2009年5月9日
大田口の休息所にて出会った6発車
79年型CBX1000
いきなりCBX1000？ あんた林道に行ったんじゃあないのか？ と突っ込まれそうだが、本日の目的はもちろん表題の通り、笹暮峠近郊の林道走行だ。CBXの件は後ほど詳細をリポートするので、しばしお待ちを。
さて、そろそろ沖縄あたりからは、梅雨入りの便りが届くころである。ということは、本州もあと一ヶ月以内には入梅するわけであるが、今月は本日の機材であるKDXのブレーキパッド交換に加え、長距離ツーリング機材TDM900のフォークオイル交換、さらには4輪のブレーキパッド交換と整備事項が盛りだくさんである。しかし、当然休日は決まった数のみしかないので、実走行の時間は減ってしまう。整備時間と走行時間の確保を入梅前の不安定な天候の下で両立しようということで、今回は滞りがちなオフロード走行の技量向上を目標にKDXに火を入れた。
尚、先月に引き続いて管理人健氏主宰のページ「林道浪漫」の情報をお借りして、設楽町管内の林道を走行した。やはり林道浪漫に掲載の情報は本当に役に立ち、国土交通省のウオッ地図と併用するのみで,当方のようなド素人でも思い切って突入できた。ここに感謝の意を表すこととする。
洗濯等の家事をしていたら、出発は10時頃となってしまった。昨晩やっておくべきであった。まあ嘆いても時間は戻らないのでさっさと家を出る。愛知池経由でグリーンロードの枝下I.C.を目指のであるが、愛知池はシーズン中は漕艇場として使用されている。漕艇といえば、数年前に相武紗季がレガッタというテレビドラマに出演していたことを思い出す。あの頃に比べると最近は随分と垢抜けたように見えるのであるが、昔の方が新鮮でよかったと思っているのは多分管理人だけであろう。管理人は「ロリロリ大好き」と告白しておく。
ロリロリはどうでもよいが、ちょっと暑い。ご存知の通り、オフに行く時はプロテクターを膝、肘、胸、背中に装着している。風通しがすこぶる悪いのである。いつぞやみたいに肋骨を折るようなことだけはしたくないので、これも必要なことと我慢しつつ走行を続けていく。
いつものように県道11号でYG方面へ向かい、枝下I.C.からチョットダケヨとグリーンロードを走り、力石I.C.でフックをかわして国道153号線に合流する。さらにheading090で紅葉で有名な香嵐渓へ向かう。ここでコンビニに寄り、食料と水を調達しておく。度々記載しているが、林道にはコンビニも自販機も無いのであらかじめ昼飯を購入しておく必要があるのだ。また、あってほしくないが、トラブルが起きても、救援が来るまでの待ち時間に飲まず食わずでは辛い。その観点からも、やはり食料を携行しておくべきであろう。
香嵐渓からは県道33号を上り、本日の1本目である椹木谷林道を目指す。この道は4�卍�の完抜林道であるが、勾配がきつく、路面状況も悪い。しかるによくよく転倒には注意が必要だ。過去に数回転倒経験があり、前方に3mくらい飛ばされた。幸いにも完全武装していたし、速度も大して出ていなかったのでケガは無かっが、顔から落ちたらしく、ヘルメットのツバに擦り傷ができてしまったと打ち明けねばなるまい。
いよいよ舗装が切れてダートが始まるが、最初は砂道で岩は落ちていない。しかし、2�卍�過ぎるといきなり拳大の岩がゴロゴロと落ちており、また勾配も急にきつくなるので一気に難易度が跳ね上がる。また今日はここ数日の降雨により、その岩が湿っていてツルツルである。結局1速や2速を用いてゆっくりと、左右に振られながら坂を上っていく。振られるというと、管理人は高校時代に2回振られたことがあると告白しておこう。
椹木谷林道の峠付近にて
峠付近では岩が少なくなり、ちょっと走りやすくなる。こうなるとちょっとドリフトを試してみたいのだが、結局通常通りしっかりと減速してからコーナーを曲がるいつもの様式となってしまった。すると今度は下りになるのだが、東側はコーナーのRが小さい。それに加えて勾配も急であるし、路面もまた小岩中心になる。こうなると転倒を避けることに必死で、楽しむどころではない。つまりは管理人の腕が甘いために、完全に林道に遊ばれてしまったということだ。「あ、射たり」、と言う者あれば、「情け無し」と言う者あり。
