R1-Z氏ついに復活?ツーリング

 

2008/04/20

 

 

管理人宅でR1-Z氏とR1-Z予定2号機

 

0.R1-Z氏密かに復活を伺う

 

昨年6月から一時的に2輪を降りているR1-Z氏だが、事務所(家族)の機嫌を損ねないように復活を伺っている。購入する機体は既に決定(Y-XJR氏の機体)しており、この程手付金を支払ったという情報を得た。しかし、当分は家族の目に触れないようにしなければならいないとう理由で、保管場所に頭を痛めている。そんなわけで、機体は現オーナーのY-XJR氏宅に保管していただいている状況だが、今回は店主催のツーリングが開催されるということで、オーナーにお願いして拝借したという次第だ。

ツーリングに先立って、機体を拝借する為にY-XJR氏のご自宅へお伺いした。ところで、R1-Z氏は当日21時過ぎまで仕事があり、その後拝借に伺ったわけだが、氏のバイクに対する「何としても乗りたい」という執念で、疲れた体に鞭打って22時半に拝借完了となった。

その後帰宅途中、R1-Z氏はまさに水を得た魚であった。街の混合交通の中をスイスイと泳ぎ、久々に2輪の感触を味わっていたようだ。「人のバイクだからね・・・。」という言葉は完全に頭から消え去っていた???かも。一昨年の北海道ツーリングのように、浮き足立って見えたのは管理人だけであったとは思えない。また、機体の方も至極快調で、ぱっと見たところエンジンの具合はXJR氏の言っておられた距離数に合致している、いやそれよりもよい状態を保っているかもしれない。ブレーキ、足回りは整備して間もないようで、特に不具合もないようだが、チェーンの張りと給油状態があまり良くないようだ。これについては明日早朝に管理人自宅にて調整・給油を行うこととした。

 

1.ん?混走?

 

ツーリング当日は運行前点検を兼ねて、管理人自宅に一旦集合した。昨日の機体移動中、機体にいくつか気になる点を発見したからだ。一つはチェーン関連、またフロントフォークがやや汚れており、軽い錆びが浮いていた。前者は張りを調整後、チェーンオイルを給油し、浸透した頃に余分な油を拭き取っておいた。また、後者についてはワックスで軽く磨いた程度でおおかたの錆を除去しておき、後日ピカール等の研磨剤でみがくこととした。ところで、管理人はこのインナーチューブの状態を非常に気にする。外観上光っている方が気分が良いことはもちろん、収縮するフロントフォーク内の減衰に用いられるオイルを封入する役目も担っているからだ。さらに、ここが滑らかであれば、当然走りもスムーズになる。見える場所で、かつ簡単に効果を上げることが可能な部分であるので、是非運行前点検項目に加えることをお薦めする。

 一通りの点検と調整が完了したので、出発する。氏の2ストサウンドが後方で聞こえると、管理人の脳内では何かアドレナリンの分泌が盛んに行われるような感覚に陥る。いわゆる気合が入るというやつだ。もっとも、R1-Z氏本人の分泌量にはかなわないことは言うまでもない。

まずは猿投グリーンロードの西広瀬P.A.を目指す。ここまでは米野木駅前の新しい道から、愛知池、三好ヶ丘とheading090から020で計器飛行。さらに「技術の中山です」の中山インターから猿投グリーンロードに乗り、西広瀬PAへ到着した。

現地には様々な団体が待ち合わせをしているようで、モンキー、デカスクータ、SSと多彩な車種を見ることができた。その中でも悪徳バイク店で名高い「MEぞ火事場(元はMP)」の取り扱うMVアグスタF4なんぞも見かけた。断っておくが、バイクとしてのF4は非常に繊細な造りで、俊敏かつ味のある独特のバイクらしい。問題はそれを売る店の問題なのである。これを読んでおられる皆様、「気をつけよう、MEぞ火事場とピップには」、これを是非合言葉としていただきたい。もっとも、この種のバイクに乗る御仁も「お前ら国産なんぞとは違う」というオーラを出している方が見え、それを感じて敬遠する周囲の方々という図式も見逃せない。

