考えはおせっかいだろうか。

私のところにも店員がやってきた。はっきりと見ているだけだと宣言したが、いろいろと質問されたので、こちらも質問してみた。手始めにハンドルバーはアルミかと聞いてみると、調べないと解らないということだった。おそらくアルミの鋳造と思われた。というのも、叩いてみると音が軽いし、鋳肌がそれっぽいからだ。どうやらこの質問は接客マニュアルには無いようだ。トップケースはここに取り付けられると言われたが、私はトップケースはいらないと言うと、パワーが前モデルに比べ5馬力上がったときた。発生回転数と、トルクはどうなったと聞くと、調べますということで、トルクアップし、発生回転数は云々・・・、と答えた。ここで考える必要があることは、BMWのR/GSに全開時の最高出力なんて説明が必要かどうかだ。ツーリングの道具に徹するというBMWの回答なのであるから、むしろ2500r.p.m.でのトルクが2割も増えましたとか言う方がまだ旨い説明と思うのは私だけか。日本車の1000ccスーパースポーツでは前者の説明の方が、必要な説明と思う。販売員のレベルを、少しこの辺りで疑いたくなる。

もっとも、この手の店の店員は、お世辞にも金を持っているとは言えないことが多い。ということはBMW車に乗った経験はあまり無いと考える方が普通だ。よって、国産車を売る文句をBMW車に置き換えて言っているだけなのかもしれない。あるいは、強引に62回ローンとか組んで、食べ物も買えないで乗る方も居られるかもしれない。買ったはよいが、乗る金がないのでやはり同様か。世の中の縮図はどこ行っても同じなんだなぁとかんじてしまった。

 

戯言でした。

 

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