K&N純正交換型エアフィルタ

 

K&N 純正交換タイプフィルターと専用メンテナンスキット

 

装着の経緯

 

2006年秋、ヨーロッパヤマハのページに愛車のTDM900のスロットルポジションセンサーに関するリコール情報が掲載された。内容を簡単に説明すると、エンジンを高回転に回しているときにクラッチを切るとエンスト、そこへクラッチを繋ぐと転倒する恐れがある為、対策品に無償交換すというものであった。スロットルポジションセンサーとは簡単に説明すると、抵抗値や電流値を用いてスロットルの開度を検知するものだ。当方の機体にでは上記のような症状は無かったが、水温が上昇中の時にエンストしやすい傾向があった。

早速ヤマハから封書が届き、YSP天白に足を運んだ。すると店長は「ご迷惑を、、、」とお詫びの言葉を述べたが、別に店長の責任ではないし、そもそも当機は危険な車両ではなかったのでそんなに気にしていない旨を述べ、作業をお願いした。

作業は1時間程で終了し、帰宅した。

 

上記の中途半端な水温でもエンストしにくくなったなぁ。と思っていた。ところが、春頃からトップ2000r.p.m.付近でスロットルを大きめに開けるとタタタタ、とノッキングが出るようになった。正確にはセンサー交換後から出ていたと思われるが、KDXに振り飛ばされて肋骨を骨折していたりしていたのであまり距離を乗れていなかった為、気が付かなかっただけであろう。

顕著に感じたのは九州ツーリングからだ。はじめはオイルか?と思い、オイル交換をしたが、一向に収まらない。そもそもトップの2000回転なんてあまり使わないし、そこで大きめにアクセルを開けるなんてことはしない。だいたいそっと開ける。TDMのようなビッグボアのエンジンは急なスロットル開けに対しては混合気が薄くなり、ノッキングを起こしやすい。ましてやTDM900は270度クランクで、その傾向が顕著だ。不等間隔爆発になり、さらに爆発タイミングが相互の気筒間で近くなることも要因だろう。しかし、いままでなんともなかったわけだから頻度が少なくても気になってくる。

 

はたしてノッキングの原因は何か?34600kmを走行していて、あまり高回転を使わない管理人の運転ではピストン頭頂部にカーボンがたまりやすい。ヒートスポットができているのか。いや、それならもっと過激なノッキングが広い範囲で起こるはずだ。順当にプラグから見ていこう。排ガス規制の影響で最近のバイクは電子制御の燃料噴射装置を採用している機種が多くなり、我がTDMも例外ではない。電子制御なので、適切な量の燃料が噴射されているようだ。いや、TDMに限っては逆車であり、主要販売地域のヨーロッパに的を絞ってセッティングがなされているようで、混合気は薄めのようだ。よってプラグなんてほとんど見る必要が無いくらいにきれいに焼けている。もっとも解りきっていたが。次はエアクリだ。純正新品に交換後8000km程走行している。多少汚れているが、問題は無い。エアを吹いて清掃しておく。

 

多少はよくなったか?いやあまり変わらない。そこで思い出した。スロットルポジションセンサー???そうだよ、推測するにやや開き気味に変更されて点火が若干進角方向になって、今までノッキングぎりぎりだった回転域では症状が顕著化したのだろう。ただ、噴射量も増加傾向になるからさほど問題にならないはずだ。管理人はけっこう低回転を多用するので、このようなことに気が付いてしまったのではないだろうか。

 

このように考えると今のところツジツマが合う。対策は?センサーを元に戻して、、もらえない。ノッキングは自己着火が主な原因だから燃焼状態を改善することである程度抑えられる。プラグの高性能化とエアクリーナーの透過性を向上、どちらか、若しくは両方で改善は望める。そこでK&Nのフィルターが登場となった。

 

装着!!宇宙刑事、アンパンだ??

