自動二輪免許 中型限定解除記

 

平針運転免許試験場の2輪用コースにて

 

0.はじめに

 

自動二輪免許といえば、「普通と大型に決まってるジャン」と言うお方、お若いですねぇ。少なくとも30歳前と思います。管理人は1973年型ですから、2008年1月現在で34歳と10ヶ月である。我々の世代にとっては、自動二輪免許は「中型、限定解除」なのである。つまり、管理人の若かりし頃は、自動二輪免許が「小型限定(排気量125ccまで)、中型限定(排気量400ccまで)、限定なし(400ccを超えるもの)」の3つに区分されていたわけで、その中型の限定を外すことを狭義な意味で限定解除と呼んでいた。最近は限定解除っていうと、中型自動車の8トン限定解除が流行だろう。もっとも、マニアな人なら普通免許のAT限定解除なんていうのもアリか。

 

ともかく、各都道府県の公安委員会発行の運転免許で、「〜限定」っていう限定を外すことを限定解除って本来は言うんだね。それが時代毎に流行というか、特定の限定を解除する人数が多い場合に、限定解除という言葉がある特定の限定を解除することと同義に用いられる現象があるわけだ。

 

そういう背景をおさえた上で、1990年代前半の日本の公道二輪交通を思い出してみる。管理人が原付免許を取得したのは1991年の2月末であるが、当時街中にはNSRやTZR、RGVγなどの2ストロークレーサーレプリカが溢れていた。それに混ざって、ゼファーなどの「ネイキッド」と称される新世代?のバイクが増え始めていた。おりしもバブル景気末期で、成金的なドイツ車、イタリア車に乗る、立ちゴケ寸前のオッサンもチラホラ。そういった変化を感じつつ、予備校、大学と進学した管理人は二輪趣味という奈落の底へ落ちつつ、中型、中型限定解除と歩を進めていった。

 

1.中型と限定解除

 

現在の普通二輪免許を過去の中型限定免許に例えると、限定なしの免許は大型免許に当たる。もちろん両方とも公安委員会が認可した自動車学校で実技試験を受け、合格すれば、試験場では筆記試験、若しくは他に4輪免許を受けているならば、試験免除で2輪免許が受けられる。ところが、当時は中型限定を解除するには、一部を除き試験場実技試験(限定解除審査というらしい)を受ける以外に選択肢が存在しなかったのだ。管理人は当時、暇な学生であったのでよかったが、仕事のある方などは休暇を取得して試験場に来ていたようだ。もちろん試験は平日の昼間しか行われていなかった。自動車学校は大抵平日、休日を問わず、昼間なら営業している。この段階で、限定解除しようとする人がかなり絞られていたようだ。

 

さらに、その難関を克服して、試験場に来ることができたとしよう。当然試験に合格するためには練習をしていないといけない。試験なんて受け続ければ受かるんじゃあない?と思いたいが、排気量400佞鯆兇┐襯ートバイは、予想を超えるトルクと重さに悩まされる。さらに、管理人が住む住所の管轄試験場はRC37のVFR750Kを試験車としており、そのスロットルレスポンスが鋭すぎ、16インチホイールの為ハンドルが切れ込む、しっくりこないアップハンドル、という扱いにくい車両であった。これは恐らく、当時ホンダのレーサーが直4からV4へ移行しており、その流れを汲んだエンジンであったこと、そして軸間距離を詰めるためにエンジンをやや後方へ搭載、結果前輪過重が少ない設定になった結果と推測されよう。

 

 これが魅惑のVFR750K。試験車には色とりどりのランプが取り付けられる。

 

ところで、練習なしで試験場に挑むことはかなりの困難が予想される。というわけで、非公認練習場で練習することになる。こちらは休日も営業しているが、普段仕事をされている方ならば、休みたいところをバイクの練習に出かけるわけだ。当然金もかかる。ここでさらに絞り込まれよう。

