管理人 海外へ行く

~オーストラリア編~

2017年11月13日~2017年11月21日

道東にも似ているフィリップ島西端の様子

第5日目(11月17日)その2

1.チャーチル島を離れて

そろそろ集合時刻なので、駐車場へ戻る。すると、饒舌な運転手がベンチに座ってくつろいでいる。こちらから話しかけると、嬉しそうに挨拶が返ってくる。彼は既に60歳を過ぎていて、運転手歴は30年以上ということだ。今は、日本で言うところの「再雇用」という形態で働いているそうだ。「そんなに長く同じ仕事を続けているのか」と驚いていると「いやいや、私はそれしかできないんだよ」と謙虚に答えている。いやいや、それ自体が凄く大変なことだよ。全くもって、自分の根気の無さが恥ずかしい。

「楽しんでいってくれよ」という言葉と共に、運転手はバスの準備に向かっていく。そして、そのころになると、他の客も集まって来る。15時になり、バスはさらに先にある「フィリップ島」へ向かう。この辺りは街を出ると、原野?が続くのみで何も無い。しかし、バイク好きな読者なら、この島の名前を聞いて「あ」と思った方もみえるだろう。そう、世界選手権が開かれる「フィリップアイランド・サーキット」があるのだ。

運転手は相変わらず饒舌で「皆さん、楽しんでますか」と島の歴史などを話している。そして「もうすぐ、バイク好きの方が良く知っているサーキットが左に見えますよ」と案内をしてくれる。はたして、それは前述の原野にポツンと現れる。ほんの数十秒で通り過ぎたので詳細はわからないが、とても平坦なコースのようだ。何回も鈴鹿に行っている当方としては、その平坦さに驚きだ。というのも、鈴鹿はとても高低差があるからだ。テレビではよくわからないが、ホームストレートから第一コーナーなんで、そのまま海に入っちゃうんじゃあないか、という程に下っている。また、S字から逆バンクはその逆で、原付では上れないかもと思えるくらいだからだ。

フィリップ島サーキットの入口

さらに進んでいくと、本日のメイン・エベントである「ペンギン・パレード」が見られる「サマーランド・ビーチ」前を通過する。「まだまだペンギンが地上に帰って来るまでには時間があるので、先に別の所へ行くよ」と、運転手の説明がある。因みに、ペンギンは日の出と共に餌を求めて海に入り、日没頃に巣に戻るということだ。今日の日没は19時30分頃なので、まだ4時間以上ある。

2.ノビーズ地区

バスはそのまま西へ走り、島の西端にある「ノビーズ・南極体験館」という施設へ到着する。ここはその名の通り、南極の疑似体験ができるという施設であり、2015年と比較的最近になってオープンした場所だ。ただ、当方はあまり興味が無いというか、疑似体験というものが今一つ「ピン」とこないのだ。それは所詮「疑似」であるからだろう。関係無いが、アニメの「監獄学園」で理事長に「尻と胸どちらが好きか・・・ね?」とたずねられたキヨシ殿が「前略・・・所詮おっぱいはお尻の代用品に過ぎない」と熱く語る場面があるが、まさにその心境である。疑似は代用であると言えるので「コピーを取るか、オリジナルと取るか」と聞かれたら「オリジナルを取る」のは必然であろう。

まあ、中に入ってみようか

建物に入ると、太っちょの係員が出てきて一通りの説明をしてくれた後、各々で展示を見て楽しむ。これらはとても充実しており、南極の氷やアザラシの毛皮、南極の寒さを体験できるブースなど物理的なものだけではなく、南極の海の中を映した映像もある。これは、まるで自分が魚かペンギンになったかのような気にさせるものであり、前述の先入観を大いに裏切られるものであった。

因みに、今日出会うペンギンは「コガタペンギン」であるが、展示には最大のペンギンである「コウテイペンギン」の成長と背丈を比べられるパネルがある。一度北海道は旭山動物園で出会ったことがあるが、ここまででかいとは思わなかった。

