2013年 夏の北海道ツーリング

 

2013年8月16日〜25日

 

出発前に自宅アパートにて 

管理人と新機材SL230

 

0. 2年ぶりに北へ

 

昨年は金銭的都合や、エアロビクスのインストラクター修行を行っていたので、夏休みは出かけることはなかった。しかし、今年はそれぞれに都合が付いたので、2年ぶりに渡道を決意した。ただ、日々の業務が忙しく残業が続いていたので、準備は長い時間をかけてコツコツとおこなった。

 

準備といっても、今まで6回の渡道歴を持つ管理人である。大抵のものは揃っており、消耗品の補充程度かと思われるだろう。しかし、今回はまずマシンの調達から始めることになった。正確には北海道ツーリングのために機材を入れ替えたわけではない。今まで愛用してきたXLR125Rがどうも調子が悪く、調整を繰り返さなくてはならなかったので、買い替えを決意したのだ。もともと機構上、冷間時の始動性があまり良くなく、真冬の通勤ではやや苦労していた。加えて、「北海道にオフ車で渡りたい」という気持ちがどうにも抑えられなかった。

 

機材更新の詳細について興味のある方は、別項をご覧いただきたい。

 

こうして今年は新たに導入した機材、ホンダ式MD33型機であるSL230をメイン、TDM900をサブ機材として準備を進める。

 

特にオフ車だからといって持ち物に違いは無い。そう思っていたのだが、まずヘルメットの内装がダメになりつつあることに気がついた。いや、そもそも10年近くも使用していたことに今更気がついたので、これは買い換えだ。

 

さらに、荷物の固定方法がちょっと思案のしどころだ。というのも、TDMはフックが大きく、座面も広いので荷物の積載にそれほど苦労はないが、SLの場合は話が異なるのだ。リアキャリアを装着してはいるが、ここに全重量を載せるわけではなく、タンデムシートも併用する。そのシートだが、SLの座面はこのクラスにしては広めだが、TDMにはかなわない。そこで、19年前に初めて渡道した際に用いた「板作戦」を採用した。何のことはない、荷物と座面の間に相応の板を敷いて、荷物の安定性を図ろうというものだ。秘策は、板に滑り止めマットを接着剤で貼り付けておいたことだ。これで座面幅については支障はなくなったが、フックの数と大きさがちょっと足りない。そこで、ホームセンターでゴムチューブを購入して、強固に固定できるようにしてみた。さらに、19年ぶりにストレッチコードも更新した。

 

あと、服装であるが、そんなに攻めないので通常通りだが、靴をどうするか迷った。ハイカットのライディングシューズか、オフブーツで行くか、結局は「主だった超有名林道のみを走行する」ということが今回のオフロードの課題なので、前者決定した。また、今回からはテントを「モンベル クロノスドーム況拭楡賤僖哀薀Ε鵐疋掘璽函廚吠儿垢靴燭海箸睇婬しておこう。

 

8月16日(0日目)

 

1.出発

 

 当日は通常通りに出勤し、業務を行う。というか、お盆期間中をまるまる出勤して、その代わりに翌週を休みとしたのだ。やっていることは変わらないが、なんだか会社に言い訳が立ちやすい方法だと感じるが、どうだろうか。

 

業務を通常より1時間早い17時で終了、帰宅してから荷物の最終確認を行う。何日も前から荷造りはしていたので忘れ物も無いはずだったが、スタンドの下に置く板切れを忘れてしまった。おかしいなぁ、確かに入れたと思ったのだが、旅から帰ってきて玄関で見つけた時には「歳取ったな」と寂しくなってしまった。

 

板切れを忘れたまま、リハーサル通りに荷物を固定する。前述のチューブで縦方向に、20年ぶりに新調したストレッチコードでたすき掛け、これで林道でも荷がズレることはなかろう。わくわくしながら離陸前点検を実施し、エンジン始動許可を得る。おっと、その前に恒例の出発前の記念撮影をしておこう。

 