ここまでの障害を乗り越え、やっと限定解除に取り組むわけだが今度はやるべきことが多い。こう言ってはなんだが、自動車学校の試験は「受からせる」ための試験だろうが、試験場のそれは「やれることができてないと通してやらない」試験であると感じた。逆に言えば、「やるべきことができていれば通してやろう」というものと思われる。ともかく、要求されるレベルは練習をしていないと恐らく合格は難しい。

 

それらを全て通過したらやっと審査に合格となるわけだ。ところで、管理人の住む県の試験場では、審査が一番難しいという噂がまことしやかにささやかれていた。確かに、合格率で考えると、一度の審査では30人程度が受験するが、合格する人は1人か2人、多くて3人というところだろう。1割合格なら「多い」ということになる。その数字が一人歩きした結果、「この県では合格できない」、「絶対に無理な話だ」という評判になっていたと思われる。

 

まとめよう。現在の「普通」と「大型」の関係と「中型限定」と「限定なし」ではかなりの差があると感じるわけである。もちろん、時代背景が異なるもの同士を比較すること自体が意味を成さないわけだが、ここでは例え話として利用させてもらった。

 

2.料金は

 

管理人が限定解除したのは今を遡ること13年、1995年、11月5日(金)の第3回目の審査であった。管理人は某自動車会社の本社がある市の練習所に通った。確か43時間練習したと思う。料金であるが、入校料と15時間までの料金として5万円位、その後16時間目〜39時間までは1時間3100円、40回目以降は2100円であったとキヲクしている。審査合格までに43時間通ったということは、おおよそ12万円かかったことになろう。さらに、試験場での審査を4回受験している。これとて金がかかる。受験料と試験車使用料で1回3000円位は払っていたと思う。7月末から11月初旬までの時間を要しているわけだから、なかなか気合の入ったことをしていたと、我ながらに驚いてしまう。

因みに、現在自動車学校において大型自動二輪免許を取得使用とした場合、普通二輪免許(MT)を既に受けているならば、およそ10万かかるらしい。教習時間は12時間だそうだ。

 

3.審査

 

試験場のコースは大抵2種類用意されており当日発表となるが、管理人が審査を受けた試験場では1つのコースのみしか使用されていなかった。また、通例では4輪と2輪は混合交通の状態で審査が行われるが、私の場合は別々に専用のコースがあったことを付け加えておこう。これは2輪コースが異常に狭いことを意味していた。ここからも管理人の県の試験場における審査が厳しかったことを、今更ながらに感じるのであった。

次に、工程別に審査内容を振り返ってみる。

 

 

試験場の二輪審査コース

 

3.1.乗車前

 

審査は当日の受付順に行われる。但し注意するべくは、2台の車両を用いるということだ。つまり、当日の受付順で、ある一定の順番の人からは2号車での試験となる。つまり、1番の人が2名存在するわけだ。

 

試験官の呼び出しで、該当受験番号の人の審査が始まる。礼儀は試験項目に無いが、一般人として試験を受けるわけだから一定の礼儀は必要だ。具体的には、一礼する程度で問題なし。服装については、、省きましょう。次に車両周りの状況を確認して、バイクに跨る。

 

3.2.乗車から発進( 

 

.ア位置が中立であることを確認して、クラッチを握りエンジン始動。ミラー位置を調整し、前後のウインカーが点滅しているか、ブレーキランプが点灯するか確認後、さらにギアを1速に入れ、クラッチのミートポイントを探っておくことが重要である。この時にやたらとスロットルを開ける人は印象が悪いことは言うまでもない。そして試験官の合図で発進。あ、発進前にはもう一度周囲の安全を確認していること。

 

3.3.コースへ(◆

 