無事に椹木谷林道を通過、再び県道33号線へ戻るが、この林道の出口には休息所というか、茶屋がある。いけすなんかもあるようなので、川魚を食することもできるのであろうが、その駐車場に一人の人がタバコを吸って立っていた。ちょっと見栄を張りたくなってしまった管理人は駐車場へ繋がる左カーブでパワースライドを試みる。ほんの少しだけスライドして通過、情け無し。腕もないくせに。
県道33号を更に東進して、段戸湖横を通過する。ここは釣堀になっていて、連休を最後まで楽しもうと多くの人が釣り竿をだしていた。ところで、この湖というか、池というか、その東端から出来山の大林道群への進入路が続いている。詳細は当ページに掲載しているリポート、2007大林道群調査を参照願おう。
段戸湖を見送り、暫くすると本日走行する二本目の椹尾谷分水林道入り口へ到達する。こちらの林道は小石の路面中心で初心者でも走りやすいのだが、西から進入すると下りばかりになってしまうので、管理人としては走りにくい。さらに時々、砂利がフカフカの箇所もある。以前KDXを購入したばかりの時これにつかまって操縦不能に陥り、結果機体から放り出されて林道脇の斜面を少し転がって、木の根元に当たり足を上に向けて停止した。一瞬何事か理解することができず、異様な景色を眺めていた。情け無し。
そんなことを想い出して走行を続けていくが、どうもカーブ入り口でリアブレーキをかけ過ぎているようだ。頻繁にタイヤがロックしている。これをきっかけに機体の向きを変えるということはできるが、せっかくなのでスライドも試してみたい。ところが、下りで速度がどうしても高くなってしまいまともに走ることは出来なかった。そうこうしていると、ダートは終了して舗装路が始まる。ここも昨日までの雨の影響でビタビタになっている。さらにコケが生えている部分はニュルニュルで非常に危険だ。またまた昔話であるが、ここでリアタイヤがグリップを失いハイサイドを食らって肋骨骨折の憂き目に遭ったというわけだ。
ひとまず落ち着こうかと、先ほど購入したカロリーメイトを大田口休息所にて食する。どうも乗れていないな。不完全燃焼である。原因をあれこれさぐってみると、やはり肩に余計な力が入っており、必要な車体の保持ができていないようだ。特にコーナー外側の足をしっかりとフレームに押さえておかないと、進入時のきっかけが掴めずに車体をうまく寝かすことができないようだ。要するに非常に基礎的な事項が甘いということだ。また舗装路走行時も、コーナー内側に体重を乗せきれていないせいか、向き換えが甘い。ケツのホッペにある骨をシートに押さえるようにすると良いのかな。いやいや、かかとによる車体保持も同時でないと意味ないぞ。
このように独りでブツブツ言ってスポーツドリンクを飲んでいると、なにやら聞きなれない排気音がするぞ。ビューンという多気筒車のものであることはまちがいないのだが、ものすごく重厚だ。最新のSS車はもっとシューンという軽い音なのであるが、それとは明らかに違う。すると冒頭に写真を掲載したCBX1000が現れた。ライダーは４０代半ばと思われるいかにもライダーという趣の人であり、管理人とは反対側でタバコを吸っている。トイレに行くついでにちょっと話しかけてみると、言うまでも無く喜んで会話していただいた。そのＣＢＸの話題を切り出してみると、なんでも初年度登録は３０年前であるが、１５年ほど前に中古で購入されたということだ。なぜまた６気筒かというと、若かりし頃にどこかで見かけたその印象が強烈であったので、それ以来購入を考えるようになったということだ。今までの車暦もカタナやZ２などの空冷エンジンばかり乗り継いでこられているそうだ。また、初代のゴリラやカブなどをレストアしたらしく、常になにかポンコツを修理して楽しんでいるとのこと。ご本人曰く、ご子息の「自由研究の手伝い」と称して奥方から金を引き出し、自分が楽しんでいるとのこと。皆さん金策にはご苦労されていることは当たり前としても、うまい手を思いつかれたものだと感心してしまった。
ところで、CBXであるが、プラグ交換以外は整備性が悪いということだ。そのことは一目すれば理解ができるのであるが、具体的にはキャブ関係が厄介とのこと。同調はもちろんのこと、脱着するには、正式な方法で行うにはエンジンハンガーを外して一番後方のエンジンとフレームの締結点を中心に、前方へ傾けるという荒業？を用いるらしい。もちろんエンジンはジャッキ等で支えておく必要があることは、いうまでも無い。さらに最近は部品も少なくなってきており欠品も少なからずあるようだが、CB-Fに共通部品がかなりあるそうなので、そちらを利用するそうだ。