こうして19時50分に自宅アパートからゆっくりとSLで走り出す。ところで、現在のところ、SLでの飛行時間は15時間程度、つまりは通勤プラスアルファで乗務したのみだ。ということは、SLでのツーリングは初めてということになる。本来ならばオイル交換時期である100時間程度は乗り込んでおきたかったが、機材更新を決意したのはほんの1ヶ月前だ。北海道ツーリングは機種移行訓練と位置づけ、出たところ勝負ということで管制とは話がついている。もっとも、勝負というほどでもなく、一応総飛行8,000時間の経歴もあるので、特別に難しい訓練ではない。淡々と距離を稼いで、特性を覚えていこうと思う。

 

ところで、今までの渡道はすべて大型バイク(GPX750Rで1回、TDM900で5回)であったが、今回は中型バイクのSL230である。これは当方の渡道歴においては初めてのことである。また、7回目の渡道も最高記録を更新するものだ。

 

名古屋の東端の市街地を痛いほど視線をもらいつつ、いつものようにエアロビクスをしている、ジムの支店を横目に東名高速名古屋I.C.に入っていく。さて、今回の使用機材であるSL230であるが、対TDM比で排気量・馬力は約1/4である。高速道路の走行はやや不安の残るところではあるが、重量的には約1/2である。「軽さは最高の高性能」であるから、おそらく大丈夫だろう。怪しげな自信を持って、ランプウエイを加速していく。そして緊張の本線合流、もちろんTDMのような加速は出ないが、なんとか43ノット程度まで加速し、そのまま速度を維持していく。このバイクはいったいどのくらいの速度が巡航に適しているのだろうか。バンバン抜かれてはいるが速度を維持して、エンジン音や車体の安定性に注意を払う。ちょっと操縦安定性が低いかなと感じるが、もう走るしかない。ちゃんと高速走行もリハーサルしておくべきだった、と後悔したことは言うまでもなかろう。

 

ひとまず巡航速度で様子を見ていると、だんだんと手がしびれてきた。思ったよりも細かい振動が出ているようだ。また、少々風が吹いてきたせいか、ジャケットの袖、脇がバタバタして肌に当たり、かゆく感じてくる。休憩予定の養老S.Aはまだ先なので、.片手をハンドルから離したり、その間にジャケットの絞りを活用してバタつきを抑えてみた。ふぅ、ちょっとはマシになったな。

 

東名と名神の境目がある小牧I.C.付近を通過する。小牧といえば、イントラの同期であるE氏の活躍場所だ。今や週に15本程度のレッスンをこなしているようで、すっかりとベテランの領域に入っていると聞いた。とても嬉しく思ったが、少々胸が苦しい・・・。

 

淡々と走行を続けていたせいか、疲れが出てきた。また、巡航速度が低めのせいか、なかなか積算計が回ってくれない。やや凹み気味のところへ、やっと養老S.A.の看板が出た。やれやれ、やっと休息できるよ。速度を落としつつ、バイク専用の駐輪場へ向かう。遠くから見てみると、3台程バイクが止まっていた。ハーレー、GSXR、スクーターと車種はバラバラだ。それにしてもこの屋根付きの駐輪場は本当に助かる。今日のような晴れの日でも夜間は明るく電灯で照らされているし、雨が降っている時は雨宿りもできる。まあ料金を払っているので、このくらいは設備を整えて欲しいものだ。尚、養老S.A.といえば、2006年の渡道の際、舞鶴港での乗船手続き時間が迫っているにもかかわらず、呑気にうどんを食べた場所だ。あの時はR1-Z氏にご迷惑をおかけしました。改めてお詫び申し上げます。

 

マシンを止めて、一息つく。なんだか落ち着かないと思っていたが、まだ飯を食べていなかった。幸いにも養老はかなり店が充実していて、食べるところには困らない。少し歩いて建物の中に入ると、多くの人で混みあっていて、まだお盆の期間中であることを気づかされる。券売機もちょっと行列かぁ、暑くて胃の活動もイマイチなので食欲があるわけでもない。ここは簡単にカレーにしよう。そう思っていたら、ちょうどオリエンタルカレーの店が見えた。養老S.A.、やるじゃん。

 

 オリエンタルカレーの図

 