停車場からコースへ合流する際には、当然確認。ただ頭を振るだけでは×。他の車両が走ってくる方向を見るべし。停車場とコースの交差点は、右を見る場合はほぼ後方、逆に左は少しだけ目線の角度が変わればよい。合流したら一気に加速する。試験にはメリハリが大事だ。メリハリの無い運転は「乗れていない」という評価で、減点対象だ。△いなり障害物が左方にあるので、進路変更。ウインカーは合流時から点滅させておく。ご存知であることと思うが、進路変更の場合、3秒前からウインカーを点滅、30m手前で進路を変えることになる。障害物を越えるといきなり直線だが、ここは60km/hまで加速する。直線の終わりには右折ポイントがある。ん、ちょっと待てよ。時速60kmだと秒速16.7m。3秒で約50m。その30m先に交差点がないといかん。80m前から準備するってことは、直線の入り口でウインカー出すってことかよ。忙しいな。

 

3.4.踏み切りから鋭角左折(、ぁ

 

忙しく右折したら、ひとつ交差点を越えてFГ濱擇蠅ある。左右確認は事前に1回、その場で1回、計2回をしている必要がある。その場に来て確認していては遅いので、右折後直ちに確認する訳だが、当然頭を適切な角度に振っていないといけない。

 

踏み切りは一旦停止、左右確認、後方確認、発進、もちろんギアチェンジ無し、スロットル一定、通過、事前に左右確認、交差点で左右確認、そしてぞ紊蠅留坡兀言沺すかさずギアを2速、思い切ってバンクし、矢継ぎ早に半クラッチを当てる。スロットルの開けすぎは、審査に禁物だが、思い切って開けていないと簡単にエンストしてしまう。

 

3.5.左折からスラローム(ァ

 

上りの鋭角左折を終えるとすぐに左折、交差点通過が控える。踏み切り直後から左ウインカーは点灯しっ放しであることは言うまでもない。左折は下りを伴っており、やや腰を引いてウインカー消灯、と同時にお決まりの事前左右確認。そして、またもや事前左右確認後、黄色点滅信号の交差点通過、そしてゥ好薀蹇璽爐待っている。スラロームは右方から進入するが、もう一本手前にパイロンを仮想し、やや左に車両を一回振ってから進入。目線は常に2工程先へ。ということは、1本目のスラロームを後輪で巻き込むように通過している時、3本目の進入ポイントを見ている計算だ。右から左、逆も然りだが、車体を切り返す瞬間ににクラッチを切って、バンク時にアクセルオンとハンクラ。ここでクラッチのミートポイントを探っておいた成果が出てくる。というのも、おいしいハンクラでないと転倒、もしくはパイロン行き過ぎになってしまうからだ。また、この際、前輪を外側へ押し付けるようにするとフロントフォークが沈んでメリハリが出て、リズムに乗りやすいことを付け加えておこう。

 

パイロン通過後は左ウインカー、左後方確認後、一旦車線左へ寄り、徐行、即座に右ウインカー点滅後、コースで一番北側の交差点を左右確認。頭を振る角度は、左はやや後方、右はやや浅い角度である。右折。

 

3.6.最大の難関、S字、波状路、スタンディング with ハンドル左へフルロック(Α↓А

 

再び外周路の障害物を避けて、直後に右折、8の字コースを右、左、右、とS字形に走り、ニーグリップをきつく、車体を立て、左右確認。切り替えしはスラロームの応用で大丈夫。即座に左ウインカー、左右確認、左折、左折、今度は波状路に備えてスタンディング、クラッチミートポイントを探りつつ、ニーグリップを再度確認する。

 

波状路は中型限定免許取得時には無い項目だ。乗り切るにはカマボコのやや手前でスロットルを開け、ハンクラを当てる。すると安定してそれを乗り越えることができる。目線は常に二つ向こうのカマボコを見ていること。このカマボコであるが、等間隔に並んでいると思いきや、狭い箇所、広い箇所があるので、注意深く通過する必要がある。

 

ファン、ファン、ファンとリズム良く乗り越えつつ、最後の山を後輪が乗り越えたら、ハンドルを左フルロックにしてバランスをとりつつ一本橋の手前で着席、停車、ウインカー消灯。

