北海道紀行4 

(7月16日〜7月25日)

 

いきなり積載量オーバーか?

(サイドバックのカバーが逆だし・・・)

 

第1日目

 

0.旅は予定で未定

 

今年も7月がやってきた。ツーリングライダーにとって7月〜9月の期間は稼ぎ時である。何を稼ぐかは人によるが、当方は順当?に距離を稼ぐことが慣例である。距離といえば、昨年は富良野のふくだメロン付近でTDM900の累積走行距離が45,678劼箸覆辰拭0貶今年は出発時の記録で53,672kmだ。昨年の45,678劼8月中旬のことであるので、既に年間走行距離の目安である10,000kmをほぼ達成している。

 

ところで一応申し上げておくが、特に走行距離にこだわりがあるのではなく、その年の活動状況(=管理人の体調等の良し悪しを判断する目安)を鑑みることができる根拠がこの数値というだけのことである。昨年から今年はなんとか体調も良いので、それが数値に現れているようだ。まったくもって健康一番、ツーリング万歳だ。管理人を支えていただいている皆様に感謝している。本当にありがとうございます。

 

それはそうと、今年の渡道計画は立案が6月とやや出遅れた感があるが、その後は早かった。予定機材のKDX125は車体関係の整備を中心に行い、先日のタイヤ交換で完了となった。この内容については「北海道に向けてKDX整備」をご参照願うとして、並行してフェリーの手配やら不足品や更新備品の調達などで忙しかった。左右の振り分けバッグ、昨年破裂してしまったビニールザック、テントのペグ、ガソリン携行缶など、不況でボーナス額も横ばいであったにも関わらず、なかなか痛い出費である。しかし、先々必要なものであるから結局は購入しておいて正解であった。

 

こうして機材も備品も準備が完了したのであるが、どうも不安がつきまとって頭を離れない。初の泊まりOFFツーリングがいきなり北海道である点だ。確かに北海道は宿泊ツーリングを行うには本州よりも基盤が整備されているし、類する方々も多く走行している。エンジンの容積が125ccとはいえ、モトクロッサー直系のフルパワー22馬力を発揮するKDXの走行性能に不安は少ない。だが、いきなり複数泊で大丈夫だろうか。体力?快適性能?積載性?熊?転倒?・・・。次々と不安要素が頭に浮かんでくる。

 

そんな悶々とした日々を過ごし、ライダー本人の心の準備のみが完全にならないまま出発日7月16日がやってきた。当日は管理人所属の会社が採用しているフレックスタイム制度を利用して、勤務時間を2時間前倒して15時45分に退社した。同僚や上司も「気をつけて」と快く送り出してくれた、というか、夏の風物詩と化している管理人のロングツーリングに呆れて、いや理解をしていただいているという理解をしているのだが???

 

自宅に戻り、用意しておいたバッグをKDXに搭載していく。またまた不安感が膨張していく。「あっれぇ?こんなに荷物あるのぉ?」と某同僚の口真似をしてみるが、やはり心配だ。そりゃそうだ。よくよく考えてみるとKDXはモトクロッサーであり、セローなどのトレイルとはやや設計趣向が異なるもんなぁ。事前確認が甘かったよ。まあともかく積載は完了したので、出発する。おいおい、いきなり雨がパラついてきたよ。ええっと、サイドバッグのカバーをかけてその他のものもビニール袋に入れるっと。さらに不安が膨らんでいく。

 

1.機材変更

 

出発をしたのはよいが、どうも窮屈だ。シートの前後に全くの余裕が無い。さらに加速等はそれなりだが、車体の安定性が低すぎる。まあ慣れてくるかと楽観視していたが、やはり無理だ。どうも気分が嫌々になっているし、物理的にも辛い。おまけにこの帰宅ラッシュ。このままでは北海道どころか敦賀も怪しいぞ。とこの時点で出発後10kmを走行していたが、思い切って機材変更を決断。針路を自宅のある180方向へ向ける。そうなると急に気が楽になり、準備期間中の悶々とした、胸につかえるようなものがスーッと消えていった。完敗である。大々的にOFFの北海道行きを宣伝していたが、まったくもって情けない。でも物理的にも、気分的にも一定水準を保っていないと、ツーリングは安全に楽しむことができないと判断せざるを得ない状況であった。

