2015年 夏の北海道ツーリング

 

2015年 7月29日~8月8日

 

出発前のひとコマ

(やっぱり顔がオヤジになっている)

 

 

7月29日(0日目)

 

1.今年もやはり

 

毎年6月も末になると、夏休みの計画について考える。今年はどこへ行こうか、東北を回ることも悪くなかろう。しかし、この夏は台風の発生・接近がやけに多いし、東北地方の梅雨明けは台風が去った後になりそうだ(実際には旅に出発した7月29日だったようだ)。

 

また、管理人の長期天気予報では、今年は冷夏かなと思っていた。しかし、ご存知の通り連日の猛暑となっている。会社の上司からも「管理人の予報はハズレだな」とバッサリ斬られてしまったが、その通りなので認めるしかない。本格的に気象の勉強をしてみようか。

 

そういったわけで、今年も北海道ツーリングに出かけることにした。そして日程であるが、今年は8月の1週目に業務の谷ができたので、ここを狙うことにした。ここ数年はお盆まで業務が立て込むので、8月の3週目か4週目だったのだが、それに比べるとずいぶんと早い旅立ちである。

 

2.出発

 

いつものように、フレックス勤務制度を利用して8時にから17時までは仕事をこなし、帰宅後にちょっと休憩してマシンのチェック、荷物の積載を行う。確認、写真撮影の後、舞鶴のフェリー乗り場まで自走する。

 

さて、今年の使用機材はTDM900としたのだが、累積走行距離が100,000kmを超えたとは言え、大きな不具合は見当たらない。まさに信頼と実績である。因みに、昨年と一昨年はSL230をメイン機材としたことは周知の事実だが、当たり前のこととは言え、馬力が少ないので少々疲れてしまった。今回はゆっくりと余裕を持って移動したいものだ。そしてそのSL230であるが、バックアップ機としてオイル交換、懸案だったチェーン・スプロケットの交換も済ませていると追記しておこう。

 

尚、TDM900ことヤマハ式5PS型機での渡道は、2006、2008、2009、2010、2011年に続いて今回で6回目であり、同一型機での渡道回数としては管理人史上最多となる。そして、ホンダ式MD33型機(2回)、カワサキZX750F型機(1回)と合わせて通算で9回目の北海道も、もちろん最多記録である。気がついたら、2ケタ回数に王手をかけることになるとは、変態もさらに極まりつつある。

 

19時頃に自宅を出発する。いつものように写真を撮るが、年々顔がオヤジになっていくことがよくわかってしまう。まったくもって残念だが、こればかりは自分の努力では何ともならない。

 

 

エンジン始動、走行許可を得てから走り出す。まずは県道58号線に乗り、浅田交差点を右折して県道219号線に乗り換えてから磁方位340°を維持する。おっと、中途半端にガソリンが減っているので、次に左折していつものシェルのスタンドへ寄っていこう。173km走行して7.3Lだから、23.6km/L、まあこんなもんでしょう。

 

元の県道219号線に戻り、ちょっと前に高校生による殺人事件が発生した現場横を通り、名古屋市名東区を進んでいく。このような平和と思われていた土地だが、時々は事件も起こりうるということなのだろう。派手に報道され、殺人という凶悪な犯罪であるのだから印象に残る。動機がイマイチわからなくて「人を殺してみたかった」と供述しているようだが、ストレスが溜まっていただけなのではなかろうか。

 

このまま進んでいくと、スケートの浅田姉妹で有名な高針地区を通過する。そして、道路名は県道59号線となり、当方が所属するジムの本店近くの本郷までやってくる。ここで右折して県道60号線、東名高速道路名古屋I.C.の誘導路に乗って、小牧、関ケ原方面へ走り出す。

 

ヒャー、SLとは違って楽なことこの上ない。最初は速力50ノットを維持していたが、65ノットで巡航していく。SLだったらほぼ最高速だが、さすがは信頼と実績のTDMだ。まだ全開の半分のエンジン回転数である。

 

荷物を積んだ走行にも慣れてきたので、他の事も思い出した。まずは天気であるが、この地方は10日程前に梅雨が明けたので問題は無いだろう。しかし、関ケ原付近のにわか雨には注意しないといけない。そんなことを考えて、小牧J.C.、一宮J.C.、養老J.C.、いったいいくつの分岐があるんだ。ちょっと道をつくりすぎのような気がする。幸いなことに、この時間は混みあってはいないが、こういうところでブレーキを踏む人がたくさんいるので、後ろが詰まって渋滞となるんだよなぁ。昔は「高速道路ではブレーキは御法度」的なことを教わったものだが、最近はアクセルを戻すという段階を経ないで、ブレーキを踏むドライバーが増えたような気がする。これも時代の流れなのかなぁ。