左からコガタペンギン、コウテイペンギン、人間の男性を比べた図

一通りの展示を見て出口に来た時、扉の上に書いてある一文が印象的だ。曰く「南極大陸は自然に残る、最後の未開の地。この汚れない大陸を守り、平和の維持と科学の発展にいつまでも貢献できるよう、共に力を合わせましょう(管理人訳)」というものだ。現在までのところ、南極はどの国にも領有されていないことになっているが、地下資源などが豊富なこの地では利害関係が複雑に絡み合っているようだ。それが原因で戦争になることも十分に考えられるので、それは避けたいことだ。被害を被るのは、そこに住むペンギンやクジラをはじめとした、何の関係もない住人なのだから。戦争により痛い思いをするのは、いつも戦争とは関係の無い者達なのだろう。

展示スペースを出て、売店を覗いていると絵葉書が売られている。自分のカメラで撮影できる範囲は限られているので、これでその辺りを補うために数枚購入した。その後、建物から外に出ると、雨こそは降っていないが生憎の曇り空である。バスの運転手が話していた通り、岬の周辺には木道が設置されていて、断崖を見て楽しむことができる。場合によっては「迷いペンギン」がいることもあるようなので、それにも注目しつつ歩いていく。

こんな地形もあります

「ねえ、集合時刻は16時30分だったよねぇ」と同じツアーの韓国人に話しかけられる。「ああ、そうだね」と返すと「ありがとう」と言って去っていく。海外旅行記では度々記載しているが、やはり異国の地では「アジア人」という意識が働いて、話すのは同じアジアの人になってしまうようだ。ダカールでは、それを強く感じたものだ。

それにしても、木道の下は波に削られたような岩石質の地形が続いている。ああそうか、この先には南極大陸があり、そこからの荒波がこの地形をつくりあげたかと推測される。そうか、俺は今、オーストラリア大陸の南へ来ていて、この海の向こうに南極があるのか。そう考えると、何ともロマンがあるではないか。頭の中で地図を思い浮かべて、当方が住む日本の真ん中辺りから香港を経て、赤道を越えて南オーストラリアの地を踏み、さらにそこから南極の方を見ているのだ。地球ってでかいなぁ、こうして失業して困っているのだが、俺は地球上でどこに住んでもいいわけだ。俺の悩みなんて全く小さなものである。それを改めて思い出すことができるので、やはり旅は良いものだ。

 

この先に南極大陸があるのか

集合時刻になったので駐車場へ戻ると、既にバスが来ており、運転手が迎えてくれる。次はいよいよペンギンかと思うが、ペンギンが巣に戻るまでにはまだまだ時間があるので、島最大の街である「COWS」という街で食事なり、買い物なりを楽しんでくれということだ。

3.さらに寄り道

定刻にバスは発車し、海を見下ろせる未舗装路をゆっくりと走る。ここからの景色はなかなか良く、広大に広がる海、そして前述のように荒波に削られた岩が続く。途中、撮影ポイントに停車してくれるので、外へ出て海風と共に景色を楽しむ。冷静に考えれば、日本でも北海道の東の太平洋側にも同じような場所があるのだが、ここが南オーストラリアだというだけ、感じるものが全く変わってくるのだ。これも旅の醍醐味であろう。

この後、今晩ペンギンを見るエリアが見える高台を通る。運転手が「ペンギンが海から帰ってきて、あの座席の前を通るんだよ」と説明をしてくれる。そうか、かなり近くで見られるようなので、こいつは楽しみだ。

ペンギンが現れる海岸

この後、15分程走ると「COWS」の街へ到着する。随分と早いなと思うが、島は縦が10㎞未満、横も12㎞ぐらいとそれ程大きくないのでこんなものだろう。さて、この街は港町であり、波止場の先には対岸へ出るフェリーの発着場がある。天気も回復してきており、ここでは釣りを楽しむ人が見られる。何が釣れているのかとバケツを見てみると、なにもいない。釣りは釣果が出れば楽しいが、中には「竿を出している時間」そのものを楽しんでいる人もいるようだ。どうやら、ここの人達は後者の型のようだ。