 

気持ち的には楽になったが、ここで気を抜くことはできない。引き返す途中に、今回は予備機材にしておいたTDM900の現状を頭の中でチェックしていく。幸いにもKDXと並行してTDMも重整備が完了している。きっかけはフロントフォークのオイル漏れなのであるが、せっかく修理を店に出すのであるし、ついでに依頼する方が効率的だと考え、ステアリングステムのベアリング交換、さらには走行距離もそれなりなのでエンジンの弁隙間調整もお願いしておいたのだ。こうなると整備内容から、キリが良いところまでとエンジンオイル交換も頼んでしまった。よってTDMも絶好の状態にある。ところが、フロントタイヤのスリップサインが出ていたことを思い出す。こちらは北海道から帰還した後、8月にと考えていたのである。さて困ったぞ。ええい、この際だから事後に自己点検をするという条件付きで、大変に不本意ながら近所の部品量販店である「セッケン玉(仮名)」で交換してもらう作戦に出ようと決定する。今思えばTDM購入店のYSP天白に依頼すべきだったと思うが、おそらくフロント18インチのタイヤは在庫していないものと考えられるので、止むを得なかった。

 

自宅に到着して、電話で上記量販店にタイヤの在庫確認をする。するとリアタイヤと同銘柄のBT-021が1本あるとのこと。その場で商品をおさえてもらい、30分後に行くということで電話を切る。とりあえずKDXから荷物を解いて、ビニールザックに全て詰め込む。今回は15年前に購入した40Lものから、新規購入の60L大容量のものに更新したので、楽勝で収まる。TDMならばサイドバッグは必要ない。こちらは1泊のOFFツーリングにでも使うとして、「セッケン玉(仮名)」に向かう。受付でよくわからない書類に記入して内容を確認する。すると店員が「エアバルブというものが云々」と言い出したので、「昨年交換済みです」と遮った。さらにその店員は仕事熱心に「チェーンやスプロケ、ブレーキパッド云々」と続けてくる。ええい、全て点検なり交換済みだよ。セッケン玉に頼むのはフロントタイヤ交換とバランスだけだ。だいたい、この手の店はロクなことをしてくれないことが相場であるし、売りつけるものは大抵変にレーシングスペックに偏ったものだ。現に先日、本ページのツーリングリポートに登場した「挺遊号氏」もやられている。

 

それではとバイクの鍵を渡し、店員と駐輪場に向かう。念のためもう一度タイヤサイズ等を確認して不安な気持ちでマシンを送り出す。するとこの店員の馴染みの客と思しきスクーター氏がやってきて、なにやら話を始めた。店員はTDMに寄りかかって楽しそうにしているが、こちらは楽しくない。不本意にも依頼した自分に後悔しつつもこの状況では文句も言えない。10分程会話をしていただろうか、やっと店員が作業場の方へ向かってTDMを押していった。こちらも作業内容を確認しておかないと心配なので、ピット作業を見ることができるガラス張りの休息室へ急いで向かう。

 

ピットには4人の作業員がいて、各々が担当のバイクに部品を取り付けている。彼らの技量はどのくらいか知らないが、どうも作業が手荒いように見える。極端に言うと、5cmで足りる動作を15cmくらいにしているとでも言おうか。あと、1つ1つの動作の終わりが乱雑だ。擬態語で言うと、何かを取り付ける際に「コンコン」で済むところを「ガッチョ〜ン」という具合だ。全員がそんなのであるからTDMの作業も当然そんな様子であり、オーナーとしては気が気でない。まあ、タンク等には保護用の布を置いてあったりするので、大きな傷をつけられたりすることはなさそうだ。

 

