管理人 海外へ行く

~セネガル編~

 

2017年 3月24日~4月3日

 

 

出発直前の管理人

準備編

 

0.近況報告

 

こんにちは。管理人です。仕事を辞めて1年以上経ったにもかかわらず、未だにバイトの身であります。もちろん、ポルトガル旅行で少しだけ気持ちが上向き、ひとまずバイトに行けるようになったのは大きな進歩だ。しかし、このままでは貯金が底をついてしまうので、早急に就職して、じゃんじゃん稼いで旅行資金を貯めたいところだ。しかし、事はなかなか思うようにはいかない。そうなると、だんだん鬱積した気分になってくるのが人情というものだ。管理人の場合、心底生きていることが辛く感じてしまっており、本当に辛い。

 

この事態を打開するには、どうすればよいのだろうか。全く糸口をつかめないまま2016年が終わり、2017年になってしまった。「今年は人生最後の年になるのかもしれない」という気持ちで迎えた新年だが、少しも楽しくない。初詣にも行ってみたが「今年は何もお願いすることはありません」とお願いしてしまう程であった。

 

しかし、これではいけないと思い直し、自分に再び生きる喜びを感じさせようと旅に出ることにした。早速目的地の選択に入るが、今回も日本国内以外で「地球上のどこか」から選択することにする。前回は「ヨーロッパの西の端を見たい」ということで、ポルトガルを選択したが、今回はどうするか。いろいろと悩んでみた結果、本当に行きたいのは「パリ・ダカ」で有名な、セネガルの首都「ダカール」ダカールだということになった。

 

1.なぜダカールか

 

管理人はもともとモータースポーツが好きであり、その興味は舗装路のサーキットから、近年は荒野を走破するラリー的なものが面白いと思っている。それは「パリ・ダカールラリー」のようなどんな過酷なレースであっても、無事にゴールに到着しないことには順位がつかないからだ。つまり、どんな状況下でも冷静にマシンを操り、判断をしていくという、知力・体力・時の運が高度に均衡していなくてはならないということだ。思うに、ここにこそ、ツーリングの究極の形があると言えるのではないだろうか。

 

そんなことを考えつつ、昔テレビで観た映像をネット上で閲覧していた。そしてそれを見るたびに、「ラリー参加者の目指すダカールってどんな場所なんだろうか」、「彼・彼女を魅了するダカールには何があるのだろうか」と興味が沸いてきた。

 

その「ダカール」であるが「セネガル」というアフリカ大陸の西の端の国の、さらに西の端にある街であり、日本から遠く15,000㎞のかなたに存在する。さらに、治安や衛生状態も日本やヨーロッパと比べれはかなり劣る環境だ。それでもダカールを見たいのか、自問自答する日々を過ごしていたが、やはりこの衝動を抑えられない。そうなれば、行くしかなかろう。

 

2.準備

 

前回のポルトガルで海外デビューをしているので、今回は準備が多少楽である。パスポートは既に持っているし、スーツケースや用品については購入済みである。ただ、義務ではないのだが、黄熱病の予防接種を受けた方が良いらしい。この件については、在日セネガル大使館に直接電話で確認してみた。すると「強くおすすめしている」という回答が返ってきたわけだ。

 

ところで、予防接種はどこで受けるのだろうか。これも調べてみると、検疫所という所で受け付けている。それは港や空港に置かれていて、管理人の自宅からだと、お馴染みの「中部国際空港」に存在していることが判明した。

 

そして、予防接種について電話でたずねてみると、毎週火曜日の午後に行っているということだった。逆に言うと、週に1回程度でこなせる人数なんだろう。そういうことで、2月7日に予約をしてその日を待つ。もちろん、それまでの間も就職活動を行っているのだが、これが失敗だった。というのも、その日の直前の土曜日に街へ出て説明会を聞いてきたのだが、その際にインフルエンザにり患してしまったのだ。

 

週末を「調子悪く」過ごして、週始めの月曜日、2月6日にインフルエンザB型と診断されてしまった。これでは、注射どころかバイトにも行けなくなってしまう。本当ならば、旅行出発までは資金を少しでも稼ぎたいところだが、この後1週間は寝たきりとなってしまった。

 

その後2週間後、2月28日に予防接種を受けることはできたものの、その効力が発揮されるのは3月10日以降と説明を受ける。ということは、それ以降に出発する航空券を手配しなくてはなるまい。

 

黄熱病の予防接種を受けた証

 

そして、今回もネット上で航空券を検索するのだが、なかなか気に入ったものが見つからない。前回利用した「DeNA」のサイトでは、羽田、パリ経由のダカール行きが一番安いと提示してくるが、パリの待ち時間が30時間以上もある。もちろん、その間におフランスの雰囲気を感じてみるのも悪くないが、単なる管理人の趣向から、いくつもの場所を一遍に行くことはあまり好まない。

 

そこで航空会社のサイトをブラブラ、まさしく「browse」する。まあ、日本からだと結局はヨーロッパ経由になるのか。しかし「アフリカに行くのだからアフリカの航空を使うのはどうだろうか」と思いついた。そこで調べてみると、日本との直行便を運航するのは、2017年3月現在では「エチオピア航空」のみで「成田-アディスアベバ線」だということが判明した。「お、これはおもしろそうじゃあないか」とノリだけで航路を決定した。なお、今回は値段の都合上「ena」のサイトを利用して、この区間の航空券を購入した。また、成田までの国内線については、これも値段の都合上ANAのサイトで直接購入したと補記しておこう。また、この際、目的地「ダカール」での宿泊場所も同時に予約しておいた。

 

参考までに値段を以下に示しておく。

 

成田-名古屋(往復) :20,000円

成田-ダカール(往復):132,060円

宿泊(Sargal Airport Hotel):40,662円

 

これで準備は整った。あとは出発を待つばかりだが、前回同様に特に意識することもなく、淡々とバイトに励んで3月24日を待つ。

 

3.出発前夜(3月23日)

 

さて、前述の予防接種後、直ちに航空券を購入し、バイト先へ休みを届け出る。上司は「えー!!そんな所へいくの??」とびっくりしていたが、そんなに驚くようなことだろうか。金を出して飛行機に乗れば誰でも行くことができるのだが、そう考えているのはやはり管理人だけのようだ。

 

そんなわけで、今日までは淡々とバイトに行き、何とか出発に漕ぎつけた。尚、今回はご無沙汰していた実家に前泊することにした。実は就職できない後ろめたさがあり、オヤジにも会わせる顔が無いと思っていたのだが、兄のすすめもあり実家の世話になることにしたのだ。

 

23日のバイトを終えて食事を済ませ、実家に向かう。久々にオヤジに会ったのだが、本人は息子の就職が決まらないことは気にしているものの、それを咎めるようなことはしない。それどころか「金のことは心配するな」と励ましてくれた。やはり、親とはありがたい存在である。

 

ひとしきり話をして、22時30分と早めに就寝する。しかし、ここへきて急に「セネガルへ行く」という実感が湧いてきて、なかなか寝付くことができない。遠足前の子供と同じである。成田空港のあの雰囲気は「海外に行く」という気分を大いに盛り上げてくれるし、最新のB787に乗って17時間、アフリカの大地に降り立つ。どんなことが待ち受けているのか、そう考えるだけでも興奮を抑えられない。高ぶった気持ちのまま、夜はふけていく。

 

第1日目(3月24日)へ続く