恵那市&中津川市にまたがる大林道郡の調査その2

 

08/04/27

 

 

今回の調査範囲

 

0.続編です

 

昨日は雨が降って一日中家で寝ていたわけだが、今日は天気も回復した。しかし、起きた時間が遅く、洗濯等家事をこなしたので、出発は午前10時となってしまった。まあ日曜日なんてのはそんなもんよ。

さあ、今回は前回調査できなかった阿岳谷鯉子林道方面を調査することにしよう。もしもゲートで進入不可であったら、周辺を探索してみるつもりだ。それにしても、林道郡の一番南の入り口までは自宅から60km近くはある。その間は全て舗装路であるが、林道走行用の愛機、KDX125ccの動力性能はセロー並によいので、パワー不足ということはない。立ち上がり加速や伸びは125ccとは思えないパフォーマンスを発揮する。しかし、街乗りがメインであったせいか、最近吹け上がりに谷を感ずるようになってきた。これは排気バルブの動きが悪くなってきていることが原因であろうと思われる。まだエンジン腰上オーバーホール後600km程しか走行していないんだけどなぁ。

それにしても陽子氏はお天気屋のようだ。気をつけろ。腹が減ったと思ったら既に11時30分だ。林道調査の前に飯にしようということで、YGを抜けた国道257号線沿いにある喫茶店で日替わりランチ「えびカレーサラダ・コーヒー付き(650円)」を食す。この喫茶店はログハウス調であり、立地条件も悪くないのか、管理人のいる間、ほぼ満席の状態を保っていた。おばさんがやけに愛想が良い。接客は雑だがなぜか許せてしまう、そんな人、おりますねぇ。地元の方も多く来店ているようで、コーヒーチケットもたくさんカウンターの壁に貼り付けてある。次回も利用してみようかと思う。

 

1.阿岳谷鯉子林道へ

 

さて、飯を食って臨戦態勢が整った。国道257号から418号へ。いよいよ林道へ続く道へと進入していく。その入り口は街中にあるので、ちょっと不思議だ。農家の脇を抜け、白井沢合川林道との分岐点を通過。いよいよ阿岳谷鯉子林道へ入っていく。ツーリングマップルの情報によると、舗装路とダートが交互に現れるとあるが、その通り(アタック25風に)。というよりも、舗装してあったが、劣化してまたダートに戻りつつある区間と、新しい舗装の区間があるという言い方が適切と言えよう。そんなことを思っていたら、ゲート出現。あああ〜、もう終わりか。

 

 運がよかった

 

ってあんた、ゲートの内側にいるじゃん。というのも、丁度入山する方々がみえて、同行という形で一緒に入れてもらったよんというわけ。「帰りに南京錠を閉めておいてね」、ということで調査開始。先に飯を食っておいてよかったよ。これでこころおきなく調査ができるというものだ。ただ、水を買い忘れたことが痛い。まあ最悪沢の水も飲めそうな気配なので、気にせずに行こう。

ところで、この周辺の林道は締まったダートに白い砂が撒かれていることが多いが、この林道は砂が撒かれていない。オンロード車でも走れそうだ。凸凹も少なく、走りやす過ぎでつまらない。ぐんぐんと標高を上げていくが、前述のエンジンの谷が気になって、軽快とは言えない。おっと、まだ桜がさいているぞ。地図によると標高が既に800m以上になっているようだ。毎年4月はこんな感じで毎週桜を拝んでいる管理人だ。

 

 遅咲きかな?ついでに本題の路面も注目下さい。

 

さて、いろいろと分岐点があるが、まずは本線を行く。そうこうしていると、白井沢合川林道へと繋がる連絡路の分岐点へ到着した。さあどうしよう。まずはこの阿岳谷鯉子林道の終点を目指そう。地図で見るに、この林道は標高が1350m付近で行き止まりになるようだ。

この辺りまで上ってくると、路面もこの周辺特有の白い砂が見えるようになってくる。ということは滑りやすくなってきたというわけだが、路面が締まっているので、さほどでもないか。右手に非常に綺麗な沢を見ながら右に、左にとコーナーをクリアしていく。特にすべることも無く、平和なまま終点の採石場へ到着した。今日は日曜日なので、作業は行われていない。どうも林道は日曜日に限るようだ。途中林業従事者の方とも出会うことはなかった。そういえば、前回は志村ケンの「変なオジサン」のような工事作業者がいたっけ。