１５年も乗っていると、何となく乗り換えようかと外車の販売店なんかも訪れるそうだが、傑作な事例ではハーレーの販売店にて「ハーレーはいつでも乗れます。是非CBXを乗り続けてください」と店員に励まされたこともあるそうだ。管理人も全くの同意見で、乗れる時に乗れるものを乗るということが一番良いと思う。まさに後悔は先に立たないのであるから。
どうですかこのエンジン
そんなこんなで２時間ほど話し込んでしまった。オーナー氏は「このバイクに乗っているといろいろ話ができるので楽しい」とおっしゃっていた。そりゃそうだろうと素直に納得できる。大田口、ここに来られる方は「濃い」方が多く、マニアックな話題で盛り上がることがしばしばある。もちろん、管理人は大歓迎であることは言うまでもない。
CBX氏とお互いの無事を願いつつ別れ、国道257号線を北上する。設楽の中心部を抜けるとすぐに山がちな風景に変わり、道路もクネりだす。そうして設楽大橋の信号から県道10号に乗り換えて、すぐさま左折していよいよ本日の主菜である笹暮峠方面への林道境川線入り口へ到達した。
林道境川線 入り口にて
この境川線であるが、いかにも山奥の林道という雰囲気であり、少々薄気味悪ささえ覚える。まあ、ゆっくりと行きましょう。ということで写真撮影の後、走行を再開する。はじめの区間は砂の路面であったが、すぐにまたまた拳大の岩林道へ変貌する。しかも川になっていてものすごく滑りやすく、走りにくいではないか。リアタイヤが巻き上げる水しぶきをミラーで確認しつつ、なるべく川になっていない所を走るも、努力むなしく路面全部が川になってしまった。ええい、と覚悟を決めてバイクにまかせ、操作は最低限にしてみる。するとどういうわけか、ちょっと楽しいよ。21インチもあるフロントタイヤはひっきりなしに左右に向いて暴れるが、腕をステアリングダンパーと見立て、その機能を果たすが如く、動きが増幅しない程度にハンドルを握る。
このやる気無いかにみせて、実はやる気満々走法は非常に有効だ。そうだよ、物事は力を入れればよいというモノではないのだ。肩の力を抜いて取り組んだ方が過程も結果も良い場合はいくらでもある。むしろどんなに真剣に力をいれても空回りの場合もある。その場に適合した方法を採用することが肝心なのだ。バイクってやっぱり奥深い。
林道根道外線との分岐点を越えてさらに境川線を上っていく。相変わらず路面に変化は無く、kenken氏の情報通りに草のせり出しも激しいが、結構楽しむ自分の姿がそこにはあった。もちろん、普段からエアロビクス等で持久力を中心に鍛錬をしているので、スタンディングの姿勢を保つことはさほど苦にはならない。ほっほっと上半身をボクサーのようにウィービングさせているくらいだ。鍛錬のお陰で今日は楽しむことができているのであろうと考えると、ちょっと嬉しくなってくる。そう思い始めたら無情にも目の前に広域農道が通っている箇所へ飛び出した。相当盛って建設したか、もともとの地形を活かしているのかはしらないがすごい壁だ。ぬぅ〜りぃ〜かぁ〜べぇ〜。
広域農道の壁
（左上方が農道の笹暮トンネル）
ここの広域農道は先週W氏と走った所だ。そうか、ここへ出てくるのか。林道浪漫の地図を確認してみると、2005年7月現在では謎のトンネルと記載がある。この農道は2007年開通なので、当時は丁度工事中だったということだろう。さて、地形が変わってしまっているので国土交通省の地図を見て状況を確認してみると、写真左側（機首が向いている方向）の道がトンネルの上の峠を通っている。この後、間伐道大野山線＋林道東長沢まさみ線を走行するので、それに接続する舗装路を辿るためにもこちらへ向かう。尚、ここから終点まではは全線舗装路であったと追記しておく。因みに長沢まさみは「清純派（定義は不明）だが、巨乳だ」と批判？している週刊誌があることを、新聞の広告で見かけたことがある。それはむしろ好ましいと思うのは管理人だけではないはずだ。
農道のトンネル上方を越えていくと、舗装路に合流した。ここに林道境川線と看板が出ていたので、ここまでが同線ということだ。林道浪漫によると、2005年当時はまだ未舗装だったようだ。
ここからはこの舗装路を南下して笹暮峠を越えて、間伐道大野山線へと進入していく。途中走行予定の碁盤石線の入り口もあるが、ここは一旦通過して、帰りに走行することとした。
