2016年 北海道ツーリング

~10回目記念~

 

2016年 7月20日~7月28日

 

出発時に自宅アパート前にて

(無職から解放されて、いささか表情が明るい)

7月20日(0日目)

0.近況報告

 

昨年11月中旬に無職となり、実に8か月が経過した。これだけ仕事をしていないと、さすがに働かなければならないと思えてくる。職業訓練終了後も何をすればよいか迷いつつ、当てのない就職活動を続けていた。

 

成果が出ないまま6月、7月と過ぎていったが、突然登録していた常用型派遣会社から、派遣先の候補が見つかったと連絡があった。もう何でも良いよという気持ちで面接を受け、派遣先からもOKが出た。

 

断られる理由もなくそのまま話が進み、採用となった。これだけ回り道して、結局同業者で派遣社員かよ。なにをやっているんだか。しかし、一応は仕事が見つかったわけだし、就業まで少し時間がある。これは「北海道に行け」という流れだと勝手に解釈し、早速荷造りを始める。そして、フェリーの予約と慌ただしく1週間を過ごす。

 

1.出発

 

そして、入社の手続きが行われた7月20日の20時10分、ついに出発にこぎ着けた。今年は無職生活が続いていたので「北海道は無理かなぁ」と思っていたが、ちょっと頑張ればそれなりの良い事もあるものだ。

 

ここは素直に喜び、自宅アパート前にて荷物を搭載し、いつもの記念撮影をする。ありゃ、新調した固定用のネットが小さいので、使い物にならない。仕方ないので、ヨレヨレのヘタレネットを出してきて、何とか荷物を載せる。こいつについては、ツーリング中にでも購入できればよいか。

 

準備が完了し、エンジンの始動許可を得てTDMに火を入れる。さて、今回は1994年に始まった一連の北海道ツーリングが、10回目となった。その内TDMでの渡道は7回を数えるのだが、もちろんこれは管理人のバイク歴で最多であり、単独機種での回数も更新である。因みに、TDMの出発時の累積走行距離が110,198kmだったが、このうち25,000km程度は北海道での走行と推測される。

 

ただ「北海道を走りたい」という理由だけで上記の記録を残すことになったが、管理人も相当の凝り性だ。自分でも呆れてしまうが、楽しいものは何回行っても楽しいし、その楽しみのために仕事をし、体力を維持するためにジムに通う。とてもわかりやすい、単純な生活構造と言える。長続きの秘訣は、わかりやすさだと言えよう。

 

そんなことを考えながら近所のスタンドに寄り、燃料を搭載する。その後、県道211、217、219号線と繋いで東名高速の名古屋I.C.を目指す。この道は職業訓練校に通った道にも通じており、その日々が思い出されてくる。結局設計の仕事に就くことはできなかったし、そもそもこの年齢で未経験の業務に就こう、ということが無理だったわけだ。つまり、こうなることは、職業訓練校に入所した時から決まっていたと言えよう。知らないままに、夢を見ていたというわけか・・・。

 

大人になりきれない自分だが、そういう自分だからこうしてツーリングに傾倒しているのだと思う。結局は社会的に「何が良いか」ではなく、自分のために「何を選ぶか」ということが重要なのだろう。

 

本郷交差点を右折して、名古屋I.C.に入っていく。この辺りに来ると、ツーリングが始まるという実感が沸いてくる。これからの期間中、無事故・無違反でいけるように、最大限の注意を払っていかねばならないと気合いが入る。そんなことを言っておきながら、一般ゲートとETCゲートを間違えそうになる。おいおい、大丈夫か、ちゃんと集中しろよ。

 

本線に合流し、最初は45ノットで巡航、速度に慣れてきたら55ノットに上げていく。最近は歳のせいか、速度が高いと目がついていかないような気がするし、恐怖感も増してきたようだ。それはそうだ、何せ10回目の北海道なんだから、その回数が過ぎ去った年数を示していることに他ならない。

 

小牧J.C.を過ぎれば、前述の職業訓練校が見えてくる。6か月通った学校を見ると、再び自分のアホさ加減が嫌になる。しかし、ここはアクセルを開けて前を見て、60ノットで校舎と嫌な思いを置き去りにしてしまおう。

 

名神高速に入り、木曽川を渡れば岐阜県に入る。ここで珍しく、同じ方向に進行している新幹線のぞみに追い越される。速度差は150㎞/h程度あるので、あっという間に置いて行かれた。おっと、こちらの速度が落ちている。どうもチェーンが片伸びしてきているようで、若干雑音が大きくなっており、無意識に速度を落としているようだ。前回は70,000km辺りで交換しているので、そろそろ交換時期が近くなっている。まあ、走行に問題はないので、帰宅してから考えるとしよう。

 

