目線の送り方で走りを考える

 0.はじめに

管理人がよく行く屈曲路には隣県某所YGがある。もちろんそこで腕を磨くといったスピードの技術は追求しない。というか、してはいけない。公道でスピードを追求することは管理人にとっては絶対にしてはならないことのうちの一つだ。本論の目的は「楽しく、かつ安全にライディングするために、いかにして目線を送るかに特化して考えてみる」ことである。ここのところを取り違えないようにしてもらいたい。スピードを追求する方は、このページを読む必要はないし、読んだとしても少しも役に立たないとここに宣言しておく。

 

1.目線の重要性

 

管理人のツーリングリポートに、YSP天白のお客さんとビッグマシン誌スタッフによる伊勢巡りがある。この際に元全日本のワークスライダー難波恭二氏が同行された。そして、伊勢近郊のワインディング路でライテクの解説をしていただいた。この時に如何に自分の目線が近くにあり、かつ送り方が遅いか、ということを思い知った。それから、バイクに乗る度に気をつけている。今回はそのまとめとして、管理人の考えうる、安全マージンを増やす目線の送り方を論じてみようと思った次第だ。このために、10月の某日にYGに出向き、コーナーを撮影した。これをもとに同テーマを考えてみようと思う。また、今回はYGを題材にしてみたが、これは他の場所でも応用が利くものと思われることも付け加えておこう。

 

2.YGの紹介

 

YGのコース図

 

某ページから引用した地図です。湖の北側を通る道路が今回の取材対象です。南側は元気の良い者達が走り回っています。

この湖畔路は道幅は通常よくある幅で、当然エスケイプゾーンはありません。人造湖でありますから、土砂の流入に対して、掘り出してトラックで運搬しております。ということは、路面にバラ撒かれている。砂がある路面がいかに滑りやすいかは、ご承知の通りです。本論は目線の向け方であり、決してスピードの追求でないことをご承知おき願います。

 

3. 実践研究

 

まず、研究方法を示します。本論では、現場で写した写真をもとにして、安全に、楽しく走るにはどうしたらよいかをああだ、こうだと意見を述べることとする。まずはコーナー,ら。

 

 コーナー

 

地図では解りにくいが、実際は一度右に曲がって左コーナーになっている。このような場合はどうするか。センターラインをはみ出して突き切ることもできるが、本論ではセンターラインは超えないことを原則としている。よって、ややセンターライン寄りで右に曲がり、加速状態で真っ直ぐに走るように左を抜けたい。目線は写真の段階で既に次の左コーナーにあると思われる。もっとも、手前のコーナーに入る時に路面状態を確認しておく必要がある。また、このコーナーは先が見えるコーナーであるから、わりと思い切って行ける。まとめると、

 

1:コーナー全体を把握

2:路面状態確認

3:ラインを想定

4:目線を奥の(次の)コーナーへ

 

というところだろう。次に奥の左、コーナー△悵椶蹐Α

 

コーナー

 

次は左のブラインドである。先が見えないから、できるだけ右に寄ってコーナー奥が少しでも見えるよう心がけると共に、しっかり減速しておく必要がある。ラインは、アウト、ややイン寄りセンター、センターと言う具合に決めたい。また、このコースは全体に砂っぽいので、道幅の赤い帯状の部分は注意が必要だ。以上の路面確認、ライン仮想をおこなったら、目線はセンターラインと左の土手からカーブ曲率を計算、コーナーの一番奥へ移す。そして、次のコーナーに備える。この際、目線を移すスピードや判断は自車の車速に合わせること。先行することはさほど問題ないが、遅れは命取りになるので、絶対に自分の能力を超える速度にはしない。

 

左を曲がりきると、

 

 コーナー

 

視界が開けた。どうやら次は右のようだ。言うまでも無いが、視界が開けた時点で、一番奥の右コーナーを見ている。あとはお決まりの、路面確認とラインの仮想だ。路面は先程と変わりないようだ。ラインは、このままイン寄りセンターへもっていく。これだけ視界が開けていればドカンと加速できそうだ。管理人の機材TDMはこういう時に気持ちの良い加速をする。さらに、270度クランクのおかげでトラクション性能が高いのであろうか、タイヤが滑り出す気配はない。おおっと、採砂場があるようだ。路面変化と、輸送トラックには大いに注意を払う必要があるぞ。

 

 コーナー-1

 

 さて、次は右か。採砂場があるということは、路面はかなりスリッピーな可能性がある。ん?奥も右に曲がっている複合コーナーか?緑の木々の隙間からガードレールが見えている。奥は深いぞ。

ご存知かと思うが、複合コーナーは一つのコーナーとみなし、奥のコーナーにアペックス(頂点)をとることが常識だ。浮き砂に注意しつつ、左をキープ。ん、工事中の看板だ。スローダウン。話は変わるが、勇気というと、スロットルを開ける勇気、ブレーキを限界まで遅らせる勇気といったように、危険に対して挑む場合によく使われる言葉だが、それはサーキットでのことだ。公道で求められるものは、むしろスロットルを戻す勇気、早めにブレーキをかける勇気といった自制心だと言えよう。このことをを勘違いしては絶対にならない。

話が逸れたが、ここでは奥のコーナーにアペックスをとることに専念する。

 

コーナー-2   すごい砂ですねぇ

 

さらに進むと採砂場の影響か。浮き砂が激しい。写真-2のように浮き砂の無いややイン側を走行したい。その先には運搬車両の出入り口のようなものも見える。スローダウンした速度を維持して慎重に抜けたいコーナーだ。尚、右の写真は運搬車両の出入り口から、右の写真と反対方向に写した写真である。分かりにくいかもしれないが、砂が白く見えている。かなりの量が見えている。