 

3.7.一本橋から急制動(─↓)

 

一本橋は二輪免許取得にはお馴染みの課題だ。前輪が橋に乗ってから後輪が降りるまで?(だったと思う)10秒以上時間がかかればOKの合図して、というものだ。極端な話で、トライアルをやっている方が前輪だけ橋に乗せて、そのまま10秒間その場でスタンディングで待ち、一気に走り抜けたということがあったと聞いたことがある。

 

一本橋を終えるとすぐ左右確認&左ウインカーを出し、交差点を出るや否やまた確認と、今度は右折。外周路をぐるっと半周回ってきて、発車地点のあたりで急制動。晴れの日は40km/h、路面が濡れていると30km/hの時もあり?だったと思う。ここは試験待ちの人や見物の人がたくさんいるので、失敗するとかっこ悪いの。ズッコケて吹っ飛ばされた人もいたとキヲクしている。因みにエンストは可。止まれないならエンストの方が良いってそりゃそうだ。でも右足はついてはダメ。車輪のロックも禁物であるが、最後の最後に前輪がスキール音を上げる程度のことはOKというか好ましいらしい。タイヤ、ブレーキの性能を使い切っているという評価なのだろう。

 

3.8.タコツボ、クランク、右折してすぐ赤点信号(、、)

 

 その後体勢を立て直して、右折の合図から次の交差点を右折、さらにその次は左折してくる。この間の交差点では、当然今までどおりの事前確認と現場確認をしている必要がある。そして、先程急制動をした辺りにでタコツボに入る。これはS字の変形と考えていく。切り返しはクラッチミートポイント、前輪を押し付ける、スロットルの開度に注意。左、みぎぃ〜、左、とリズムをとり、ニーグリップを強め、右折合図、右折。さらに黄色点滅信号を越え、すぐに右折してクランク。クランクも同様にS字が直角になったと思えば楽勝だ。そして、最後、右折して直ぐに赤点信号がある。ここは右折中に一瞬空吹かしをすると決まる。

 

3.8.そして終了

 

その後、左折して外周を半周、Uターンをして“車地点に戻る。でも気を抜いてはいけない。サイドスタンドを出してエンジン停止、ハンドルをサイドスタンドの方向へ切り、バイクから降りる。おや、バイクを降りてスタンドを出すのではないだろうか、とお思いの方。別に問題はないんですが、バイクは重いので、スタンドを出してから降りた方が安全である。ヘルメットをとり、また一礼。やっとおわり、、ではありません。さらに試験官から講評を頂く。返事は普通に「ハイ」とすれば問題ない。やたらとハキハキしている人がいるが、あれはわざとらしいのでやめた方がよかろうと思ったものだ。

 

4.管理人の場合は?

 

審査の各課題について長々と述べたわけだが、管理人はどのように審査を受けたか。「理想論はわかったから、お前はどうなんだ」という声が聞こえてきそうだ。それについては以下に示すこととしよう。因みに管理人は43回練習所で練習し、4回目の審査で合格した。練習回数は多いが、審査受験回数はさほど多くない。これについては、梅澤氏が「管理人の性格をよくあらわしている」と評したことがある。その通りで、結局納得いくまで練習して、それから審査を受けるという傾向があったのだ。そのように管理人を評した梅澤氏は「本番で練習だ」ということで、練習が18回、試験が7回だったと思う。

 

4.1.事前審査

 