COWSの波止場

ちょっと小腹が空いて喉も乾いた。一つ店に入ってコーヒーでも飲むとしよう。適当な店はないかと探していると、メインストリートにアイスクリームを売る店がある。ちょうど甘いものを欲していたので、ここに入ることに決定だ。店内では若い女性が一人で店番をしており、挨拶をして商品を選ぶが、種類が多すぎて迷ってしまう。そこで「どれが良いかなぁ」と店員に相談すると、困った顔をして「これが一番売れているわ」とボイズ・ベリー味のものを指している。「じゃあ、それにするよ」と言うと「ダブルですか」と言うので、いやいや「シングルで」と返事する。そんなにいっぱいは食べられませんよ。そして、ついでにモカコーヒーも注文する。これで9ドル、700円ぐらいだから、まあそんなもんでしょう。

オーストラリアでアイスナメナメ

お礼を言って、外の席に着いてアイスナメナメ、オーストラリア版である。店は海に向かって下る、目抜き通りの坂の途中にあり、とても良い雰囲気だ。こういう所で食べるアイスクリームは格別である。こんなオッサンでも、洒落た店で洒落たものを食すれば、それなりに恰好がつく(と思い込んでいる)ものだ。ああ、旅ってやっぱり良いね。「遠くへ行きたい」ではないが、知らない街で自分がコーヒーを飲んでいるって、何か心が洗われる気がするね。

この後、街の様子を見てみようと、敢えて通常の居住区へ迷い込んでみる。こちらの家は大きくて、日本の家の2倍から3倍ぐらいの広さはありそうだ。また、庭なんかも手入れがされていて、日本の別荘的な様子である。もっとも、ここは海沿いのリゾートなので、本当に別荘なのかもしれないな。さらに進んで行くと、スーパーがあり、店先ではオバチャン達が集まっていて井戸端会議をしている。「こういうことは万国共通なのかぁ」とくだらないことに感心していると、集合時刻も近くなってくる。そろそろ駐車場へ戻るとしようかな。

4.いよいよ本題

バスが発車すると、運転手が「長らくお待たせしました。いよいよペンギンパレードを見に行きますよ」とやや上げ調子な言葉で話している。再びフィリップ島サーキットの前を通り、島の中心を走る直線道路を行く。「私の仕事はここまでで、帰りは別の運転手が担当します」と、おもむろに話がある。そりゃそうだ、今日は集合時間から逆算して、午前7時30分から8時頃には運転手の仕事は始まっている。時刻は既に19時を過ぎている。労働過多というものだろう。

常識で考えれば当たり前のことだろうが、これが日本ならばどうなるだろうか。恐らく「人件費の削減」という名目の下に帰りまで仕事をさせられることは間違いない。こんなことをしておきながら「安全」とか「顧客満足度向上」などと耳触りのよい言葉だけが独り歩きする。これは、人件費だけではなく「人権削減」も同時に行っていると言っても嘘にはならないだろう。

運転手の話を聞いて、そんなことを考えていたらペンギンパレードの地へ到着する。バスを降りる時に次に乗るバスの車両番号を「63」と聞いて、運転手にお礼を述べる。この運転手はとても穏やかで、礼儀正しい。それも、労働時間がしっかりと管理されているからに他ならない。顧客の満足度を向上させるには、労働者の満足度も同時に向上させなければならないのは当然だが、今の日本ではそんな事を言おうものなら、完全に異端児扱いである。

さて、駐車場を歩いて、施設の方へ向かう。途中には「車を出す前に、ペンギンが下にいないか注意して」という看板が出ている。これは後で知った事だが、この駐車場や施設を含めて、一帯がペンギンのコロニーなのだ。誤ってペンギンが駐車場に迷い込むことも、日常茶飯事なのだろう。

気合の入った保護だ

入口に来ると「ようこそ!ペンギンパレードへ」という、写真の看板が出ている。因みに、一般観覧者は一切のカメラを使ってはいけないことになっている。理由は簡単で「ペンギンの保護」である。「この施設では、できるだけ自然が自然な状態であるままにしたい」という方針があるようだ。じゃあ、この看板の写真を撮った人は良いのか、HPなどの写真はどうなのか。という疑問が出てくるが、ここが人間がわがままな所であり、また、商売のためには仕方ないという大義名分を振りかざすという、傲慢な所だろう。