話が逸れたが、9:30集合の予定に対して、15分程早く現地に到着したものだから、まだメンバーがあまりいなかった。その一人にバンディト1250に乗られるBOX氏がおられた。この方は仕事も引退され、今や趣味人として生きておられるようで、四国、九州を回られており、この夏は北海道上陸を画策されておられるようだ。ところで、バンディドというと1200ccの油冷エンジンを搭載した型が有名だが、近年加速度的に強化されている排ガス規制の影響で水冷化されてしまった。XJRは空冷のまま何とか規制を乗り越えているので、ぜひともスズキさんにも油冷バンディトを残してもらいたかった。

と思っていると、YSP北と天白のグループも到着。ところが、天白組の方は「アメリカン」ばかりではないか。さらに4輪混走だし。さらには非常にバイクには適していない服装のタンデムライダーもいるではないか。「ん?混走??」ちょっと心に影がかかっていたのはきっと管理人だけではなかったと確信している。

 

 西広瀬P.A.にて、一番右が管理人の背中(写真提供:YSP北)

 

全員集合したので、店長によるブリーフィングが行われた。ここではルートの説明などがあった。2輪は自己責任が絶対の条件であることは言うまでもないが、その件は何も言及されなかった。店の人では言えないので、管理人は、これは暗黙の了解と判断した。

 

2.茶臼山北側へ

 

いささかの不安を感じながらも西広瀬を出発。まずは国道153号から県道46号へと乗り換え、茶臼山の北側を抜けるルートをとるようだ。それにしても、アメリカンの方と4輪の後ろについてしまった。TDMは苦痛を感じることはないが、さすがに退屈だ。153号に乗り換える時に前にでておいた。その後はXJR、R1、R6、FZ-1などのスポーツ車と共に軽く流していく。後方にはお馴染みのR1-Z。相変わらずいい音させている。それにしても、氏の予定2号機は1号機よりも加速が良いようだ。どうも規制前のエンジンのようで、走行距離数も少ないことが好影響していると見られる。逆に考えると、1号機のエンジンはその外観からいって実走10万kmくらいは稼動していたと見られる。やはり悪徳バイク屋ピップは侮れない。

国道は至極退屈であったが、根羽村役場前から県道に乗り換えると様子は一変する。交通量は少なくなり、広めの片側一車線の道路はウネウネと標高を上げていく。スポーツ車の一員として気持ちの良い速度で走っていく。一方、後方のアメリカン+4輪グループは大幅に遅れをとっていて、はたしてちゃんと付いてきているかどうか、という疑問が頭をよぎる。お互いに楽しく走るためにも、企画を別々に設ける方が良かったと思われるが、店の都合上そのようにはいかなかったのであろう。

売木峠を越えると、次は下りになる。今まではTDMのパワーでR1-Z氏を従えてきたが、ここからはもうだめだ。氏はR1-Zの累積走行2000時間と教官級の腕を持っており、さらに軽量な同機体は下りワインディングでは無敵と言えよう。そぉら、つついてきたぞ。こちらも意地でなんとか走っているが、明らかに後方R1-Zの方がコーナー突っ込みから立ち上がりまで一段速い速度を維持している。「人のバイクだから軽く・・・」という言葉はどこへやら。

そうこうしていると売木村の村営施設である休息所へ到着。

 

                          

                 R1-Z氏(右)と管理人(左)が談笑の図(写真提供:YSP北)                              アメリカンバイクに囲まれてR1-Z氏と2号機

 

ここではR6氏等と談笑するが、「R1-Zはラインが違う」と同氏は舌を巻いていた。やはり2000時間は伊達ではない。このうち半分は管理人のTDMと走っているわけだから、パワーバンドの使い方が非常にうまいし、先述の軽量さを活かした走りはまさにカミソリの切れ味だ(管理人が評価をしていることが非常におこがましいが、その辺りはご勘弁を)。

一通り休息の儀式を済ました頃に、やっとアメリカングループが到着した。それにしてもこのような状況になってしまっては交流も生まれないし、雰囲気も悪くなってしまう。繰り返しになるが、各々の使用用途にあったツーリングを行う方がお互いのためには良いようだ。

 

3.いよいよ目的地へ

 