間伐道 大野山線入り口
大野山線はその名の通り、大野山をかすめるコースだ。どこからどこまでが間伐道で、どこからどこまでが東長沢線かは不明だ。フランケンシュタインにどこからどこまでが苗字で、どこからどこまでが名ですかと質問するようなものだ。まあ、推測するに、途中に広域農道への分かれ道がある地点からが東長沢線ではないかと思う。
上記の定義で話を進めていこう。間伐道は1�勸未諒涸�路の後、細かい砂利のダートになる。まだ新しいみたいで、路面も凸凹が少なく非常に走りやすい。さらに広域農道を横切り、ループを描くように通る道では前述の実はやる気満々走法が功を奏してわりと深く車体をバンクさせてからのパワースライドを楽しんだ。車体はステアリングヘッドを中心として前輪と後輪がバラバラに動いているのだが、それは波を打つかの如く規則的なもので、丁度ＧＰライダーのスライドコントロールしている状況に似ていると思った。ここでハッと気が付いたのであるが、タイヤのブロックパターンはこういうスライド時にも砂や石をブロック間の隙間からいなしつつ、そのブロックがしなって路面に食いついているのだ。そうすることで、穏やかなスライド走法へ持ち込むことができるのかぁ。なんかタイヤが路面を掻いているイメージが頭に浮かんできた。
ループを終えて、まっすぐいけば広域農道、左へ曲がると東長沢線だ。もちろん左折であるが、こちらは古い林道らしく、進入するとすぐに路面が悪化する。こちらは岩が少ないが、グチャグチャで、杉の葉などで覆われており、やや廃道チックだ。そして最後の締めに2m程の川渡りだぁ、まさにスプラッシュ！！ナイスカーンって何がナイスだよ。川渡りを終えるとまもなく森を抜けて出て、林道は終点となる。2005年の林道浪漫の情報では崩落していて通行不可となっているが、今日は通しで走行可能だったと報告しておく。確かに崩落を修理した箇所があったので、そこが通行不可であったのだろう。
先ほど残しておいた碁盤石線へ向けて、今走ったばかりの東長沢線を戻っていく。また川渡りでスプラッシュ！（あんたも好きねぇ）。2回目なので多少慣れているし、今度は上りなので少しだけペースアップできた。また、間伐道に入ってからは右へ左へパワースライドさせて気分はトップを快走するモトクロッサー、実際はただの素人という感じだ。
林道碁盤石線に進入していく、最初の1.5�勸未亙涸�路であるが、碁盤石山への登山道を過ぎて間もなくダートが始まる。こちらは砂ベースの路面なので、大野線走行のように、車体を波打たせつつスライドしまくりで快走していく。ところで、スライド走法に持ち込むには多少の勇気があれば誰でも可能だ。少しだけ速い速度と少しだけスロットルを大きく開け、少しだけ車体を深くバンクさせる、これだけだ。
碁盤石線を気分良く走っていると、峠付近で三叉路に。まずは北側の道へ行ってみると、廃道で終了。これは林道浪漫の情報と合致する。もう1つの方はどうだろう。100m程行った所、ちょうど送電線の鉄塔下で行き止まりであった。ところで、この辺りはまだ山桜が見頃であった。ソメイヨシノちゃんも良いが、山桜も素朴ながら、風雪に耐えて力強く立っているところがなんとも好ましい。
山桜 鉄塔下から下界を望む
この後、今走ってきた碁盤石線を戻り、笹暮峠からの舗装路を通り国道沿いの集落へ出るのだが、途中に林道川宇連線という2�卍�のピストン林道を走行した。こちらはそれほど荒れた箇所はなかったが、不法投棄が目に付いた。こういうことをする奴がいるから林道にゲートが作られてしまうのだろう。
今日の任務は完了したので、国道を乗り継いで帰宅するつもりであったが、国道153号線を走行中に駒が原林道方面の道が拡張されてきれいになっていたので、おまけとして走行してみた。何気にheading180で走行すると林道藤平線というきれいな林道があるではないか。これは走らない手はないとアタック開始。こちらはフラットで細かい砂利のダートだから、いけいけのスライドしまくりでメチャクチャ面白いよ。さらに作業道池の平線を走行して名称不明林道を走行する。最初は西側へ向かうが、廃道になって行き止まり。東側はこれまた良い路面で県道33号線へ飛び出した。
作業道池野平線と名称不明林道の交差点にて
こうして全ての日程を終了して帰宅したのであるが、いよいよブレーキから音が出始めた。パッドの注文に行かなくちゃ。
本日の走行210��