速度計をこまめに見ながら、55ノットを維持して走行を続けていく。いつもならこの先の養老S.A.に入るのだが、今日は気分が良いのでパスして伊吹P.A.に入ることにしよう。ところが、北海道の天気はどうだろうか、どのコースで回ろうかと考えていたら、伊吹を過ぎてしまった。おいおい、ちゃんと集中しろって言ってるだろう。気をつけないと痛い目に遭うぞ。

 

そう思っていたら、BMの4輪が凄い速度で走って行ったので、気合を入れるためにちょっと追いかけてみることにした。すると、こちらを意識しているのだろうか、どんどんと速度を上げていく。大概の場合は100ノットに達した時点で速度を落とすものだが、そこからさらに加速していったので、こちらはアクセルを緩めた。

 

ちょっと目が覚めたところで、米原J.C.で北陸道に乗り換え、北極星に向かって走っていく。まあ、考え事ができるということは、それだけ慣れているという言い方もできる。あまり自分を追い込まなくとも安全を意識していれば良いのだよ、そう考えつつ走行を続けていき、少々疲れたところで賤ヶ岳S.A.に入る。

 

腹が減ったので、売店で売られていた3個入りの柿の葉寿司を2つ購入する。一つはサバ、一つはサケであるが、どちらも柿の葉の香りとよく酢が効いた酢飯、脂の乗った魚がとても良く調和している。

 

柿の葉寿司で休息

 

2.敦賀港へ

 

腹も膨れて落ち着いたので、走行を再開しよう。前述のヨレヨレネットが心配で荷物が崩れていないかを確認するが、何とか案外大丈夫であった。あれだけの速度を出しても問題がなかったということなので、そんなに神経質になることもなかろう。

 

敦賀J.C.を過ぎてすぐの敦賀I.C.で北陸道を降りて、2,710円の料金を払う。今日は平日なのでETCは持ってきていないし、この先も使用する予定は無い。単友のおやじも「ない!」である。こうして、国道8号線バイパスに乗り換えて、敦賀港を目指す。ここからはほんの15分程度なので、もう安心だ。

 

22時30分にフェリーターミナル前の駐車場に到着した。まだツーリング時期には早いせいか、バイクの台数は5台程度と寂しい。そりゃそうだ、夏休みが始まったばかりだからなぁ。そう思いながらターミナル内の受付カウンターに向かい、予約時に発券された支払書を見せて乗船券を発見してもらう。出発は明日21日の午前12時30分、帰りは29日の23時30分、間違いなし。出航時間の関係上、日にちと時間を非常に間違いやすいので、毎回ドキドキするなぁ。

 

TDMの元へ戻り機体の点検をしたり、写真を撮ったりして時間を過ごす。その際、当方の2台前にいる愛媛ナンバーの「インテグラ」のオーナーが気を吐いている。新車を購入して嬉しいことに加えて、北海道へ行けるわけだから気も大きくなろうというものだ。

 

一方、10回目の余裕?を見せる当方は落ち着いて、他のマシンを見てまわる。最近はトップケースを装備しているバイクが多いのでつまらないが、荷物の固定方法を見て、オーナーのアイディアに触れることは出発前の楽しみだ。ただ、今回は台数が少ないので、特に興味深いものは無かったと付記しておこう。

 

敦賀港にて

乗船前の様子

 

ぶらぶらしていると、キャンピングカーのオーナーから、北海道の取り締まりについて尋ねられた。もちろん、確実に速度取締をしているし、北海道の場合は測定用のレーダーを車両の屋根に取り付けた車両が草むらに隠れている、と答えておいた。このことは周知の事実かと思っていたのだが、案外知られていないようで感謝されたようだった。

 

3.乗船

 

23時15分に乗船開始となり、乗船券のバーコードを読み取ってもらったらタラップを上がっていく。カタカタと音を鳴らしながら行くこの時はとても気持ちが高まるのは、北海道に行ったことがあるライダーなら容易に想像がつくことだろう。

 

蒸し暑い車両甲板でさっさと荷物を降ろし、船内で使うものをあらかじめ分けておいたザックを持って船室へ向かう。入口で係員の方から寝台の位置を教えてもらい、今日の仕事は終了だ。やれやれ、何とかここまで来ることができたよ。ただ、モタモタしてはいられなくて、さっさと風呂へ行かなくては。おっと、その前に泰寺コントロールことR1-Z氏に連絡を入れておこう。

 

風呂はいつも混んでいるものだが、今日はガラガラヘビなので落ち着いて体を洗い湯船に浸かる。今日は暑かったからとても気持ちが良いし、普段はシャワーだけなのでこうして湯に入ること自体が嬉しいことだ。

 

風呂から上がったら、アイスクリームを食べて冷却する。そして、寝台に戻ってメモをつけて1時に就寝となった。

 

 

本日の走行 140km

 

1日目(7月21日)へ続く