本試験に入る前に事前審査と呼ばれるものがある。自動二輪免許を取得済みの方ならお解りと思うが、8の字にバイクを押して動かし、倒れた車体を起こすという2種類のことを行わなければならない。試験の車両は前出のVFR750Kで、これが750の割には軽い(それでも400よりは重いけど)ので、力を入れすぎて反対側へ倒してしまう方も時々いたようだ。梅澤氏の話では、バトルスーツ(って知ってるかなぁ)でバリバリに決めた方が、「ガシャ、ガシャ」と音を立てて歩いてきて、「ガッシャーーーン」と反対側に倒してしまったそうだ。力入れ過ぎだよあんた。管理人の場合は普通にヨッと起こして、センスタ立てて終了。ご存知の通り、足を転倒車の下に入れて、ハンドルを手前に切り、体全体で持ち上げるのがコツである。バイクに乗っているとよく「こんなの転んだら起こせないでしょう?」と聞かれるが、重量上げでないから大抵の人は大丈夫だよなぁ。8の字も腰を入れて、シートを支えて難なくクリア。これについて、試験官が「あんた腰をバイクに近づけ過ぎだ」と言っていたが、腰を入れた方が安定していて良いと思うが如何に?

 

4.2.第一回目

 

事前審査が終わると本試験の予約を取る。だいたい2週間くらいは先になってしまう。さて、試験当日は時間の1時間前ぐらいに出向いて、受付を済ます。受験は受付順なので、早く終えたい人は早く受付をする方が得策だ。但し、2台の車両を用いるので、当日の受付順で、ある一定の順番の人からは2号車での試験となる。つまり、1番の人が2名存在するわけだ。管理人は丁度1号車の真ん中あたりの順番であった。

 

いよいよ出番だ。一つ一つの動作を丁寧にこなさないといけないが、焦ってしまいどうもしっくりこない。と思っているうちに波状路の出口で玉砕。また次回へ。

 

4.3.第二回目

 

第二回目は良く覚えていない。13年も前のことだし。ただ、完走はできて、試験官からフラツキと動作を丁寧にするという助言を受けたとキヲクしている。

 

4.4.第三回目

 

三回目はまたも焦ってしまい、スラローム3本目でパイロンを引っ掛けて転倒しそうになり、足をついてしまった。構わずに走り続けたら一人の受験者がやってきて、腕でバツ印を出している。やむを得ず発着点に帰還する。このように試験が途中中止になる場合は、管理人が審査を受けた試験場では次の受験者が、試験官の指示で中止を伝えにやってくる。因みに、当日一番早く試験が終わった人は、発車して、外周を周り、右折して踏み切りの所で止められた人がいた。明らかに一度も練習していなさそうな人で、まともにアクセルを開けていなかった。

 

4.5.第四回目(合格)

 

第三回目から一ヶ月くらい空いてしまった、というか空けたという方が正しいだろう。ちょっと嫌気がさしたので、わざと空けてみたのである。そんなわけで上達具合も低迷気味で、やや悶々としていたが、練習場の教官に「もっと思い切って、大きく操作しよう」と助言された。スロットルをやや大きく開けてみたら随分と車体が安定した。なんだ、750のパワーにビビッターが効いていただけだった。ともかく、あまり長期戦にはしたくなかったので復帰してからは毎日練習した。そういう感じで、第4回目はちょっとだけ自信があった。というのも、練習場の校長から「もうすぐ合格しそうだな」とのお墨付きを頂いていたのだ。

 

当日、試験場には3時間以上前に到着した。昼飯を食べ、コースの近くでリラックスして過ごした。さらに、思い切って一番で受付をした。=トップバッターというわけだ。試験が開始された。慎重に乗車、エンジン始動、ミラー調整、ランプ類の確認を行い、発車の合図を待つ。合図を受けて慎重に発車させる。落ち着いて大きく安全確認をアピールする。スロットルは慎重かつ大胆に開けて障害物を通過、裏ストレートでは思い切って加速。右折して踏み切り、鋭角左折はハンクラを長く当てて慎重にクリア。「お、いけそうジャン」と気分よくスラローム。スロットルを開け気味にしているので、安定性もリズムも良い。キッチリ確認して、S字。タイヤを押し付けつつ目線を遠くへっと、ニーグリップ注意、左折、左折と波状路。スラローム同様にリズムが良い。出口でハンドルフルロック、あ、ちょっとフラツイたな。構うもんか。一本橋、急制動、タコツボ、クランクと難なくクリア。先日の教習のアクセル開け気味のアドバイスが効いているようだ。いよいよ、右折すぐの赤点信号。ファン、と空吹かし一発できれいに決まった。残りは発着点に戻るのみ。慎重にUターンを決めて終了。