ひとしきりメンバーの方々と談笑した後、いよいよ目的地のおきよめの湯へ向かう。ここへは国道418号線を抜けていくわけだが、ここもなかなか良い道だ。如何せん道幅が狭く、砂が出ていることが難点であろうか。それなりの速度で軽快に走っていく。途中工事中の箇所があり、舗装が剥がされていたが、TDMはこのくらいのダートはほぼ平気だ。フロント18インチタイヤの恩恵に感謝して右へ、左へ切り替えしていくとおきよめの湯が見えてきた。ここはいままで1度か2度寄ったことがあるくらいで、ほとんどは素通り、この先の滝を越え、国道152号へ向かうという場合がほとんどだ。

 

 おきよめの湯全景

 

2時間後に出発ということで、まずは温泉に入ることとする。他のメンバーはほとんど食事へ行かれたようで、食堂は大混雑であったと後に知らされた。飯の前に風呂ということは半ば常識と思っていたが、案外違うものらしい。

ところで、ここでは丁度桜が見ごろを迎えており、川沿いに桜並木が形成されていた。また、露天風呂はその川沿いの高台にあり、まさに花見風呂であったことを付け加えておこう。

 

 おきよめの湯の内湯と露天風呂(写真提供:YSP北)

 

ここでは、先述のバンディトBOX氏と会話を楽しんだ。氏は40年以上前からオートバイに乗っており(CB72を所有しておられたそうだ)、当時北海道も行かれたことがあるらしい。途中のブランクを経て、現在もツーリングを楽しんでおられるようだ。ただ、持病の腰痛が悩みの種らしく、管理人としては、氏が末永くお乗りになることができるように祈るしかない。

 

 満開の桜を背に、バンディッドBOX氏とR1-Z氏(奥に露天風呂がある)

 

話は変わるが、管理人が免許を取得した頃はまだまだレーサーレプリカ時代の名残で、バイクに乗る年齢層は若年層が中心であった。しかし、近年は管理人などはハナタレ小僧のようなもので、最近の年齢層の上昇を痛感する。年齢層が上がったおかげで、オートバイも多少市民権を得つつあると感ずることもあるが、いわゆる旧車族という団体も目立ち始めており、一筋縄にはいかないようだ。いい歳こいて、暴走族まがいの行為を行うジジイ共、気持ちはわかるが、自分の首を絞めているだけだという事実に一刻も早く気が付いて欲しいと切に願う。もっとも、管理人も旅ライダーとして、できるだけ長く乗り続けたいものだとこれまた切に感じている。

風呂の後は食事だ。食堂は郷土物を数種類用意しており、R1-Z氏はソースカツ丼、BOX氏はとろろ汁、管理人は豪勢に馬刺し定食とした。

 

    

                       ソースカツ丼を前にご満悦のR1-Z氏(仕事では絶対見せない笑顔)                    馬刺し定食を前に管理人

 

馬刺しといえば信州の方々の大事な蛋白源で、昔から食べられていたのだろうか。基本的に赤身で、味は淡白、にんにく醤油でいただくとこれまた絶品だ。あとはしいたけの煮物、ゼンマイ(ワラビ?)と野沢菜漬と信州の味覚を満喫できたが、1300円はやや高いか。

 

4.はみ出し301号隊

 

帰路は国道151号線まで戻り、豊川へと南下していく。山間部はなかなか良い流れであるが、下るにつれて交通量が増え、速度も落ちていく。途中局所的に雨が降ったようだが、幸い大事には至らなかったのでほっと胸をなでおろした。この後はゆったりとした交通の流れで、少々退屈であった。ところで、予定では豊川から名古屋まで、東名を使用するとのことであったが、それでは寂しいのでR1-Z氏と301号を抜けるルートをとろうと画策していた。そこで、豊川直前のこんたく長篠なる施設で休息中に「はみ出し301号隊」離脱宣言をしておいた。ところで、この施設はレストラン、屋台、地元の産物売り場などがあり、なかなかの賑わいをみせていた。大山牧場のアイスクリームなる屋台が気になったが、ここは水分の補給のみとしておいた。次回は是非に食べたい。最近この手の施設が充実しており、本当にツーリングも行いやすくなったなぁ。昔はコンビニの駐車場で縁石に座っていたが、こういった施設はベンチも設置してある。アリガタヤ。