 

 終点の採石場

 

この採石場の上の方に道らしきものが見えるので周囲を調べてみたが、結局繋がっている様子はないので、道ではないのかもしれない。

ここで一旦引き返し、もと来た道を下っていく。ん、山の斜面に何かいるぞ。これはカモシカ(セロー)ではなかろうか。写真を撮っていると気配を感じたのか、こちらを向いていぶかしそうに見ていた。

セローを見た後さらに下り、事前にチェックしておいた、一本東側にあるホコロ沢林道に繋がるであろうと思われる連絡林道へ進入。おう、この林道はややフカフカだ。例の白い砂が堆積している模様。おっかなびっくりにコーナーを曲がっていく。ともかく、目線を先に送り、路面状況を事前に把握して対応することに集中した。

 

2.ホコロ沢林道から恵那山林道へ

 

やれやれ、ホコロ沢林道に出てきた。ええと、これを右折して下ると、前回進入を阻まれた恵那山林道に繋がるわけか。けっこう暑くなってきたので、日陰に入って地図を確認する。この辺りまで来ると、ややテンションが上がってきてなんだかワクワクしてきたぞ。何せこの辺り一帯の林道はゲートに阻まれて、めったに進入できないわけだが、そこを走行している。これが興奮せずにおられようか。なになに、このホコロ沢林道の中津川方面は、地図で確認すると行き止まりのようだ。調査は省略して、直接恵那山林道へGOひろみ(あ〜ぁ、あなたの髪はぁ〜)。

途中、昨日の雨で増水した沢を渡りつつ恵那山林道を目指し、ホコロ沢林道を下っていくと恵那山林道に合流した。

さすがに主要林道だけあって、路面は締まっている。頻繁に作業用の車が走っているのであろう。今度はぐんぐんと標高を上げ、鯉子峠と呼ばれる恵那山林道の頂点へ向けて一直線。非常に走りやすい道で、速度も上がる。それでもまったくタイヤが滑る気配がない。おお、そうか、もっと車体をバンクさせてやればいいんじゃん。ちょっと深くバンクさせると、前輪からすくわれそうになった。ここはコーナー内側のハンドルに荷重すれば問題なし。これに気が付いてからまたテンションが上がり、いままでのノロノロ運転から出町柳行き急行並みの速度になった。特にコーナリングスピードは段違いではないかと思う。なにか、前輪、後輪が別々の動きをしているようだ。これがスライド走法よ。うーん、楽しい。ひとしきりスライド走法にも慣れてきた。今度はコーナー出口でパワースライドを試みる。コーナー後半でアクセルを多めに開ける。おおおっと、ケツからコーナーを曲がっているみたいだ。こんなことを試すことができるのは、長い区間の未舗装路を走って慣れてきたからだろう。

 

3.崩落

 

大したこと無い次元の低いドリフトに酔っていたら、急に道が廃道チックになった。ヘアピンカーブを曲がると、前方に道がないじゃん。そう、恵那山林道はもう何年も寸断されたままになっているのだ。その現場今日、辿りついた。因みに地図で調べると、標高は1400m近くあるようだ。

 

   

                              道がありません                                 向こう側と繋がっていたのか?

 

こりゃ崩落というか、崩壊だよ。下のほうに沢が流れているので、豪雨でこの沢が増水して、林道を丸ごと流してしまったようだ。残念。中津川方面に抜けることはできないようだ。

それにしても自然の力の前では、人造物なんてひとたまりもないんだな。よくよく考えてみると、林道に入ると急に自然との距離が近くなった。これは当ページと相互リンクさせていただいている「放浪のページ」の管理人、ローホー氏が言っておられる言葉だが、本当にそう思う。これはすごく心地の良いものだが、逆を返すと痛い目に遭う可能性も飛躍的に高くなったと認識すべきであろう。休憩をしていると、そんな怖さがふと頭をよぎった。

 

4.暗井沢林道から大船牧場へ

 