 

若干交通量が多くなってきて、周りのトラックや営業車のプレッシャを感じる。そこを負けてなるものかと進んでいき、新幹線と並走している木曽川を渡り、岐阜県に入る。だんだんと旅情も深まってくるのだが、TDMでの北海道は6回目なので、なんだかダレ気味だ。しかし、こういう時にこそトロクサイ間違いをしてしまうので、注意が必要である。

 

真っ直ぐな道が少しずつうねり始める頃に、養老S.A.の看板が現れた。暑いし、腹も減ったのでちょっと寄っていくとしよう。速度を落として左車線から誘導路へ入り、屋根付きの駐輪場へ滑り込む。今日は中途半端な水曜日なので、日本海側のフェリー乗り場を目指すライダーはいないようだ。広々と駐輪場を使うことができる。

 

それにしてもムシムシと暑い、さっさと建物に入り何か軽く食べよう。さて、この養老S.A.は色々な店が入っているので、何を食べようか迷ってしまう。こんなに暑くては冷たい麺類ぐらいしか喉を通らなさそうだが、それでは腹が減ってしまい、寝る前にまた何か食べなくてはならないだろうから、オリエンタルカレーを食べることにする。そういえば、一昨年もカレーだったかな。記録を確認してみると、やはりそうだ。こういう決まった行動を極度に好むことは発達障害がある者によく見られるらしいが、当方は確実にそうだろうと思われる。

 

今年もカレーだ

 

さて、このカレーであるが割と辛めであり、肉もゴロゴロと入っている。スプーンに加えてフォークが用意されているが、肉も味わってくれという意図からだろう。先日、広島で食べた海軍カレーとはだいぶ趣向が異なるようだ。

 

3.舞鶴港へ

 

この後、グレープフルーツジュースで水分とビタミンも追加したところ、元気が出てきた。これでライダーの補給も完了したので、あとはフェリーの出る舞鶴港へ行くのみだ。おっと、その前にトイレに行って軽量化をしておこう。それにしても今日も暑い、さっさと走り出して、体に風を当てよう。

 

誘導路を加速して、本線に合流してから60ノットで飛ばしていく。時刻は20時を回っているので道路の混雑は解消しているが、気温があまりにも高い。また、6月に新調したROUGH AND ROADのジャケットだが、ベンチレータを全開にしてはいるものの、生地そのものはあまり風通しが良くないようである。これも暑く感じる原因だろう。まあ、北海道に渡ればこれでも寒いと思うだろうが。

 

そう考えながら米原J.C.のループを抜けて、北陸道へ乗り換える。残念ながら今日は曇っており、北極星は見えない。また、北陸道に入った途端に交通量が極端に少なくなった。ちょうど良いペースメーカーもいないので、速度は55ノット程度に抑えて暗い高速道路を進んでいく。

 

長浜I.C.と木之本I.C.を通過するが、時刻は余裕の20時30分前である。TDMの移動速度により、時間的な余裕が出てきた。今日は23時までに舞鶴港で乗船手続きをすればよいので、敦賀J.C.から舞鶴若狭道へは乗り換えずに、敦賀I.C.で下りてから国道27号線を使用することに決定した。関係ないが、昔エロ本に「長浜夕子」という娘が載っていた。ムチムチであったことは言うまでもなかろう。さらにどうでもよいが、ジムに篠崎愛級にムチムチの娘がいることも付け加えておこう。

 

我ながら中身までオヤジ化が進行していると自覚しつつ、敦賀I.C.で北陸道から離れる。因みに今日は平日なので、料金は2,730円であった。

 

乗り換えた国道27号線は交通量も少なく、30ノット弱で距離を稼ぐことができる。御浜、若狭、そして会社の先輩のふる里である小浜を通過する。この頃にパラパラと雨が降ってきたが、対向車は全くワイパーを動かしていないし、車体が濡れていることもない。このことから、雨は一時的なものだろうと推測できた。

 

果たして予想通り、雨が本降りになることはなく、舞鶴近郊へやってきた。この辺の行政区分は京都府であるのだが、この事実はあまり知られていないようだ。かく言う当方も2006年に訪れた際、そのことを知ったのだ。京都府には海があるのだよ、ヤマトの諸君。

 