作業後、料金を払って鍵を受け取る。まずは何かあるといけないので、ゆっくり走行して家に帰り空気圧をチェックする。案の定いい加減に2kg/c屬靴入っていない。まあこんなもんは想定の範囲内だよ、ヤマトの諸君。次にアクスルシャフト等の締め付け具合を確認すると、やっぱりメチャメチャに締め込んである。緩んで文句言われるよりもこちらの方が良いという考えだろう。規定通りにしておくが、これも想定の範囲内だ。あとは周辺のチェック。ホイールの傷は想定の範囲内だが、工具を打ち付けたようなものであるところが気になる。おおっと、アウターチューブに3mmくらいの傷を発見。まあこれくらいなら許しておこう。セッケン玉、俺の負けだ。

 

2.再度出発

 

TDMで仕切りなおし

 

整備チェックのチェックが終了したので、いつもの手順で荷物を搭載していく。やはりこの点ではTDMは頼れる存在だ。難なく60Lのザックをリアシートに固定して再度出発。この時点で時刻は20時30分だが、フェリーは敦賀港を17日の午前1時15分に出港する。90分前までに搭乗手続きをしておく必要があるので、23時45分が締め切りである。敦賀港までは約150kmあり、そのうち高速区間が130劼澄E喘罎膿事をしても3時間でお釣りがくる。楽勝なので、おおよそ制限速度で走行して積載状態の操作性に慣れておく。帰宅ラッシュの終わった街を抜けて、東名名古屋I.C.から高速に乗る。ちょっと速度を出してみたが、交換したタイヤのバランスも問題ないようだ。やれやれ、なんとか無事に出発できた。しかし、気を抜いてはならないので、余計な力だけを抜いておおよそ100/hで積算計を回していく。

 

ちょっと余談であるが、TDMによる渡道は4回目であり、かつ同一機種による3回の渡道は管理人の2輪歴では初である。過去の機材はGPX750Rが1回だ。VT250F掘RF900、そしてTDM850 による渡道は実現せずであった。本当は850でも渡道したかったが、諸々の事情で叶わず。 まあやはりTDMはロングツーリングには使い勝手がよく、管理人の能力が足らないところを十分に補って付加価値まで付けてくれる。今までの車歴の中ではダントツに評価は高く、今後も当面は乗り換え予定はない(と思う)。

 

やれやれ、バタバタと忙しかったが、やっとツーリング気分が盛り上がってきた。こうして気持ちに余裕がでてきて腹が減ってくるもので、夕飯を食べていない事に気が付いた。雨降りの難所である関ヶ原を越えて、丁度米原から北陸道に乗り換えたところだし、ひとまずは安心だ。そこで賤ヶ岳S.A.にて食事をすることにする。賤ヶ岳というと柴田勝家と豊臣秀吉が戦った場所であるが、それを思い出させるものは看板の絵くらいのものであろうか。夜で周りが暗いだけだったかもしれないが、もう少しその辺りを宣伝しても良いと思うのは私だけではあるまい。

 

さて、肝心の食事だが、夜も遅いので軽めの白えびかき揚げうどんとする。最近は冷凍うどんもそれなりのコシがあるので可というところだろう。ただかき揚げの油がやや酸化気味であったことは少々残念だ。これさえなければ白えびの味をもっと感ずることができたであろう。

 

普通のうどんでした

 

腹も満たしてあとは敦賀まで一気に走りきるのみだ。駐輪場で出発準備をしていると、同じく北海道へ向かうと思われるハーレーが一台滑り込んできた。ライダーは管理人よりも年上の方のようで、焦って電話をしている。盗み聴きする気はないのだが、声が大きいので聴こえてきてしまう。内容から察するに家族への報告をしているようだ。出かける前からこんな調子で電話しているのであるから、この先いったいどれだけ電話しなければならないのであろうか。

 

そう思いつつ残りの距離に20km程の仕上げにかかる。敦賀I.C.で高速を下りた後は街灯が少なくなるので注意が必要だ。このあたりの細かいことは一応4回目の渡道ということで、少しは注意を払うことができるようになってきたようだ。