ところで、このオリエンタルカレーであるが、店舗での営業も行っているが、市販のカレー粉も販売している。当方が子供の頃、たまに作ってもらっていたっけ。あの素朴な味は何年ぶりか。そう思いながら待っていると、一皿のカレーが出てきた。もちろんセルフサービスの店なので、適当な場所を見つけて座る。一人だけなので、こういう場所、状況でも苦労することはない。

 

カレーを食べるとやはり素朴な味で、当時の記憶で間違いは無かったと確信した。もっとも、この歳になると何がいつの出来事なのか、かなり怪しい。やはり歳を取ったなと独りで苦笑していると、隣の席の2歳ぐらいの子供と目があった。笑いかけると恥ずかしそうにしていたが、ちょっとこちらが気になるようで、時々目が合う。こういうの結構好きなんですよ。自分が小さい頃によくしてもらったからね。

 

2.敦賀フェリーターミナルへ

 

腹が落ち着いたので、気持ちも落ち着いた。子供に手を振って席を立ち、マシンへ向かう、っとその前にトイレで軽量化しておこう。軽量は最高の高性能である??、我ながらくだらないが、こういうのも大好きだ。オヤジ化進行中である。

 

駐輪場に戻ると、先ほどのハーレーやGSXRに加え、なんとTDM900が含まれていた。今回はバックアップ機として留守番だが、こうしてよくよく見てみると、ツーリングバイクと呼ぶにふさわしい。タンデムシートの幅、荷掛けフックの位置、んー申し分無い。

 

独りで納得しながら走行再開。敦賀までは残り70卍度なので、引き続き安全航行で行きたい。エンジンを始動して駐車場を横切り、ランプから本線に合流する。この際、もうちょっとエンジン回転を上げ気味にしてみた。するとどうだろうか、このバイクとは思えないように加速するではないか。SOHC2バルブの単気筒、230奸△泙△海鵑覆發里任靴腓Δ隼廚辰討い寝誕・巡航だったが、それはまだまだ7割程度だったようだ。

 

6速トップギアに入れて48ノット程度で巡航してみると、43ノットの時よりも振動が少ないではないか。しかもピックアップも良く、キビキビ感が全く違う。そうか、このバイクはこの辺りが高速巡航に適しているのか、SLさんすいません、甘く見てました。

 

やや快適な走法を発見したので気も楽になり、米原J.C.を通過する。ここでは、このツーリングで初めて、高速コーナーをまわることになる。慎重にマシンをバンクしていくと、リアタイヤの荷重が多いからだろうか、円形のランプ路を少しのバンク角で抜けていく。どうやら後輪荷重が増えている分、それが車体の向きを積極的に変えてくれるようだ。そしてコーナー後の直線で北陸道に合流するが、今度はおいしいエンジン回転数で気持ち良く合流できた。んー、なかなかやるじゃあないか、SL230。タンクをポンポンと軽く叩いて、そのまま48ノット維持で走行を続ける。

 

途中で霧が出たり、急に気温が下がったりしたが、問題なく敦賀I.C.までを走り切った。

 

敦賀I.C.で2,650円を支払い、国道8号線に乗り換える.。浮かれていないでしっかりと走行しよう、と気を引き締めていく。そしてほんの数キロ離れた、敦賀フェリーターミナルに到着した。目の前には昨年就航したばかりの「新すいせん」が出航の準備中で、いつものようにトレーラーが頻繁に出入りしている。これで何とかオフ車で北海道に渡れるぞ。ついに来たなぁと感慨にふけってしまった。いやいや、まずは乗船手続きを行わなくてはならない。

 

ターミナルの1階にカウンターがあり、にこやかな女性が応対してくれる。当方には、今年の新入社員らしき方が応対してくれるようだ。ところで、新日本海フェリーは昨年からQRコードを用いた乗船、退船管理を始めており、切符の形状も変更になった。それに伴い、代金の支払い方法などのシステムも刷新されたようだ。そこで当方も、今年はインターネット予約でコンビニ代金支払いの形態で予約・支払を済ませてある。このおかげで、窓口で乗船手続き書を記入する必要もなくなったので、予約番号を告げるのみで発券が行われる。いつぞやのように、太鼓を叩いて首をヘコヘコさせている連中に乗船手続きを邪魔されることは無くなった。世の中便利になり嬉しいが、ちょっと味気ないかな。

 