さて、この後はどうしよう。まだ14時なので、もう少し調査を進めたい。まずはこのまま恵那山林道を下り、暗井沢林道との分岐点を目指す。下りは速度が乗りやすいので、慎重に行こう。それにしてもKDXのブレーキは秀逸だ。舗装路では効きが甘いと思うことが度々あるが、未舗装路では最高に扱い易い。おかげてコーナー入り口で前輪過重を増やし、後輪過重を抜くという基本操作が行いやすい。さらにちょっとバンクさせてハンドル内側を押さえつつ、ハンドルをきってアクセルオン。すると先程述べたように、前輪、後輪が別々の動きをしているなんとも不思議な感覚を得ることができる。KDXなら管理人のようなオフロード初心者でも、朝飯前にドリフトに持ち込むことができる。いやぁ、林道って本当に良いものですね。因みに速度計を見ると40kmも出ていない。舗装路に比べたらすごく低速だから、怖くないよ。

分岐点を左折して暗井沢林道に進入。このあたりは路面が変わり、粘土質の赤土のようだ。昨日の雨で湿っており、グリップもよい。低速ドリフト走行を楽しみつつ、アップダウンを繰り返す。さらに流出林道との分岐点を左に入り、同林道の走行を続けていく。するとゲートが出現した。

 

 大船牧場手前のゲート

 

地図で確認すると、牧場までは数百メートルの所のようだ。完抜しているにもかかわらず、ゲートで阻まれるということは非常に残念だ。

 

5.今度は流出林道だぁ

 

悔しがっていたも仕方ない。流出林道との分岐点までもどり、同林道を走行する。この林道はやや勾配がきつく、カーブの曲率も大きい。走り応えのある林道だ。

ところで、ここまで展望のある場所はほとんど無かったが、ここは眼下に飯田洞川とそれに併走する林道が見えた。

 

 ちょっとわかりにくいけど、一筋の白い線が見える

 

 流出林道は地図では行き止まりであるが、ひょっとして完抜していないかと期待していた。しかし、地図通りに行き止まりであった。これまた残念。ところで、この林道は終点付近は遊歩道を兼ねているようで、樹木に名札が付けられていたりしている。人はほとんど来ないようだが、気をつけた方がよいだろうと余計なお世話を付け加えておこう。

 

6.再び阿岳谷鯉子林道へ

 

再度恵那山林道へ戻る。このまま下っていくと間野という集落に続いているが、ここも手前にゲートがあることを昨年確認している。よって、こちらは省略し、阿岳谷鯉子林道へと繋がるもう一本の連絡路、船岩峠を越える林道を行く。この道も勾配があり、カーブもきつい。路面もフカフカなので、よく滑るよ。前述の通り、コントロールしやすいブレーキを活用し、荷重移動を起こした後にコーナー内側のハンドルを押さえ、アクセルを開ける。やりすぎで横向いちゃって心臓バクバクいわせてしまった。それにしてもここまで乗れたのはKDX購入後初めてではないだろうか。

阿岳谷鯉子林道まで戻ってきた。本当は白井沢合川林道へと繋がる連絡路から同林道、さらにはずっと上流の狸沢の方を抜けて、恵那山林道の崩落箇所を反対から見てみたかったが、すでに15:30だ。ゲートが閉められてしまってはシャレにならないので、今日はここまで。ゲートまで下り、確実に施錠して退散した。

 

7.まとめ

 

今回は運良くゲートの中に滑り込んだ。おかげで普段は入れないエリアを走ることができた。時間切れで、白井沢合川林道の中津川寄りの狸沢方面へ行くことができなかったことが心残りだ。次はいつ行くことができるか、まったくわからない。しかし、これだけ走れただけでもとても大きな収穫であったことも事実である。

話は変わるが、林道の入り口付近にこんな看板があった。

 

看板と共に

 

確かに、所々に笹が生えていたが、熊がいるとは思えない。これは単なる「脅し」である可能性が高い。というのも、北海道の人でさえ、野生の熊を見たことがある人はほとんどいないようだし、未開の知床半島にほとんどの固体が集まっているそうだ。愛知の段戸山付近に一対生息が確認されているようだが、足跡でさえたまに目撃されるだけのようだし。

あと、左側の看板。実はこれが重要だと思う。ゴミの不法投棄をする者が増えたので、頑丈にゲートを設けるようになったと思われる。そんなことしないでくださいよ。林道走りたいんですから。

お願いをしつつ、今回の林道リポートを終わろう。

次回はいつ入山できるだろうか。