それはそうと、この横には手書きの説明が出ている。それによると「今、晩春は繁殖の時期で、交代で抱卵しているカップルがいます。(中略)・・・卵は5週間でかえり、交代で面倒を見ます。そして、7から10週間で大人になります。(以下略)」ということだ。子育てを邪魔しないためにも、写真他の撮影は避けた方がよさそうだ。

説明書きの看板

施設の中には売店や食堂があり、大勢の人々で賑わっている。撮影ができないならば、とかわいらしいペンギンの絵葉書を購入する。他にもぬいぐるみ等が多数売られていて、記念に一つ買おうとも思ったが、いやいや、ものを増やさないで記憶を増やそうということで遠慮しておく。

日も沈みかけているので、そろそろ観覧席へ行こう。300mぐらい木道を歩いていくと、海岸に面した場所に階段状の席がある。ここからがポイントで、当方が購入した席は「ペンギンプラス」というエリアであり、ほぼ目の前にペンギンが通る道がある。また、もう少し払うと、ペンギンの道の高さに目線がある、地下の席」というものもある。一方、半額くらいで、ペンギンの道から遠く離れた席もある。前述のように、今回は少し奮発して今の席を購入したのだが、安い席ではペンギンがあまり見えなさそうなので、これで良かったと安心する。

右手をペンギンが通るようだ

夜になると海岸は気温が下がり始めるので「上着を持って行ってください」という、観光案内所の助言が誠にありがたい。今回はダカールに持って行ったフリースを着ているので、問題無しである。見やすい場所に座り、黄昏ている海岸を見ながらペンギンの到着を待つ。そう、ペンギンは日の出と共に海へ出ていき、日没と同時に海岸へ戻ってくるのだ。

今か今かとペンギンを待つが、なかなか現れない。その間にどんどんと人がやってきて、だんだんと座る場所もなくなっていく。すると、水際にピョンピョンと何かが飛び出してくる。あれがペンギンである。「ついに来たか」とワクワクするが、なかなかこちらへ来ない。キョロキョロとして、まるで「人間がいっぱいいるから、どうしようなかな」という様相である。思ったよりもペンギンは賢いというか、慎重というか。カメラを嫌がるのも当然だろう。

そこへ、中国人の一団がやってきて「ペンギンがいるよ」という雰囲気でカメラを取り出している。すると「NO CAMERA!!!」と声が飛ぶ。中国人がというわけでもないのだが、公衆のマナーというのは、中国ではあまり重要視されていないのだろうか。

すっかり日も暮れて、ペンギンも続々と海岸に帰ってくる。そして、ある時を境にしてそれぞれの巣へ戻り始め、ついに当方の目の前にもやってくる。だいたい背丈が30㎝ぐらいの彼らだが、その歩みは力強い。途中に険しい岩なんかもあるのだが、一心不乱によじ登って越えていく。彼らは本能でそうやっているのだろうが、それは多少の感動を呼んでくる。こんなに小さな生物でも、目の前の障壁を超えていこうという強い意志があるように見えるからだ。

戻ってきたペンギン達(絵葉書の写真)

当方はどちらかと言われなくても我慢弱く、文句の多い人間だ。ちょっと嫌なことがあると、それだけでくじけてしまう。しかし、ペンギン達はその小ささにもめげずに、黙々いや、ペタペタと足音を立てて巣を目指している。人間である私も、その真摯さをちょっと見習いたいものだ。

そんなことを考えていると、ペンギンは次から次へと現れて目の前を通り過ぎていく。飽きもしないでそれを見続けているが、一向に飽きることもない。時計をみると、時刻は既に21時近くになっている。集合は21時30分であり、歩いて木道を通り駐車場まで戻るには、10分程度を考慮しておかなかればならない。そこで、名残惜しいが21時15分を期限にして、ペンギンを見守ることにする。

ペンギンは朝から晩まで泳ぎ回って、陸にもどってからもさらに、この道のりを歩いて行くのか。なんともご苦労なことであるが、それが彼らの生活なのだろう。いや、そうしないと生活が成り立たないのだから、そうしているのであり、別に感動を呼ぶためにしているのではない。受け手が単にそう感じているだけだ。