それはそうと、今回は最初、TDMでの渡道を考えていた。しかし、予約後に、オフ車機材更新により急遽新機材SLを使用することにしたので、窓口で差額が5000円程度払い戻された。これは大きな臨時収入だ。というのも、7月は奨学金の返還、ツーリングの準備で何かと出費がかさんでいたので、結構ピンチだったからだ。

 

3.出航

 

手続きを終えてマシンの所へ戻ると、いつの間にか待機しているバイクも当初の2倍程度になっていた。そして、まだまだこれから到着するライダーもチラホラ見える。だんだんと気分が高まってくるのが自分でも実感できる。そりゃそうだ、2年ぶりの北海道なんだから。

 

フェリーターミナルにて待機中

 

他のマシンを見ながら、うまく荷物を積載している方は見えないかと待機場をうろうろしてみる。すると、「あのぉ〜、メンテナンスとかってわかりますか」と不安そうな顔をした若い方から声をかけられた。わかるってほどでもないのだが、自称ニューギニア6級整備士なのでマシンを点検してみる。その方のバイクはグラストラッカーなのだが、前輪ブレーキから音がする。これはディスクとパッドが当たって引きずっている音だ。詳細をたずねてみると、出発前にパッドを交換したばかりらしく、その前は鉄板で制動していたようだ。

 

また、よくよく細部を見てみると、エンジンオイルのにじみ、フォークインナーチューブの点サビが確認された。おまけにタイヤもツルツルだ。さらに、ステアリングステムからも「コツコツ」と締め付けのゆるみ、ベアリングのガタらしき手ごたえを感じた。んー、おそらくブレーキディスクも致命的ではないにせよ、歪んでいるだろう。安物を量販店で買ったという典型的な例だと思われた。

 

ただ、即座に壊れるような状態ではないので、「ブレーキについては、パッドのアタリが出てくるから走っているうちに治るよ」と返答しておいた。また、お節介かと思ったが、「タイヤが減っているので、雨の日のブレーキには注意した方がよいよ」と助言をしておいた。

 

さて、いよいよ乗船の指示が出された。エンジンを始動して、係員に切符を見せる。今までは半券を切り取っていたのだが、今年は前述のようにQRコードを読み取って終了だ。また、切符のサイズも変更になったので、ポケットに入れやすい。利便性の向上というところだ。

 

それにしても車両甲板は蒸し暑い。さらに、バイクは最後の乗船ときているから、空気も悪い。さっさと荷物、ヘルメットを網棚に載せて、客室へ向かう。ところで、前述のようにこのフェリーは昨年就航の新造船なので、また新車の香り?らしきものがする。もちろん、壁や床もきれいだし、通路もやや広くなったように感じる。おそらく快適性も大きく向上していることだろう。

 

車両甲板にて

 

係員の案内でツーリストA、昔で言うところの2等寝台の指定場所を発見した。おお、一応2段式の寝台だが、上の段は壁を隔てて斜め上方になっていて、実質1段と変わらない構造だ。また、当方は一番端のベッドなので、お向いさんもいない。さらに快適にくつろぐことができそうだ。

 

ツーリストAの寝台

 

早速、風呂用意をして、大浴場へ向かう。ちょっと混んでいるかなと予想していたが、ちょうど今まで入浴していた、4輪乗船の人達が出ていった後のようで空いていた。洗い場を見つけて落ち着いて体を洗い、湯船に浸かる。やれやれ、今日は疲れたなぁ。ほとんど機種移行訓練をしていない、MD33型機の慣れない高速走行のせいだろう。北海道ではゆっくりと走って楽しみたいものだ。そして、何としても函岳に行ってみたい。実は当ページと相互リンクいただいている朗報さん主宰の「放浪のページ」に、函岳山頂までの林道の様子が書かれているのだが、それを見て当方もいつかは行ってみたいと思っていたのだ。

 

お湯に揺られていると「ボォ〜」と汽笛が鳴った。いよいよ出航である。おや、「ジャンジャン!」のドラは廃止になったのか?

 

風呂でしっかりとくつろいだ後、歯磨きを済ませて寝台に戻ったのは午前1時、そのまま就寝となった。

 

1日目へ続く

 

本日の走行 150