 

試験官から「どこか気になる点は」と聞かれ、「波状路出口でフラツキました」と答えた。「その他は」とさらに尋ねられたので、「もうちょっとメリハリが必要でしょうか」と言ったら、「そうだな、裏ストレートはもっと加速しないとな。それから急制動はもっと手前で止まって欲しいな。大型に乗るんだったらもっと短く。ごくろうさん」と言われた。「ゴクロウサン???」今までは「頑張ってください」だったのにな。と思って、結果発表を聞いてみると「合格」であった。そういうことだったのね。当日は他に2人の合格者がおり、共に合格を喜び合った。

 

5.まとめ

 

 1993年当時はこんな様子で日々練習したものだったなぁ。文章にしてみると、なんとまあ面倒くさく忙しいことをしていたのであろう。我ながら驚いてしまう。もっとも、山間部のワインディング路ではこれに近いくらいに考えていないと、えらいことになる。「アーモン軍団ってなんだぁ〜」とか考えながら走っていると大爆発してしまうからなぁ。こんなことしなくても公道は走れるだろう、と思われる。ただ、管理人の場合、運転を趣味としているので、こういう経験も振り返ってみるとそれなりに意義があったのかなぁと感じられる。というのは、目線やニーグリップをはじめとした基礎的な事項であるが、それらを徹底的に訓練する機会は意外と得られないからだ。これらをがっちり身につけた上で、中型限定免許取得時では、とりあえず転がせることができれば合格というレベルから、ある程度ライダーが意図的にバイクを操っていくことができるというところまで、技術水準を引き上げるということが限定解除審査の目的であったのではないだろうか。

 

話は逸れるが、上記のように物事の理由を考え、それをまとめ、自分なりの結論を導き出すことは、何かを達成するためには絶対に必要なことと思う。上手くいかない場合は、導き出した結論が違っていると思われるので、また考え直していく。このような試行錯誤の繰り返しは、一見遠まわりに見えるが、実は王道ではないかと考えている。現在の世の中は、いつでも、何でも、好きな時に手軽に何かを得られるようにすることが王道とされている(管理人は世の中コンビ二論と命名している)が(管理人もこの考えを否定する気も無い)、実際にはそういうことだけが王道ではないと思う。時にはアホみたいに同じことを何度も何度も繰り返して、技術を身につけるということも必要な場合があるのだろう。限定解除審査ではおぼろげながらそんな考えに気がついた。これも一種の効用なのだ。

 

ところで、審査の発表と免許上の変化はどうなるのだろうか。限定解除審査ってところがミソである。試験場の狭い待合室の窓口で係員が口頭で発表するだけだ。ミソ、じゃなかったウソ。一生懸命取り組んだ割にはあっけない。「今日の合格者を発表します。あ、今日は多いね、OO番、XX番、△△番、以上。後の方、がんばってください」という具合だ。合格した人はやや遠慮気味に喜ぶことになっている。理由はわからない。不合格の人は審査の受付用用紙を返却してもらって、そのまま予約をとる窓口へ直行する。その素早さときたら火事でもあったのかというくらいのものだ。一方、合格者は免許交付窓口前で免許ができあがるのを待つ。「それでは免許を交付しまぁーす」と係員が出てきて名前を呼ぶ。免許の裏には赤い字で「自二車限定解除」とハンコが押してある。これだけだ。このハンコのために何ヶ月かけ、10万以上の金をかけるのだ。なんかあっけなさすぎ。しかし、合格当日はうれしくて眠れなかった覚えがある。いや、半分泣きそうだったかもしれない。

 

こうして単車の奥深さにはまっていった若き日の管理人であった。

 

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