 

 コーナーァ  減速帯

 

砂の多いコーナーを抜けた。加速体制に入る時には既に次のコーナーを見ている。路面を確認すると手前に減速帯がある。これはカナリの突き上げが予想される。センターライン付近は途切れているので、思い切ってアウトへ振って減速するかな。もちろん砂に注意であることはこのコース全般に言えることであるが。右の写真は減速帯を路面の高さで写したものだ。5mm以上はありそうだ。

 

 コーナーァ2    キャツアイと管理人の指

 

コーナー進入の段になって、センターラインにキャッツアイ。トシィ〜。まだ先が見えない。思ったよりも深いコーナーだった。もう少し減速して尖ってコーナーのイン側につけるとしよう。対向車もいるかもしれないし。余談であるが、キャッツアイの高さってご存知ですか。おおよそは見当がついている方がほとんどでしょうが、今回実調査してみました。けっこう高いんですねぇ。オオ怖い。全部取り外してもらいたいと考えているのは管理人だけでしょうか。

 

 コーナーァ3

 

コーナーを抜けると、あら結局ここも複合だったのね。一度車体を起こし気味にして再び寝かす。先は直線だが、その先には、右側にガードレール。つまり、この直線の後には深い右カーブが待っているかもしれんなぁ、と推測すべきであろう。であるならば、あらかじめ、左側へ振っておこう。というわけで、緑のラインを走る。

 

 コーナー

 

次のコーナーはS字じゃあありませんか。ってその前に駐車車両有り。ってことは人がいるぞ。減速アンドセンターライン寄りに。インベタで1つ目をクリアだ。今回は駐車車両があったが、無いとしても、S字は脱出命である。1つ目をクリアしたら、早めに次カーブのアウトに寄っておく方が良い。つまり、どちらにしても1つ目は遅めのコーナースピードになろう。

 

 コーナーΑ2

 

Sの2個目。写真を見てみると、コーナーは結構な角度がつけてありますなぁ。お決まりのブラインドなので、コーナーイ里茲Δ帽圓海Αあらかじめカーブミラーで次コーナーなり、対向車なりをチェックできれる余裕があるとライン取りと次コーナーの繋がりを考えやすい。

 

 コーナーΑ3

 

立ち上がり。次は右カーブ。ガードレールが続いているからまたタイトかな。対向車がいるが、この場合はあまり気にしないで進行方向をしっかりと見据える。ちょっと直線があるから、ここは思い切って開けたい。メリハリがつくし、第一加速感に酔える。

 

 コーナー

 

 対向車も過ぎ去り、右カーブ。うおっと、下りの逆バンかぁ?橋の継ぎ目もあるじゃない。継ぎ目といってもコンクリートで鉄板を覆っている型だから、グリップよりも凹凸に注意だ。このような場合、どうしても目線が近くになりがちなので、しっかりと先に送ることを心がけたい。また、そうできる速度にすることが勇気ではなかろうか。

 

 コーナー-2

 

コーナリング中に対向車が来ることもしばしばあることですしね。もっとも相手の方はキッチリとイン側によけてくれています。感謝。

 

 コーナー

 

立ち上がると次のコーナーはこんな感じです。

あなたはどのように目線を送りますか。

 

4.まとめ

 

目線を中心に、YGの各コーナーを見てきたが、いかがだったでしょうか。目線をできるだけ先(見える限り先)に向けるメリットは何と言っても、「先の状況を早い段階で把握できるので、走行方法を考える余裕が生まれる。=不測の事態が起きにくい。=安全」ということに尽きよう。また、走行方法を考えられる時間があるので綺麗な走りすることができるし、うまくいかない時でもなぜしっくりこないかを分析できる。さらに、余裕があるから様々な危険要因を考慮でき、対処が可能になる。要するに考えた走りを実践できるというわけだ。これは安全と気持ちよさを両立するには相当有利に働くし、サーキット走行でも応用できることだろう。

 

話は逸れるが、今回の取材では実際に歩いて写真を撮った。そのさいに路面の割れ、汚れ、落ちている物など危険要因を目の当たりにした。管理人は数え切れない程YGを走っているが、正直こんなになっているとは知らなかった。バイクの性能に感謝。

 

また、逸れたついでにもう一つ。管理人はあまり器用ではない。15年以上の二輪暦を持つが、少し気持ちよく走ることができるようになったかと感じるようになったのはここ数年のことだ。つまり、それまではあまりうまくなかったという訳だ。その原因に「目線」があった。具体的には、目線を先に送ることは、ともすると手前の状況を把握しないで、見落としてしまったかの如く感じることがあったということだ。実際に見落として、砂で滑ったこともある。しかし、これは、先を見ることばかりに気をとられて、順番に見ていなかっただけのことだろう。つまり、順に舐めるようにしていれば良いと思われる。先を見ておけば結果、自分がこれから走る部分を見ている訳だし、不安なら目線を一旦手前に戻し、状況を確認後すぐにまた先に向ければなんら問題は無い。そもそも大体の方がそうしているものと思われる。それを実践できていなかったのだ。恥ずかしながら、告白しよう。もっとも、生涯で「コクった」ことは2回あるが、2回とも玉砕であったことを付け加えておこう。

 

5.おまけ

 

YGにはこんな方々がおられました。

 

 管理人の大好きなスイフトスポーツ

 

 超軽量、ハイパワーのYZF R-1?

 

 アメリカンですが、気合入ってマスねぇ。

 

これにて、終わり。

 

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