この構図を利用した悪徳なテレビ番組が、毎年夏の終わりに放映される。あれは全くの「感動の押し売り」である。普段は福祉の「フ」の字にも無縁な者達が出てきて、障害のある方々に無理やり運動をさせて「感動した」などと言っているアレだ。あんなことをするくらいなら、貰っているギャラを寄付すればよいだろうに。

5.名残惜しいが帰還

おおおっと、もう21時15分じゃあないか。そろそろ戻るとしよう。ペンギンが歩いていくのを横目に、人間も木道をあるいていく。そして、売店などが入る建物の際にもペンギンの巣があるようで、その辺りでもペンギンがたくさん歩いている。「じゃあな、ペンギン達」と心でお別れを言い、建物から駐車場へ抜けていく。

さて、バスはどこかな。いや、バスって何号車だったっけ??しまった、ペンギンに集中していて、忘れてしまった。いや、歳を取ってボケてしまった。それはどうでもよいが、ここで置き去りにされては少し困ったことになる。どうするか、と思って「GLAY LINE」社のバスが並ぶ場所でウロウロしていると、引き継いだ運転手を発見した。また、彼も数少ないアジア人である、当方の顔を覚えていたようで「お帰り」と迎えてくれる。やれやれ、助かった。

バスは定刻より10分程遅れて発車する。メルボルンの市街地に到着するのは2時間程度かかるので、日付が変わる頃にはホテルに戻れるだろうか。おや、駐車場では多くの人が出て、車を誘導している。運転手の説明によると、彼らは地元住民のボランティアで、迷いペンギンが轢かれないようししているのだとか。また、この辺り一帯は日没から0時ぐらいまでは基本通行止めになって、ペンギンを保護しているということだった。

環境を守るためには労力がかかるが、失ったものを再生する手間に比べれば圧倒的に少なくて済む。この国の人達は、そういうことを当たり前に知っているようだ。今日は一日、自然のことを考える日々だったなぁと満足していると、いつの間にか寝入ってしまった。

目が覚めると、メルボルン市街地まで30分くらいの場所に来ているようだった。車窓から見える景色は「ここは日本だ」と言われても別に違和感の無い、右側通行の街の景色である。いや、ここは南半球のオーストラリアだよ。そうさ、俺は飛行機に半日乗って、やって来たのさ。

そんなことを今さら思い出し、再び旅の高揚感を得ているとバスは朝に出発した集合場所へ到着した。そこで、客は続々と降りていく。おや、観光協会で購入したツアーの概要には「ホテルまで送るサービス」が記載されていたし、実際に「Miamiに滞在している」と報告したはずだ。ひとしきりお客が降りた後に、運転手に「ホテルまで送ってくれるんだよねぇ」とたずねる。すると「どこのホテルだっけ」と聞かれるので「Miamiだ」と答える。すると、送り先一覧表を取り出して、確認後「ああ、予定に入っているよ」と教えてくれた。

やれやれと一安心して、席に着く。また、他にも送ってもらう人が数名おり、その道中会話をする。その1人にアメリカ人のおばさんがいて、曰く「弟が教師で、父は弁護士」ということだ。「随分と賢い家族なんですねぇ」と驚くと「まあね」と自慢気に答えていた。こういう所がいかにもアメリカ人で、日本人だったら「そんなことはないですよ、偶然です」的な発言となるだろう。余談だが、新聞報道によると、アメリカ人は7割から8割程度の人が「自分は優秀だ」と思っているらしい。一方、日本人はそう思っている人は2割程度ということだ。何でも、アメリカ人は「一つでも自分に得意分野があれば優秀だ」と思っていると解説があった。ああ、なるほど。それならば当方も「アホなことをたくさん実行している」から「優秀」なのかもしれないね。

そうこうしていると、おばさんも降車していく。そして、当方が最後の客となり、街の外れ・・・でもないが、滞在するホテルまで送り届けてくれる。「遠くまでありがとう」と運転手に礼を述べると「何の、気にするな」と笑顔で送りだしてくれた。楽しい1日だったね。

部屋に戻ると、時刻は1時を回っている。ペンギンを見られただけでなく、島の観光もできて充実した日だったね。そう思いながら風呂に入り、床についた。

本日の移動距離 200㎞ぐらい

第6日目(11月18日)に続く