 

今回はK&Nフィルターのラインナップの中で、純正交換タイプを選択した。エアクリーナーボックスを外すタイプもあるが、管理人はあまり大きな変更をする術も勇気も、はたまた知識もない。それに、ボックスの外にむき出しにして大丈夫かという疑問もあるからだ。

購入にあたって、今回は値段の都合上ネット通販を利用した。早速箱を開けて調べてみる。なんかえらく目が粗いぞ。大丈夫なのか??装着してみようと思ったが、なんか大きさが違うように見える。純正では硬いプラスティックの部分がフニャフニャのゴム製だ。しかもそのゴム部には、なんかバリがあるぞぉ?仕方なくバリをナイフで切り取って整え、無理やりに装着。エアクリーナボックスのフタのねじを締めていくとスルスルといい塩梅で収まっていく。そういうことかぁ〜。返品してやろうと思っていたが、なんか納得。

 

 左が純正エアフィルター、右がK&N製エアフィルター。太陽に透かしてみるとこの通り。

 

エンジン始動。音はあまり変わらないなぁ。出発進行。お、なんかアイドリングでシフトアップができるぞ。極低速のトルクが少し向上しているようだ。全開。変なもたつきはとりあえず無さそうだ。さて、懸案のノッキングだが、、。やっぱり出るなぁ。でもちょっと、いや結構改善されている。注意すればほとんど出ない。3分の1の頻度と考えればよさそうだ。しかし安心はできない。空気をたくさん吸っているから、燃焼温度=水温が気になる。やや上がり気味か。それとオイルの汚れをマメに点検しておかないと。あまり汚れるようだったらノーマルに戻す必要がありそうだ。エンジンを痛めたのでは意味が無い。当面モニターしておくことにしよう。 

 

 実は別な原因であった?

 

K&Nフィルターによりエアの吸入量が多くなったのであろう。通常走行時にアクセル開度が少ないように感ずる。特に発進加速時は開けすぎる傾向がある。また、結果として半クラッチの時間が30%位は短くなったと思われる。ただ、懸念された水温の上昇はほぼ間違いないようだ。ちょっと上昇が早い。また、時々安定する点が高いようだ。15%程安定点が高い場合もある。累積走行10万kmを目指す管理人にとってはちょっとエンジンのダメージが気になる。オイルの汚れは気が付くほどではない。ただ、上記の水温が高いことにより、粘性が落ちるかもしれないなぁ。要監視項目だ。

肝心なノッキングの件であるが、症状は緩和された。しかし根本的な解決にならない。トップ2200回転あたりで多めにアクセルを開けると「タンタンタンタン」と音が出る。なんかエンジンでもかなり後ろの方から音がする。チェーンがタルタルになっている。完全に寿命だ。引いてもすぐに伸びてしまう。思い切ってというか、交換するのが当たり前だ。

 

   ドライブチェーンとスプロケ交換。4万3千円也。

 

ご存じYSP天白に部品と交換を依頼した。チェーンは純正はエンドレスタイプなので高いから「純正相当品」にしてくれるそうだ。DIDのVMあたりか、と思っていたらRKのXWが装着されているではないか。普通のOリングでよかったのだが、まあ長持ちすることを期待できるし、シールの抵抗も格段に少ない。燃料費の削減と使用期間の延長を考えればお得かもしれない。走行してみるとやはりノイズが激減していた。ガシャガシャがシュルシュルと言えばおわかりいただけるであろうか。例のノッキングであるが、「治っている」ではないか。何がスロットルポジションセンサーが怪しいだ。怪しいのは私のバイクに対する知識だ。まあ、結果相当に調子が良くなったので、趣味を人生の生業する管理人にとってはものすごぉーーく嬉しい。いやいや、また累積距離が伸びそうだ。

 

その後

 

エアクリーナエレメントをK&Nフィルタに交換後、3000km以上走行した。オイルのひどい汚れ等は確認されていない。また、車検も一発で合格している。排ガスにも影響は無いものと思われる。空気の吸入量が多少増えたくらいでは、エンジンコンピュータが補正するし、また補正できる範囲での変化であったということだろう。時期をみて一度車両から外して、清掃、点検をしてみようと思う。

 

戻る