さて、本隊と別れて、R1-Z氏、不肖管理人が隊長として301号線に進入する。ところで、我々の他にもう一人、家が同方向にあるFazer K氏も参加することとなった。氏も今までの流れに少々退屈していたようで、別ルートをとる我々に合流したというわけだ。301号を新城方面から上っていくとヘアピンの連続だ。途中お馴染みのガンポー林道の入り口もある。本宮山の入り口を越えて、ひとしきりワインディングを堪能した後、道の駅、手づくり作手にて休息&談笑する。

 

 左からFazer、R1-Z、TDM。左の人物がFazer K氏、右は管理人

 

氏は4年前にバイクの免許を取得、それ以前は原付スクーターしか乗ったことが無かったということであった。そこで、なぜ2輪免許を取得したか、という方向へ質問を移していく。どうやら通勤路が遠くなったので、まずは普通2輪免許を取得、さらに間髪いれずに大型2輪免許を取得したそうだ。そしてFazerを初の2輪として購入したわけだが、最初は「えれえものを買ってしまった。本当にええかしゃん」と思われたそうだ。そりゃそうだろう。ひとひねりで100km/hオーバー、その気になれば200オーバーも楽々、それも4輪の加速度とは比較にならない。「バイクに乗るとはこんなに大変だとは思わなかった」とも言っておられた。しかし、そんなこんなで今や400時間以上の経験を積んでおられる。ご本人曰く「素人」と称しておられたが、なんの南野、ワインディングでの走りも特に危ない要素は無いと見えた。さらに話を聞いてみると、店のツーリングが少々物足りなく思えてきたので、いろいろと走り回りたいようだが、イマイチ道がわからないそうだ。ということで、管理人達に今度どこかへ行く場合は、声をかけて欲しいとのことであった。きっと氏は道を覚えるにつれて距離が飛躍的に伸びる型に入るライダーであろう。

それはそうとして、管理人は、都合の良いときに集まることができる人が集まって楽しく流す、そんな気楽なツーリングを目指しているので、それに賛同される方なら拒む理由は無い。さっそくR1-Z氏を通じて連絡が取れる体制を確立したのであった。

 

5.帰宅

 

その後は301号の残りの高速コーナーを楽しみ、お決まりのコースで国道153号線に乗り換え、近所の書店にて解散となった。

ところで、この後はR1-Z氏が機体を返却するということで、再びY-XJR氏の自宅を尋ねた。丁度氏のグループもツーリングを行っていたそうで、互いの一日について、喫茶店で情報交換会を行った。この方々も非常に濃いキャラの持ち主で、常に面白く、時に真面目な話で盛り上がり、有意義な夕べとなった。そして、氏の主宰するTEAM KUSEMONO(曲者)の一員として認めて頂き、お誘いがある場合は連絡を頂けることとなった。

 

6. まとめ

 

今回の出来事で、Fazer K氏、Y-XJR氏と同じ趣向を持つ方々と親しくさせていただくことになった。大変光栄であり、嬉しいことであることは言うまでも無い。が、管理人はどちらかというと人付き合いが苦手な方だ。ということで、特に仲間の輪を広げるという活動はしていない。それにもかかわらず、こうした嬉しいお誘いを受けるということは、まさに「類は友を呼ぶ」ということだろう。特に趣味であるから、ほぼピタリと好みが合致しないとなかなか難しい面がある。そういう状況の中で、R1-Z氏をはじめとした方々と懇意にさせていただいていることは非常に嬉しいし、大切にすべきものであると思ったしだいである。

また、管理人は現在走行5500時間を計上しており、楽しい道を走ろうと地図を眺めている。これは当たり前の事であろうと考えていたが、実はそうでもないようだ。地図で道を探して走りに行くということは案外手間に感ずる人もいると今回知った。そう考えると、管理人の道に関する知識、太陽方角走法&方位磁針走法(そんな大したものとは思えない)も一つの財産なのかもしれない。このように角度を変えて物事を見てみると、意外な発見があるものだ。また少し2輪が楽しくなったと感ずる一日であったし、これからも安全運転で精進していきたいものだ、ということで今回のツーリングを〆めようと思う。

 

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