 

3.敦賀着

 

国道8号線のバイパスを左折して、敦賀港へ向かう。その誘導路の突き当たりは貨物船用の港らしく、トレイラーの箱がビッシリ並んでいる。一方旅客用はここをさらに右折したところだ。23時頃に敦賀港フェリーターミナルに到着。一年ぶりにみるそのターミナルビルは昨年と全く変わりないものの、昨年のツーリングからもう一年も経過してしまったのかとやや寂しい気分になってしまう。

 

しかし、そんな気分に浸る暇は無い。と言うのも、フェリーの予約はKDX125での渡道を想定しているからだ。つまりは特殊手荷物を125奸文局奸砲ら750嫩兇慂儿垢掘∈抗曚鮖拱Гι要があるのだ。これは旅行代理店で購入したクーポン券をフェリー会社発行の乗船券に交換する際、申し出ることになる。早速乗船申し込み書に記入して、窓口に向かう。毎度ながら思うのであるが、こんな遅い時間でも窓口業務は女性が行っている。割増料金や深夜手当てなんかを支払っているのかなとヤボなことを考えつつ、笑顔の職員に癒されながら内容変更をお願いする。この会社の地上職員は毎度ながら好印象である。旅そのものとは直接関係ないが、やはり気分良く出航できることは嬉しい。

 

今年は管理人の読みの甘さによる機材変更をしたせいか、丁度良い時間に乗船用の待機所にマシンを並べることになった。やれやれ、ほっとしたら疲れが出てきた。それにしても30台以上はバイクが並んでいる。その中に珍しくも最新型のTDM 900を見つけた。オーナーは近くにいないが、見たところまだ新品同様のようだ。この日のために購入してトップケースやエンジンガードを取り付けましたという様相を呈している。それにしても何をこんなに持ってきているのか不思議だ。

 

一方、管理人の横にセロー250が入ってきて、オーナーと挨拶を交わす。こちらの方はこじんまりと荷物をまとめてある。その巧みな積載方法は感心するほどだ。もっとも管理人がその辺りの知識や技量が不足しているだけなのであろうが。ところで、このセロー氏は今年は道東で拠点を構えてのんびりとツーリングを楽しむと意気込んでおられた。また、テントについてもフライシートのみが自立するように工夫してきたそうで、雨の日の撤収もそれほど問題ではないとのこと。その内容をご教授いただいたところによると、グランドシートに荷物をまとめるベルトを縫い付けてテントのポールが取り付けられるように金具をとりつける。そこにフライシートが乗るようにしたとのこと。おお、整備もそうだがキャンプもアイデアなんだなぁと感心しきりだ。また、この技を惜しげもなく開示していただいたこと、そのものにも感謝。

 

4.出航

 

そうこうしていると、乗船指示が出された。乗船券を用意して係員に提示する。いよいよである。この時間は何回経験してもワクワクするではないか。旅の始まりはいつも高揚するなぁ。しかし、ここでは気をつけるべきことがいろいろあるのだよ。まずはタラップを上がっていく時、特に段差に注意だ。さらに所定の位置にバイクを停車する際にも船体が動揺して、転倒に繋がることもあるのだ。気をつけよう。また余談であるが、乗船券はクリアファイルなんかに入れておいて、洗濯ばさみ等でカウルに挟んでおくと便利がよいようだ。

 

バイクから荷物を降ろして、網棚に載せておく。この際にもヘルメットが棚から転落しない位置を選び、また傷のつかないように配慮しなくてはならない。

 

車両甲板での1コマ

 

あとは船内の受付カウンターで寝台の指定を受け、速攻で風呂へ向かう。今日はバタバタとして汗をかいたし、かなり疲れた。あー至福の時間と湯船で足を伸ばし、肩をコキコキとまわしておく。体を冷まして寝台でメモを記載して午前2時過ぎに就寝した。

 

本日の走行 150km

 

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