市街地のコンビニで朝飯のカロリーメイト、チョコレートを購入してからフェリー乗り場へ向かう。あれ、管理人は朝飯はフェリーで食べるんじゃあなかったのと言われそうだが、最近食欲が減退しており、そんなに食べられそうにない。そこで、急遽ツーリングの常食である、カロリーメイトを購入したというわけだ。

 

準備万端で22時30分頃にフェリー乗り場へ到着した。既に10台以上のバイクが並んでいる、その最後尾に誘導されてマシンを止めた。やれやれ、なかなか疲れたよ。早いところ乗船して風呂に入りたいが、先に乗船券を発行してもらわないと話にならない。因みに、今回も切符はインターネット予約、コンビニでの支払い、そして予約確認書を自分で印刷してから窓口へ提出という手順を採用している。先の高速道路料金もETCではなく料金所で現金払いとしたのだが、なるべくクレジットカードは使用したくないんだよなぁ。後で口座から引き落とされるのって、何か苦手なんだよ。人間が古いせいだろうか。

 

また、今日の発券は残念ながら女性の職員ではなく、いかにも海のおっさんという風貌の人であった。女性の方が癒されるんだが、そうそう贅沢を言っても始まらない。

 

4.乗船

 

マシンへ戻り、船内で使用するサンダルや風呂セット、着替えなどがザックに入っているかを確認する。この着替えだが、今回は自分の着ている分を合わせて4着とした。やはり、防寒着がかさばってしまってこれ以上荷物を増やしたくないからなのだが、ちょっと少ないかとも思っている。まあ、必要ならば現地購入することにしよう。

 

少し待ち時間があるので、他のライダーのバイクを見て回る。今日はトップケースよりもサイドバッグを装着したマシンが多く、トップケースは少数派のようだ。その中で、山口ナンバーのFZ-8に乗る古いお姉さんが見えた。女性ひとり旅だろうか、この人も少数派だな。

 

舞鶴港で乗船前に

 

一通り見てから、泰寺コントロールからの入電を確認する。「気温上昇による出力低下にも注意」という、なんともブラックなジョークが書かれている。養老S.A.で送信した「最大離陸重量での飛行のため、失速には注意します」という、これまたブラックなジョークに付き合ってくれたというわけだ。

 

ひとりでウケていると、「二輪便利帳に書き込みしてますよね」と誰かが話しかけてきた。おっと、先ほどの山口ナンバーの古いお姉さんだ。そして「私も書き込んだけど、間に合わなかった」と続けた。この「二輪便利帳」というサイトだが、出発日などをあらかじめ送信しておくと、マシンやナンバーをUPしてくれるというサービスがある。ただ、これは主宰者の手作業によるものなので、即座に上がるというものではない。「手作業らしいので、1日はかかりますからね」と返答すると「その通りだ」と。

 

さらに、この人とは日程やここまでの事などを話し合ったのだが、山口からは丸一日かかったそうだ。また、「最近は独りの方が気楽でよい」とも発言されていたのだが、まさしくその通りだ。自分の行きたいところへ行き、居たいだけいればよいのだから。

 

そうこうしているうちに乗船開始の23時となり、バーコードをスキャンしてもらってからタラップを上がっていく。いよいよ始まるんだとちょっと緊張するが、9回目なので感激に浸るよりも段差で転ばないようにするという方向へ意識を向けた。

 

車両甲板の壁に頭を向けて、ギアを入れてTDMを降りる。そして素早く荷物を解いて鈴木網棚へ置くが、隣のセローのオヤジが広々と使っていやがるので、当方の場所が狭くなってしまっている。おいおい、頼むよ。あと、これとは関係ないが、KLXのライダーがなぜかオンロードのジェットヘルメットを被っていたので、ちょっと違うなぁと心で思ってしまった。こういう人はオフロードは走らないんだろうなぁ、もったいない。いやいや、そんなもんいらんお世話だね。

 

客室への階段を上がっていき、指定の寝台A17の222番へ到着した。ここは一番通路から遠い、窓側の場所だ。この後、中学生や小学生でごった返した風呂で汗を流す。学校の行事だろうか、皆楽しそうにハイテンションであった。

 

喧騒の中でもゆっくりと温まり、筋肉の血流を回復させてから湯船を出る。ああ、いいお湯だった。今日は暑かったので、さっぱりした。エアコンの効いた船内を歩いて、寝台に戻って横になる。先ほどの喧騒のせいか、こちらもハイテンションになっている。すぐには寝られそうにないので、少し地図を見てから眠りに落ちた。

 

本日の走行 220km

 

7月30日(1日目)